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" お願い1-59 "
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59.
「萌枝さん、ひとつお願いがあるんだ。俺たちのこと……。
今までのようなあやふやな関係じゃなくて……その……
俺を萌枝さんの恋人にしてくれない?」
「えぇっ~、もしかして私たち恋人じゃなかったの?」
自分でもふたりの関係が恋人だなんて思ってもなかったのに
何でか、こんな風に私は彼に言ってしまった。
他に言葉が見つからなかったからなのか!
夫も子もいながらっていうのもあるけれど、それ以前に
気持ちの上で恋人同士とは言いがたい関係だったと思う。
何故なら彼に対して、まず私は彼の身体が欲しいという
欲望から彼との付き合いを始めてしまったから。
そして彼からも好きだと言われたことはこれまで一度もなかったし。
「ごめんなさい、今の私の返しすごい変よね? 私ったら
何言っちゃってるんだろう。訂正します。
ほんと、私たちは恋人同士っていう関係じゃなかったと思う」
私は焦る気持ちを何とか宥めて、彼に自分の発言の訂正を
試みた。
「俺たちはセフレだったんだよ、今まで」
なかなか私が口にできなかった言葉を彼があっさりと吐いた。
私は少し吃驚した。
今まで神波は私たちの関係について一度も触れてきた事がなかったから。
「セフレって……何か恥ずかしい響きがするね。そうよね、私たち
ってセフレっていうこじゃれた関係だったのよね……。恋人って
いいわね、うん私たち恋人同士になりましょう」
「ほんと?」
「ええ、ほんと。いいんじゃないかな」
毎日一緒にいられないから……
いられないけど……
「新鮮でいいと思う、うん」
「そういう意見を聞いた後で何なんですけどぉ~
駄目元で、もひとつお願いしてもいいかな?」
「何でしょう?」
「萌枝さん、ひとつお願いがあるんだ。俺たちのこと……。
今までのようなあやふやな関係じゃなくて……その……
俺を萌枝さんの恋人にしてくれない?」
「えぇっ~、もしかして私たち恋人じゃなかったの?」
自分でもふたりの関係が恋人だなんて思ってもなかったのに
何でか、こんな風に私は彼に言ってしまった。
他に言葉が見つからなかったからなのか!
夫も子もいながらっていうのもあるけれど、それ以前に
気持ちの上で恋人同士とは言いがたい関係だったと思う。
何故なら彼に対して、まず私は彼の身体が欲しいという
欲望から彼との付き合いを始めてしまったから。
そして彼からも好きだと言われたことはこれまで一度もなかったし。
「ごめんなさい、今の私の返しすごい変よね? 私ったら
何言っちゃってるんだろう。訂正します。
ほんと、私たちは恋人同士っていう関係じゃなかったと思う」
私は焦る気持ちを何とか宥めて、彼に自分の発言の訂正を
試みた。
「俺たちはセフレだったんだよ、今まで」
なかなか私が口にできなかった言葉を彼があっさりと吐いた。
私は少し吃驚した。
今まで神波は私たちの関係について一度も触れてきた事がなかったから。
「セフレって……何か恥ずかしい響きがするね。そうよね、私たち
ってセフレっていうこじゃれた関係だったのよね……。恋人って
いいわね、うん私たち恋人同士になりましょう」
「ほんと?」
「ええ、ほんと。いいんじゃないかな」
毎日一緒にいられないから……
いられないけど……
「新鮮でいいと思う、うん」
「そういう意見を聞いた後で何なんですけどぉ~
駄目元で、もひとつお願いしてもいいかな?」
「何でしょう?」
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