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Interlude*三つ揃えを脱いだネコ side Akiomi
三つ揃えを脱いだネコ[1]ー①
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※お知らせ※
書籍化に伴い、2024/08/07から本作の前半部分は書籍レンタルとなっております。
これ以降はサイト連載時の続編となりますので、無料公開ではありますが、書籍版とは微妙に設定が異なる点や、話の辻褄が合わないところございます。
あらかじめご了承の上、『サイト版』としてお楽しみいただけたら幸いです。
何卒よろしくお願いいたします。
汐埼ゆたか
・*:.。 。.:*・゚✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*
右腕に何かが乗っている。
ずっしりと感じる確かな重みで目が覚めた。
「あ……」
出した声を慌てて引込める。長い睫毛が伏せられた瞳と、淡く閉じられた唇が目の前にあったからだ。
幸い、彼女は僕の声にピクリとも反応することなく、すやすやと寝息を立てている。
(そうか、結局あのまま……)
腕の中にいる人も自分も何も身に纏っていない。抱き合った後、腕枕のまま眠ってしまったのだ。
規則正しく上下する白い胸が目に入り、その柔らかさと弾力を思い出して手を伸ばしかけたが、すんでのところで思いとどまった。泥のように眠る彼女を起こすのは忍びない。
自分で思っていた以上に箍を外しすぎてしまったんだな――。
だけど、それも仕方のないことかもしれない。これまで散々“お行儀よく”我慢していたのだから。
己を律しすぎるとそれが外れた時の反動が大きいということを、つい最近思い知ったばかりなのだ。
『“ルール”を守らないお行儀の悪い子は、うちには置いてあげないからね!』
彼女のセリフを忠実に守っていた結果こうなったのだから、彼女にも責任はあるんじゃないだろうか。
もっとも、そんなことを本人に言おうものなら、ものすごく可愛い顔で怒られるだろうけど。
怒った時にこちらをじっとりと見上げてくる顔を思い出して、口の端がゆるゆると持ち上がっていく。
怒ったり笑ったり困ったり泣いたり。
年上とは思えないほど、くるくると表情を変える彼女。その飾らない表情から目を離せず、気付いた時には好きになっていた。
「可愛い――」
彼女を起こさぬよう、音にはせずにそっと囁いてから、ふっくらとした唇に自分のものを重ねる。少し乾いてはいるがそれでも甘い。
もっと濃く甘い場所へ舌を差し込みたくなるのをぐっと堪えて、ゆっくりと離した。
窓の外はまだ暗い。疲れ切った彼女をもう少しこのまま寝かせておいてやりたい。
(最初に出会った時には、まさかこんなことになるなんて思わなかったのにな……)
その寝顔を眺めながら、僕は“あの日”のことに思いを馳せた。
***
「大将、とりあえず生ね!」
背中の引き戸が勢いよく音を立てたあとすぐ、僕の隣に腰を下ろした女性がよく通る声がそう言った。
こじんまりした居酒屋は串カツが売りで、どうやら常連たちの穴場的店のよう。隣に腰かけた女性も例に漏れず常連の一人なのだろう。大将とのやりとりからそれが分かる。
そんな常連の隠れ家的店に、どうして初めて関西観光に来た僕が辿り着けたのか。
答えは簡単。詳しい人に聞いたからだ。
関西に向かう新幹線の中で、高柳さんにメールを送ったことが発端だった。
[お疲れ様です。今日から休暇を兼ねて三日ほど早く関西に前乗りすることにしました。急で申し訳ありませんが、しばらくの間留守をお願いします。]
[承知いたしました。何か必要がありましたらいつでもご連絡ください。よいご休暇を。]
相変わらずの完璧な鉄壁モード。
こちらも彼の“上司”として連絡を入れたのだ。それもそうかとスマホを見ながら「ふっ」と笑いを漏らした時、画面に新たなメッセージが表示された。
[もし食事をとる場所に悩んだら【串富】という店に行くといい。味は俺が保証する。]
今度は先輩モード。
見事なくらいに百八十度切り替わった文章に、今度は堪え切れず「ぷっ」と吹き出した。
メッセージの相手は【Tohmaグループホールディングス】の社員、高柳滉太(たかやなぎこうた)。
CMOの自分にとって直属の部下にあたる彼は、現在【トーマビール】本社マーケティング本部に五輪企画の統括として出向中。
そんな高柳統括、実は大学の時にお世話になった先輩でもあるのだ。
彼は大学院を卒業したあと別の企業に勤めていたが、縁あってTohmaに転職。何の因果か先輩は僕の部下になる。
公私の線引きをきっちり引くことをモットーとしている高柳統括は、仕事中は一ミリもブレることのない完璧な部下。
けれど、業務が終了した途端、頼りがいのある先輩に早変わりする。
そんな不思議な関係になってから早三か月。彼のONとOFFの態度の違いにも大分慣れてきたところだ。
ナギさんは子どもの時に家庭の事情から大阪に住んでいたことがあるそうで、関西のことには詳しい。
当初はプライベートで観光するつもりもなく、どうせすぐに彼も視察出張に来るのだからと、仕事のこと以外の話はしていなかった。
初めてプライベートで訪れる関西は、希望も予定もノープラン。勢いだけで出てきたから仕方ない。
とはいえ、帰国してから初めての休暇になる。明日から三日間何をして過ごそうかと、久しぶりの自由な一人旅に心が躍らないわけはない。
日頃の重圧から解き放たれたことと、急な休暇の原因とが合わさって、いつもよりもずいぶんと開放的な気持ちになっていた。
(思い切って休暇も取れたわけだし、結果的には良かったのかもな)
突発的に休暇を申し出たせいで、担当秘書にはずいぶんと無理をさせてしまった。そのことだけは反省中。
もともと今回の関西出張では前乗りの予定だったから、前日の午後はスケジュールを空けてくれいていた。
けれど、それにしてもあと二日半の予定はあるわけで。
『明日から三日間、すべてのスケジュールをリスケ(リスケジュール)して欲しい』
そう言った時の、秘書課長と専属秘書の顔が頭に浮かんだ。
この三か月間というもの、事あるごとに『CMOもたまにはお休みになってください』と口にしていたベテラン秘書課長(三十五歳既婚女性)は、さすが感情を表に出さなかった。
けれど、入社七年目の担当秘書(二十九歳独身男性)が一瞬目を見張ったのは見逃さなかった。
もちろんリスケ不可能な予定が入っていないことは確認済みの申し出だ。
だけど、次に僕が言ったことに対する二人の反応を思い出して、「くくっ」と忍び笑いが漏れる。
『どうしても動かせそうにない仕事は、CEOに振って頂いても構いません』
担当秘書はポカンと口を開け、さすがの秘書課長も一瞬頬がピクリと引き攣っていた。
どこの世界に、CEOに空いた穴を埋めさせるヤツがいるんだ! とでも思っていたんだろうな。
だけどそんなことは僕も重々承知。
そもそも、急遽発生した“休暇”は、元を正せばあのくそ親父のせいなのだ。
昨夜、自宅でのひと幕を思い出すだけで、また腹の虫が騒ぎ始めようとするのを、僕は目の前の串カツを口に入れることでなんとか飲みくだした。
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自分で思っていた以上に箍を外しすぎてしまったんだな――。
だけど、それも仕方のないことかもしれない。これまで散々“お行儀よく”我慢していたのだから。
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彼女のセリフを忠実に守っていた結果こうなったのだから、彼女にも責任はあるんじゃないだろうか。
もっとも、そんなことを本人に言おうものなら、ものすごく可愛い顔で怒られるだろうけど。
怒った時にこちらをじっとりと見上げてくる顔を思い出して、口の端がゆるゆると持ち上がっていく。
怒ったり笑ったり困ったり泣いたり。
年上とは思えないほど、くるくると表情を変える彼女。その飾らない表情から目を離せず、気付いた時には好きになっていた。
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彼女を起こさぬよう、音にはせずにそっと囁いてから、ふっくらとした唇に自分のものを重ねる。少し乾いてはいるがそれでも甘い。
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その寝顔を眺めながら、僕は“あの日”のことに思いを馳せた。
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「大将、とりあえず生ね!」
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こじんまりした居酒屋は串カツが売りで、どうやら常連たちの穴場的店のよう。隣に腰かけた女性も例に漏れず常連の一人なのだろう。大将とのやりとりからそれが分かる。
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CMOの自分にとって直属の部下にあたる彼は、現在【トーマビール】本社マーケティング本部に五輪企画の統括として出向中。
そんな高柳統括、実は大学の時にお世話になった先輩でもあるのだ。
彼は大学院を卒業したあと別の企業に勤めていたが、縁あってTohmaに転職。何の因果か先輩は僕の部下になる。
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けれど、入社七年目の担当秘書(二十九歳独身男性)が一瞬目を見張ったのは見逃さなかった。
もちろんリスケ不可能な予定が入っていないことは確認済みの申し出だ。
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担当秘書はポカンと口を開け、さすがの秘書課長も一瞬頬がピクリと引き攣っていた。
どこの世界に、CEOに空いた穴を埋めさせるヤツがいるんだ! とでも思っていたんだろうな。
だけどそんなことは僕も重々承知。
そもそも、急遽発生した“休暇”は、元を正せばあのくそ親父のせいなのだ。
昨夜、自宅でのひと幕を思い出すだけで、また腹の虫が騒ぎ始めようとするのを、僕は目の前の串カツを口に入れることでなんとか飲みくだした。
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