『愛が揺れるお嬢さん妻』- かわいいひと -   

設樂理沙

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 「人気があるんだなっ」


 人の気も知らないで頓珍漢なことを・・。
 人気があるのはあ・な・た。あなたのほうなのよ。


「それほどでも・・って人気があって私に話し掛けてくれたのだったら
よかったんだけど。人気があるのは、大林さんのほうよ。

 大林さんと私、近くで一緒に苗の植え付けしてるから
『大林さんとは仲いいんですか? とか昔からの知り合いなの?』
とかって、訊かれてたんです」


「なに、それっ」


「そーよね。私たち仲良しかって訊かれたらビミョーですもんね」


「なにっ、それ。仲良しだろ? 娘預けてるんだし」


「そうなの? そう思ってていいの?」


「そーだよ。私たちは仲良しさんだぞ」


「そうかなぁ~」


「難しく考えない。ほれっ、うちは3つとも苗付け終了っと」


「やばいっ」


「面白いな。苺佳はしゃべってると手が止まるんだ」

          ◇ ◇ ◇ ◇


 い、苺佳ぁ~。
 大林さんから突然苺佳呼ばわりされて私は焦った。


 だって苺佳呼ばわれするほど私たちの距離はそんなに狭まってないもん。


「はいはい、そこーっ!恥ずかしがらない。私たちは仲良しさんなのだから
下の名前で呼び合おう。私のことは けいって呼んで」


「えーっ」


「それでさぁ、他のおかあさんたちから・・ほらっ、さっき言ってただろ、
昔からの知り合いなのかとかって訊かれたって。


 ちょうどいいやっ、昔からの知り合いってことにしておこう。
 いずれ苺佳が比奈を預かってくれてることも周囲に分かることだろうし。

 いろいろ詮索されるの、あなたも嫌でしょ?」



「あー、言われてみればそうよね。大林・・じゃなかった瑤ちゃんって
頭の回転早いー」


「何、今頃わかったって? お・そ・いー」


「参りました」

          ◇ ◇ ◇ ◇
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