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俊介が妻との離婚を成立させた頃、すでに兄の英介と苺佳のところには、
眞奈という天使が舞い降りて絶賛幸せの真っただ中であった。
離婚を突き付けると妻の理恵は『あなたのことが好きだから別れたくない』と言い、
俺に対する悪態や男との遊びの証拠を突き付けると、ただの『気晴らしだ』と
埒もない言い訳をし、『離婚なんて露ほども考えたことはない、友達の前で
いいかっこがしたくてあなたのことを下げて悪態を付いたけれど本心ではなかった。
でもあなたを悪しざまに言うことが良くないことは理解しているので
謝るから、今後は発言に気をつけるから許してください』と泣き崩れ、
ひたすら縋ってきた。
これまでいつも勝ち気で、ともすると高慢とも取れる態度だった理恵の
しおらしい言動を聞いても、俊介の胸には何も響かなかった。
人を騙して結婚し、挙句その相手に不服があるかのような下げまくりの
発言を友人にしていた理恵の、本意ではなかったとの縋る言葉を聞き、
こんなクズが存在するなんて、と、ただただ俊介はあきれるしかなかった。
◇ ◇ ◇ ◇
散々な目に合わされた俊介は、以後女性不振に陥ってしまい
今も独身でいる。
俊介が妻との離婚を成立させた頃、すでに兄の英介と苺佳のところには、
眞奈という天使が舞い降りて絶賛幸せの真っただ中であった。
離婚を突き付けると妻の理恵は『あなたのことが好きだから別れたくない』と言い、
俺に対する悪態や男との遊びの証拠を突き付けると、ただの『気晴らしだ』と
埒もない言い訳をし、『離婚なんて露ほども考えたことはない、友達の前で
いいかっこがしたくてあなたのことを下げて悪態を付いたけれど本心ではなかった。
でもあなたを悪しざまに言うことが良くないことは理解しているので
謝るから、今後は発言に気をつけるから許してください』と泣き崩れ、
ひたすら縋ってきた。
これまでいつも勝ち気で、ともすると高慢とも取れる態度だった理恵の
しおらしい言動を聞いても、俊介の胸には何も響かなかった。
人を騙して結婚し、挙句その相手に不服があるかのような下げまくりの
発言を友人にしていた理恵の、本意ではなかったとの縋る言葉を聞き、
こんなクズが存在するなんて、と、ただただ俊介はあきれるしかなかった。
◇ ◇ ◇ ◇
散々な目に合わされた俊介は、以後女性不振に陥ってしまい
今も独身でいる。
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