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" 嵐は突然に1-30 " 🍌
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30.
嵐の中の静けさって言うけれど……我が家に、やっと
普通の日常を取り戻し、穏やかに暮らしていた夫の中琉に
突然暴風雨がやってきた。
退院して動けるようになった女、北原紗栄子から
夫は慰謝料を払えと1000万円を要求された。
このことで夫は右往左往し、自分の両親に助けを求めたのだった。
それで結局義両親に夫の浮気が知れてしまい、私は頭を下げられ、
ふたりから謝罪を受けた。
何で今頃? という気持ちの方が強く、居たたまれない気持ちになった。
義父は夫から話を聞いた時、夫を張り倒したらしい。
そして義母は……『中琉、萌枝さんに随分酷いことをしたもんね、
何でよりによってこんな性質の悪い粘着質な女にひっかかったの? なさけないわ。
私はこれから先、萌枝さんや孫の翔琉にどんな顔をして会えばいいの?』と
泣いて夫を責めたようだった。
我が家に来たふたりから頭を下げられる前……
「私やお父さんにこんな思いをさせて、親不孝なことを。
あなた、萌枝さんには付き合っていた人がいたのに
横から強引に割り込んで萌枝さんに振り向いてもらって
奥さんになってもらったんだったわよねぇ? もう忘れちゃった?
そんな半分略奪まがいのことをして奪った奥さんに
よくもまぁ、こんな仕打ちができたわね」
と義母は、私の居る前で息子を叱りながら泣いた。
その後、お金で済む問題ではないけれどと、義両親から
慰謝料500万円をもらった。
身勝手な言動で夫を、そして義両親までもそして私を
不愉快にした北原紗栄子。
ここで初めて私は彼女のことを憎悪した。
『むぅ~あんにゃろめ、許さん!』
思わず口について出そうになった。
大切な子がお腹にいるというのに遠出などして、おまけに無理心中を
図り赤ちゃんを亡くした……気の毒ではあるけれど、どこまでも
身勝手なヤツ。
ここまで身勝手な人間だったとは。
彼女の幸せを願った日もあったが、こういう人間に
幸せなんて訪れるはずもないだろう。
嵐の中の静けさって言うけれど……我が家に、やっと
普通の日常を取り戻し、穏やかに暮らしていた夫の中琉に
突然暴風雨がやってきた。
退院して動けるようになった女、北原紗栄子から
夫は慰謝料を払えと1000万円を要求された。
このことで夫は右往左往し、自分の両親に助けを求めたのだった。
それで結局義両親に夫の浮気が知れてしまい、私は頭を下げられ、
ふたりから謝罪を受けた。
何で今頃? という気持ちの方が強く、居たたまれない気持ちになった。
義父は夫から話を聞いた時、夫を張り倒したらしい。
そして義母は……『中琉、萌枝さんに随分酷いことをしたもんね、
何でよりによってこんな性質の悪い粘着質な女にひっかかったの? なさけないわ。
私はこれから先、萌枝さんや孫の翔琉にどんな顔をして会えばいいの?』と
泣いて夫を責めたようだった。
我が家に来たふたりから頭を下げられる前……
「私やお父さんにこんな思いをさせて、親不孝なことを。
あなた、萌枝さんには付き合っていた人がいたのに
横から強引に割り込んで萌枝さんに振り向いてもらって
奥さんになってもらったんだったわよねぇ? もう忘れちゃった?
そんな半分略奪まがいのことをして奪った奥さんに
よくもまぁ、こんな仕打ちができたわね」
と義母は、私の居る前で息子を叱りながら泣いた。
その後、お金で済む問題ではないけれどと、義両親から
慰謝料500万円をもらった。
身勝手な言動で夫を、そして義両親までもそして私を
不愉快にした北原紗栄子。
ここで初めて私は彼女のことを憎悪した。
『むぅ~あんにゃろめ、許さん!』
思わず口について出そうになった。
大切な子がお腹にいるというのに遠出などして、おまけに無理心中を
図り赤ちゃんを亡くした……気の毒ではあるけれど、どこまでも
身勝手なヤツ。
ここまで身勝手な人間だったとは。
彼女の幸せを願った日もあったが、こういう人間に
幸せなんて訪れるはずもないだろう。
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