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" おちゃめ? いやいや……いじましい復讐5-48 "
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48.
最愛の妻が、あれから一度も以前のように熱い眼差しで
見てくれなくなったことに気付いてはいたが、自分のしたことを
鑑みてみれば仕方のないことと、自分を納得させていた。
毎日嫌なことも言わず、過去を穿り返して俺の
したことを責めることもなく、息子のことも含め家庭を……
俺にとっても息子にとっても居心地の良い家庭を作ってくれて
いるのだ。
文句のあろうはずがない……よな?
直截的な言葉はないけれど……
そして自信もないけれど……
それでも今のいままで妻に愛されてると思ってきた。
見えたLINEの遣り取りを見る限り、妻はちゃんと俺のことも
家庭のことも大事と書いてあるのだから、あながち俺の……
俺だけのひとり相撲という訳でもなかっのだと思う。
しかし何か既視感のある言葉に引っかかりを感じてしまう。
そうだ……。
『ただの浮気だったの。本気になられても困るわ』
このフレーズだ。
『ただの浮気だった……ノ..』
俺が浮気をただの浮気だと言い訳した時の……それはその時
言い訳に発した言葉と同じ文言だった。
浮気にただの浮気も本気の浮気もあるものか!
浮気はただの遊びだから浮気って言うんだ。
ただの浮気って何だよ。
俺はここに居ない妻に向かって更に怒鳴った。
自分の吐いた言葉に、ハッと俺は我に返った。
あの時妻はこんな風に……俺のように……問い詰めて
怒鳴ったりはしなかった。
どうしてなんだ?
今更ながら当時の妻の気持ちを知りたいと思った。
そして何食わぬ顔をして浮気している今の妻に、どんな心境で
ここにいる俺と顔を合わせられるのか、知りたいと思った。
同じように浮気してた時の俺の気持ちに近いンじゃないのか?
すぐに俺の心の声が俺に囁やいてきた。
最愛の妻が、あれから一度も以前のように熱い眼差しで
見てくれなくなったことに気付いてはいたが、自分のしたことを
鑑みてみれば仕方のないことと、自分を納得させていた。
毎日嫌なことも言わず、過去を穿り返して俺の
したことを責めることもなく、息子のことも含め家庭を……
俺にとっても息子にとっても居心地の良い家庭を作ってくれて
いるのだ。
文句のあろうはずがない……よな?
直截的な言葉はないけれど……
そして自信もないけれど……
それでも今のいままで妻に愛されてると思ってきた。
見えたLINEの遣り取りを見る限り、妻はちゃんと俺のことも
家庭のことも大事と書いてあるのだから、あながち俺の……
俺だけのひとり相撲という訳でもなかっのだと思う。
しかし何か既視感のある言葉に引っかかりを感じてしまう。
そうだ……。
『ただの浮気だったの。本気になられても困るわ』
このフレーズだ。
『ただの浮気だった……ノ..』
俺が浮気をただの浮気だと言い訳した時の……それはその時
言い訳に発した言葉と同じ文言だった。
浮気にただの浮気も本気の浮気もあるものか!
浮気はただの遊びだから浮気って言うんだ。
ただの浮気って何だよ。
俺はここに居ない妻に向かって更に怒鳴った。
自分の吐いた言葉に、ハッと俺は我に返った。
あの時妻はこんな風に……俺のように……問い詰めて
怒鳴ったりはしなかった。
どうしてなんだ?
今更ながら当時の妻の気持ちを知りたいと思った。
そして何食わぬ顔をして浮気している今の妻に、どんな心境で
ここにいる俺と顔を合わせられるのか、知りたいと思った。
同じように浮気してた時の俺の気持ちに近いンじゃないのか?
すぐに俺の心の声が俺に囁やいてきた。
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