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私が英介さんの昨年から現在までの所業を掻い摘んで報告すると
開口一番母親が言った。
「それっ、本当にほんとなの? あのやさしい英介さんが?
苺佳のことそりゃあ大切にしてくれてたじゃない。
ちょっ・・ちょっと、俄かには信じられないわ」
やっぱりそうだよね。
英介さんは母のお気に入りだからよけいに。
信じられないを連呼する母親と渋い表情の父親の前に、私は調査報告書を
並べた。
ふたりにそれとよく分かるように写真を数枚並べ、レポートを父親に
渡した。
「なに、これ! 嘘よ、英介くんに限ってこんなことあるはずない」
母親は目をウルウルさせながら、現実を受け止められずにいる。
「あなた・・」
見たくもない、見知らぬ女と一緒の英介さんの写真を見せられ取り乱す
母親、そんな中ようやく父親が重い口を開く。
「で、苺佳はどうしたい?」
真っ先に私の気持ちを聞いてくれた。
「会社や仕事のことでお父さんには迷惑をかけるかもしれないけど、
英介さんとは別れるつもりです。
ただ、英介さんは私が女性とのことで証拠を掴んでいることを知りません。
まだ何も本人に問い詰めたりしてないの。
どういい出せばいいのか、分からなくて。
決して有耶無耶にするなんてことは考えてないけど」
「ずっと自分の胸にしまってたの苺佳? 可哀そうに。
仲の良い夫婦だったのに・・お似合いの夫婦だったのに・・ね。
苺佳ぁ、英介さんただの遊びなんじゃないの? 家ではどうなの?
あなたに冷たい態度を取ったりしてるの?」
私は首を横に振った。
「冷たい仕打ちはないし、今まで通りよ。
ただ休日にあった家族団欒はなくなったっていうか私がもうだめ。
英介さんと同じ空気を吸うのもヤなくらいだからね」
「苺佳、一度くらいの過ちなら許せない?
英介さんの謝罪があれば許してあげられない?」
私が英介さんの昨年から現在までの所業を掻い摘んで報告すると
開口一番母親が言った。
「それっ、本当にほんとなの? あのやさしい英介さんが?
苺佳のことそりゃあ大切にしてくれてたじゃない。
ちょっ・・ちょっと、俄かには信じられないわ」
やっぱりそうだよね。
英介さんは母のお気に入りだからよけいに。
信じられないを連呼する母親と渋い表情の父親の前に、私は調査報告書を
並べた。
ふたりにそれとよく分かるように写真を数枚並べ、レポートを父親に
渡した。
「なに、これ! 嘘よ、英介くんに限ってこんなことあるはずない」
母親は目をウルウルさせながら、現実を受け止められずにいる。
「あなた・・」
見たくもない、見知らぬ女と一緒の英介さんの写真を見せられ取り乱す
母親、そんな中ようやく父親が重い口を開く。
「で、苺佳はどうしたい?」
真っ先に私の気持ちを聞いてくれた。
「会社や仕事のことでお父さんには迷惑をかけるかもしれないけど、
英介さんとは別れるつもりです。
ただ、英介さんは私が女性とのことで証拠を掴んでいることを知りません。
まだ何も本人に問い詰めたりしてないの。
どういい出せばいいのか、分からなくて。
決して有耶無耶にするなんてことは考えてないけど」
「ずっと自分の胸にしまってたの苺佳? 可哀そうに。
仲の良い夫婦だったのに・・お似合いの夫婦だったのに・・ね。
苺佳ぁ、英介さんただの遊びなんじゃないの? 家ではどうなの?
あなたに冷たい態度を取ったりしてるの?」
私は首を横に振った。
「冷たい仕打ちはないし、今まで通りよ。
ただ休日にあった家族団欒はなくなったっていうか私がもうだめ。
英介さんと同じ空気を吸うのもヤなくらいだからね」
「苺佳、一度くらいの過ちなら許せない?
英介さんの謝罪があれば許してあげられない?」
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