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 帰宅途中気晴らしに海岸線沿いに車を走らせた。



 左手に陽の光でキラキラして見える海を臨み前方にどこまでも続きそうな
湾曲した海岸線を走り抜ける。



 今になってみれば、兆候はあったのだ。



 寝室から消えた苺佳。

 家族サービスを喜ばなくなった苺佳。

 以前のように好き好きビームを発信しなくなった苺佳。



 何となく感じていたのに、美羅に夢中で放置していた。

 そして全てをなくした。

 しばらく走行した後、湾岸線の高架下に車を止めることにした。





 結婚する前の両家で集った夏休みの思い出、結婚してからの日々、
そんな記憶がふわふわと英介の頭の中を駆け巡っていくのだった。



          ◇ ◇ ◇ ◇




 翌月末、英介の退職と共に彼ら、英介と苺佳の離婚も成立した。


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