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『どういうこと?』
瑤らしくない言動に苺佳は戸惑いを隠せなかった。
苺佳はハッとして比奈の方を見た。
眞奈と自分がいるからか、それほど動揺している風ではない。
そっかぁ~、一番動揺しているのは自分なのかぁ~。
私ったら。
瑤ちゃんらしくない行動、何か理由があるのか、ないのか。
あるとするなら今の自分にはまったく分からないことになる。
だんだん心細い気持ちになって、どんどん悲しくなっていくものだから、
折角園が出してくれたビーフカレーも美味しく味わえずに終わりそうだ。
とにかく全身の細胞から吹き出て来る失望感と寂寥感が半端ない。
大人の事情など何も知らない子供たちは無邪気にいつも通り仲良く
おしゃべりしながら美味しそうにカレーを食べている。
それなのに情けないけど、私は早く家に帰りたくてたまらなかった。
私は仲間外れにされたことも吐きそうなくらい気持ち悪かったし、
そんな状況なのに私を置いてきぼりにした瑤ちゃんにも大きく失望した。
中沢さんたちと一緒の瑤ちゃんのいる席・・私はそちらの方向を見まいと、
その一方方向へは首どころか視線さえ動かさなかった。
不愉快極まりない状況下で負けたくないと思った。
瑤ちゃんに対して拗ねたりはもちろんのこと怒ったりもしない。
自分からは絶対話題に出さないしスルーしてやる、と決めた。
◇ ◇ ◇ ◇
私は瑤ちゃんにテレパシーを送った。
『今後、笑顔でいることもやさしくすることもないから。
そんなことできるわけない、分かった?』
『どういうこと?』
瑤らしくない言動に苺佳は戸惑いを隠せなかった。
苺佳はハッとして比奈の方を見た。
眞奈と自分がいるからか、それほど動揺している風ではない。
そっかぁ~、一番動揺しているのは自分なのかぁ~。
私ったら。
瑤ちゃんらしくない行動、何か理由があるのか、ないのか。
あるとするなら今の自分にはまったく分からないことになる。
だんだん心細い気持ちになって、どんどん悲しくなっていくものだから、
折角園が出してくれたビーフカレーも美味しく味わえずに終わりそうだ。
とにかく全身の細胞から吹き出て来る失望感と寂寥感が半端ない。
大人の事情など何も知らない子供たちは無邪気にいつも通り仲良く
おしゃべりしながら美味しそうにカレーを食べている。
それなのに情けないけど、私は早く家に帰りたくてたまらなかった。
私は仲間外れにされたことも吐きそうなくらい気持ち悪かったし、
そんな状況なのに私を置いてきぼりにした瑤ちゃんにも大きく失望した。
中沢さんたちと一緒の瑤ちゃんのいる席・・私はそちらの方向を見まいと、
その一方方向へは首どころか視線さえ動かさなかった。
不愉快極まりない状況下で負けたくないと思った。
瑤ちゃんに対して拗ねたりはもちろんのこと怒ったりもしない。
自分からは絶対話題に出さないしスルーしてやる、と決めた。
◇ ◇ ◇ ◇
私は瑤ちゃんにテレパシーを送った。
『今後、笑顔でいることもやさしくすることもないから。
そんなことできるわけない、分かった?』
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