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" 偶然か、必然か? 5-37 "
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37.
高校時代、概ね順風満帆に過ごしていたのだけれど
2年の2学期になった頃、6人グループだった私たちに亀裂が
入った。
グループの中に男子からモテる桑原則子という女子がいた。
クラスに桑原則子にすごく執着していたYという男子がいて
修学旅行先でもストーカーしていたらしい。
私たち3人はあまり気にしてなかった。
……っていうかそれどころじゃなかったというのが
本当のところ。
私たちは何か異性との間に楽しいことが起きないだろうか? とか
乙女チックな雰囲気に酔っていたから。
結局誰とも男子とは仲良くなれずじまいだったんだけどもね。
そしてY男のこともそんなに大仰に捕らえてなかった。
そのことが彼女たち、桑原則子と彼女に付き添った友人2人を
激怒させるなんてことも。
だが今考えても理解できない。
だって一度も桑原則子も他の2人も一緒にY男のこと、対応してほしいって
言ってこなかったんだよ?
その申し出を断ったっていうなら、彼女たちが怒るのも理解できなくは
ないけれど、何も言わないでいて後になって自分勝手な行動して
桑原則子が困ってたのにほうっておいて何て冷たいヤツだみたいな
感じで彼女たちから絶縁されてしまった私たち3人。
絶縁だと大声でまくし立ててきたのはストーカーされていた本人
桑原ではなく、川端景子という同級生だった。
◇ ◇ ◇ ◇
川端景子はクラスで浮いていて男子からは『汚い』とか言われ
悪目立ちしてた。
どうして男子から異常に嫌われていたのかは知らない……。
ちょっと派手な造形をしていたから、容姿が原因だったかもしれない。
でも私は上から目線のつもりはなかったけれど……
気の毒に思い、彼女に対し私たちのグループで守るじゃないけど……
そういう暖かい気持ちでいた。❦
なのに、その子から猛攻撃されて……今までの彼女への私の
小さな想いはなんだったんだろうなぁ~なんてね、考えさせられた。
自分がストーカーされていた本人でもないのに、あそこまで
友だちだった私たちのことをよくもまぁぼろ糞に言えるもんだなぁと。
後年そんないざこざも遠い出来事になってしまった頃のこと
職場が近くだったことから川端景子と再会して2度3度お茶をしたことが
あった。
もう興醒めだった。
会った瞬間から席を立つまで、彼女の話題は男性のことばかりで。
会話にキャッチボールが成立しなかった。
❦
私との会話を、私と会えることを、ちっとも望んでないように思えて
空しさを覚えたため、それっきり付き合いを止めてしまった。
そういうとまるで私から振ったみたいだが、私のほうこそがおそらく
彼女から友人として認定されてなかったし必要とされてなかったんだろう
と思う。
高校時代、概ね順風満帆に過ごしていたのだけれど
2年の2学期になった頃、6人グループだった私たちに亀裂が
入った。
グループの中に男子からモテる桑原則子という女子がいた。
クラスに桑原則子にすごく執着していたYという男子がいて
修学旅行先でもストーカーしていたらしい。
私たち3人はあまり気にしてなかった。
……っていうかそれどころじゃなかったというのが
本当のところ。
私たちは何か異性との間に楽しいことが起きないだろうか? とか
乙女チックな雰囲気に酔っていたから。
結局誰とも男子とは仲良くなれずじまいだったんだけどもね。
そしてY男のこともそんなに大仰に捕らえてなかった。
そのことが彼女たち、桑原則子と彼女に付き添った友人2人を
激怒させるなんてことも。
だが今考えても理解できない。
だって一度も桑原則子も他の2人も一緒にY男のこと、対応してほしいって
言ってこなかったんだよ?
その申し出を断ったっていうなら、彼女たちが怒るのも理解できなくは
ないけれど、何も言わないでいて後になって自分勝手な行動して
桑原則子が困ってたのにほうっておいて何て冷たいヤツだみたいな
感じで彼女たちから絶縁されてしまった私たち3人。
絶縁だと大声でまくし立ててきたのはストーカーされていた本人
桑原ではなく、川端景子という同級生だった。
◇ ◇ ◇ ◇
川端景子はクラスで浮いていて男子からは『汚い』とか言われ
悪目立ちしてた。
どうして男子から異常に嫌われていたのかは知らない……。
ちょっと派手な造形をしていたから、容姿が原因だったかもしれない。
でも私は上から目線のつもりはなかったけれど……
気の毒に思い、彼女に対し私たちのグループで守るじゃないけど……
そういう暖かい気持ちでいた。❦
なのに、その子から猛攻撃されて……今までの彼女への私の
小さな想いはなんだったんだろうなぁ~なんてね、考えさせられた。
自分がストーカーされていた本人でもないのに、あそこまで
友だちだった私たちのことをよくもまぁぼろ糞に言えるもんだなぁと。
後年そんないざこざも遠い出来事になってしまった頃のこと
職場が近くだったことから川端景子と再会して2度3度お茶をしたことが
あった。
もう興醒めだった。
会った瞬間から席を立つまで、彼女の話題は男性のことばかりで。
会話にキャッチボールが成立しなかった。
❦
私との会話を、私と会えることを、ちっとも望んでないように思えて
空しさを覚えたため、それっきり付き合いを止めてしまった。
そういうとまるで私から振ったみたいだが、私のほうこそがおそらく
彼女から友人として認定されてなかったし必要とされてなかったんだろう
と思う。
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