34 / 61
" 偶然か、必然か? 2-34 "
しおりを挟む
34.
今度は小学5年生の時のこと。
私の通う小学校は毎年はクラス替えしない学校だった。
持ち上がりで2年間同じクラスになるのだ。
クラスに酷い女子がいた。
ひとりずつターゲットを変えながらいじめを繰り返していた。
忘れもしない山田尚美という名前だった。
彼女は常に4~5人取り巻きを連れていて、ターゲットを決めると
いじめを始めるのだ。
私も何度もやられた。
その頃父親が交通事故に遭ったりしたことも拍車をかけて我が家は
貧困家庭になっていた。
なので、例えばお正月が来るから新しい洋服に靴下に下着……と
揃えるなんてことは無理だったのだ。
そう、イベントに併せて何かを買ってもらうことは無理が
あった。
だから買える時に必要なものを買ってもらっていた。
ある日、やっと真新しい運動靴を買ってもらえたので
新品の運動靴で登校したら、案の定、山田はいじわるを言ってきた。
『遠足でもないし、運動会でもないのにちゃらちゃら新しい
靴履いてきて、馬鹿じゃないの? 』と。
みんなが掃除している放課後に4~5人に囲まれて苛められた。
『ちょっと、アンタ……私たちのこと見下してるんちがう?
私らのこと貧乏人やと思ってるんやろ』と。
◇ ◇ ◇ ◇
『はぁ~? そんなこと思うはずない。私こそが貧乏なんだよぉ』
彼女の言いがかりは子供だといえども、むちゃくちゃ過ぎた。
本当に山田尚美は性根の腐った子供だった。
その子と連れ立って私を囲んでいた子の中に、つい先日
隣同士の席になって
「萌枝ちゃん、仲ようしてね」と言ってやさしく笑い、鉛筆まで
くれた女子もいて、私はひどく絶望的になったものだ。
ついこの間まで仲良くしていた子が……喧嘩したわけでもなく
その子にいじわるしたわけでもないのに、自分を山田尚美と一緒に
同調して攻めてくるのだ。
人間不信になるよねぇ、全くぅ。
訳が判らなかったけれど、それでも私は半泣きながらも
「用事はそれだけなん? じゃっ、私帰るわ」
と言い捨てて走って泣きながら家に帰った。
酷いヤツらだ……酷すぎる。
私だけじゃなくて他の子たちも苛めてる山田尚美。
『あんな悪魔のような存在がこの世にいて良いわけがない。
天罰が下るといいのに』
そんな風に思っていた記憶がある。
今度は小学5年生の時のこと。
私の通う小学校は毎年はクラス替えしない学校だった。
持ち上がりで2年間同じクラスになるのだ。
クラスに酷い女子がいた。
ひとりずつターゲットを変えながらいじめを繰り返していた。
忘れもしない山田尚美という名前だった。
彼女は常に4~5人取り巻きを連れていて、ターゲットを決めると
いじめを始めるのだ。
私も何度もやられた。
その頃父親が交通事故に遭ったりしたことも拍車をかけて我が家は
貧困家庭になっていた。
なので、例えばお正月が来るから新しい洋服に靴下に下着……と
揃えるなんてことは無理だったのだ。
そう、イベントに併せて何かを買ってもらうことは無理が
あった。
だから買える時に必要なものを買ってもらっていた。
ある日、やっと真新しい運動靴を買ってもらえたので
新品の運動靴で登校したら、案の定、山田はいじわるを言ってきた。
『遠足でもないし、運動会でもないのにちゃらちゃら新しい
靴履いてきて、馬鹿じゃないの? 』と。
みんなが掃除している放課後に4~5人に囲まれて苛められた。
『ちょっと、アンタ……私たちのこと見下してるんちがう?
私らのこと貧乏人やと思ってるんやろ』と。
◇ ◇ ◇ ◇
『はぁ~? そんなこと思うはずない。私こそが貧乏なんだよぉ』
彼女の言いがかりは子供だといえども、むちゃくちゃ過ぎた。
本当に山田尚美は性根の腐った子供だった。
その子と連れ立って私を囲んでいた子の中に、つい先日
隣同士の席になって
「萌枝ちゃん、仲ようしてね」と言ってやさしく笑い、鉛筆まで
くれた女子もいて、私はひどく絶望的になったものだ。
ついこの間まで仲良くしていた子が……喧嘩したわけでもなく
その子にいじわるしたわけでもないのに、自分を山田尚美と一緒に
同調して攻めてくるのだ。
人間不信になるよねぇ、全くぅ。
訳が判らなかったけれど、それでも私は半泣きながらも
「用事はそれだけなん? じゃっ、私帰るわ」
と言い捨てて走って泣きながら家に帰った。
酷いヤツらだ……酷すぎる。
私だけじゃなくて他の子たちも苛めてる山田尚美。
『あんな悪魔のような存在がこの世にいて良いわけがない。
天罰が下るといいのに』
そんな風に思っていた記憶がある。
3
お気に入りに追加
46
あなたにおすすめの小説




じれったい夜の残像
ペコかな
恋愛
キャリアウーマンの美咲は、日々の忙しさに追われながらも、
ふとした瞬間に孤独を感じることが増えていた。
そんな彼女の前に、昔の恋人であり今は経営者として成功している涼介が突然現れる。
再会した涼介は、冷たく離れていったかつての面影とは違い、成熟しながらも情熱的な姿勢で美咲に接する。
再燃する恋心と、互いに抱える過去の傷が交錯する中で、
美咲は「じれったい」感情に翻弄される。

好きな人がいるならちゃんと言ってよ
しがと
恋愛
高校1年生から好きだった彼に毎日のようにアピールして、2年の夏にようやく交際を始めることができた。それなのに、彼は私ではない女性が好きみたいで……。 彼目線と彼女目線の両方で話が進みます。*全4話


甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。
ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。
「案外、本当に君以外いないかも」
「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」
「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」
そのドクターの甘さは手加減を知らない。
【登場人物】
末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。
恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる?
田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い?
【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる