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" 偶然か、必然か? 7-39 "
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39.
私が彼女に対して"酷い事をしたヤツなんか死ねばいいのに"
みたいな? 悪感情を出さなかった為か、卒業まで小澤一代の身には
コレまでの人達のように何も事故は起きなかった。
自分の負の感情を押さえ込むのは、とても辛いことだったけれど
でも、何も彼女の身に災いが起こらなくってよかったのだと思った。
◇ ◇ ◇ ◇
それから4~5年後、私は親友と一緒に歌を聞くために大阪に向かう
バスの中で、あろうことか小澤一代に遭遇した。
私は挨拶はしたものの、とても普通の同級生に対するような親しみを
込めて彼女を見つめることもできなかったし、会話もできず……っていうか
寧ろ過去のことがフラッシュバックしてしまい、恨めし気な視線で
彼女を見てしまった。
彼女が先にバスから降りた。
彼女は私たちの乗っているバスを一度も振り返りはしなかった。
私は昔あんたが私にしたこと気付いてるんだからねって思いを
彼女に向けつつ、彼女が歩いていくのをバスの中から眺めてた。
隣にいる親友が何か話しかけてきた。
私はそれに相槌を打ちながら小澤一代をずっと見ていた。
彼女が最寄の電車の駅の側まで辿りついた時、彼女の姿がフっと消えた。
◇ ◇ ◇ ◇
えっ? 地上から居なくなった。
どうして? 自分の目の錯覚だったのかな?
くらいの気持ちでそれから私は親友と目的地に向かった。
好きな歌手の歌を堪能して幸せ一杯気分で帰宅。
何気にTVでニュースを聞いていたら、小澤一代が地上から
一瞬にして消えた理由が判った。
折からの異常気象の大雨で地盤が緩んでいた為、駅周辺の
かなり広い面積の道路が数メートルに亘り陥没したらしい。
被害に遭った人は3名いた。軽傷2名、重症1名。
重症が彼女、小澤一代だった。
私は恐ろしくなった。
今頃? 何故?
昔を思い出して嫌悪感が復活したけれど、小澤に災いが起こればいい
なんて、ちっとも願ってなかったじゃない。
それでもやはり私の法則は生きていた。
無意識のうちに私は彼女の不幸を願っていたのだろうか。
私は途方に暮れた。
それと共に……今までに起きた事象はやっぱり偶然なんかじゃあないと、
この時改めて自分の身に、見えないパワーを感じた。
そして私は普通じゃない人間なのだと自覚したのだった。
私が彼女に対して"酷い事をしたヤツなんか死ねばいいのに"
みたいな? 悪感情を出さなかった為か、卒業まで小澤一代の身には
コレまでの人達のように何も事故は起きなかった。
自分の負の感情を押さえ込むのは、とても辛いことだったけれど
でも、何も彼女の身に災いが起こらなくってよかったのだと思った。
◇ ◇ ◇ ◇
それから4~5年後、私は親友と一緒に歌を聞くために大阪に向かう
バスの中で、あろうことか小澤一代に遭遇した。
私は挨拶はしたものの、とても普通の同級生に対するような親しみを
込めて彼女を見つめることもできなかったし、会話もできず……っていうか
寧ろ過去のことがフラッシュバックしてしまい、恨めし気な視線で
彼女を見てしまった。
彼女が先にバスから降りた。
彼女は私たちの乗っているバスを一度も振り返りはしなかった。
私は昔あんたが私にしたこと気付いてるんだからねって思いを
彼女に向けつつ、彼女が歩いていくのをバスの中から眺めてた。
隣にいる親友が何か話しかけてきた。
私はそれに相槌を打ちながら小澤一代をずっと見ていた。
彼女が最寄の電車の駅の側まで辿りついた時、彼女の姿がフっと消えた。
◇ ◇ ◇ ◇
えっ? 地上から居なくなった。
どうして? 自分の目の錯覚だったのかな?
くらいの気持ちでそれから私は親友と目的地に向かった。
好きな歌手の歌を堪能して幸せ一杯気分で帰宅。
何気にTVでニュースを聞いていたら、小澤一代が地上から
一瞬にして消えた理由が判った。
折からの異常気象の大雨で地盤が緩んでいた為、駅周辺の
かなり広い面積の道路が数メートルに亘り陥没したらしい。
被害に遭った人は3名いた。軽傷2名、重症1名。
重症が彼女、小澤一代だった。
私は恐ろしくなった。
今頃? 何故?
昔を思い出して嫌悪感が復活したけれど、小澤に災いが起こればいい
なんて、ちっとも願ってなかったじゃない。
それでもやはり私の法則は生きていた。
無意識のうちに私は彼女の不幸を願っていたのだろうか。
私は途方に暮れた。
それと共に……今までに起きた事象はやっぱり偶然なんかじゃあないと、
この時改めて自分の身に、見えないパワーを感じた。
そして私は普通じゃない人間なのだと自覚したのだった。
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