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『愛が揺れるお嬢さん妻』71

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 あの瑤が、今までの態度が嘘のようなことを言い出して、苺佳は
面喰ってしまう。

 そして彼女が自分に本気で謝罪していると感じることもできる。

 一気に苺佳の中に渦巻いていた何かが・・憤怒が・・溶けていくのを
感じた。




 瑤とのことは、今日あった嫌なことは、時間を掛けて忘れよう、忘れて

保育園に通園している間は気まずくならないようやり過ごし、子供たちが

小学校へ上がり別々になった頃自然の成り行きに任せよう、きっとそれで

疎遠になってゆくことだろうし、などと自分の気持ちを宥めていたのに、

瑤のほうが問題を蒸し返してきたのだ。




 それで一気に苺佳の感情が爆発してしまったのだった。

          ◇ ◇ ◇ ◇


「瑤ちゃんがそんなことを憂いてたなんて・・。
瑤ちゃんこそ綺麗でカッコ良くておかあさんたちのアイドルなんだよ。
私のほうこそ瑤ちゃんに憧れるよぉー」

と苺佳が嬉しくもない台詞で自分を慰めてくれる。



「カッコ良くなんかないよ。逆、カッコ悪すぎー。
 反省したからさ。苺佳、今までのことはごめん。
これからも仲良しさんでいてくれ、お願いします」



「お願いされなくても、これからもずーっと仲良しさんだね、私たち。
 私、瑤ちゃんと友達になれてよかった」


「うん、私もだよ」


何ていうことはない。
まるで痴話喧嘩のようにまぁるく二人は仲直りした・・のだった。
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