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8.告白の行方***

[3]ー4

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「ゆっ……びで……て」
「ん? なに? 聞こえない」
「ゆ、指で、して……ほしいの」
「どこを?」

 にこにこと微笑みながら尋ねられ、泣きそうになった。

「もうっ! 圭吾のいじわる!」

 思わず怒りだした私に、彼がプッと吹き出した。

「かわいすぎる。こんなにかわいい妻に、ひどいことなんてできるはずがないだろう?」
「だ、騙したの⁉」
「そうじゃないさ。爆発しそうなほどの欲情を本能のままおまえにぶつけたいという獣のような自分もいる。だけど、おまえを前にしたらそれがどこかに行ってしまうんだ。大切にしたいという感情が欲情をはるかに上回るんだよ」
「圭吾……」

「でもさすがに今回は、ちょっとやそっとでは収まりそうにないな」
「ううっ……」
「だから俺の愛がどれだけ重いかをわからせるから。今夜ひと晩かかっても足りないくらいだぞ? 覚悟はいいか」

 真っすぐに射すくめられ、背中がゾクッとする。だけどここで私が「やっぱり嫌だ」と言えばきっと彼は引くだろう。そういう人なのだ、朝比奈圭吾という男性は。
 だからこそ私も嘘偽りのない気持ちを彼に伝えなければならないのだ。

「私だって……ひと晩くらいじゃ伝えきれないくらい圭吾のことがすき。どんなあなただって絶対に嫌になったりしない。だって愛しているもの」

 彼の瞳を真っすぐに見つめ、一ミリも視線を逸らさず言い切った。
 彼は大きく見開いていた目をふわりと緩めると、花がほころぶように破顔した。

「強くてきれいでかわいくて、そのうえエロい。最強の奥さんだな」

 私の唇に軽やかな口づけを落とすと、耳元に唇を寄せる。

「かわいい妻のお願いはきちんと聞かないとな」
「あぅ……っ」

 ツプリと沈み込んできた指先に、背中が大きく跳ねた。

「とろとろだ。うねって絡みついてたまらない」

 お腹側の内壁をグイっと押され甲高い声を上げながら体をのけ反らせる。彼の手にかかれば私なんてひとたまりもない。狙ったように弱い場所をばかりを執拗に責め立てられる。

「やっ……そこ、だめっ……イっちゃ……ぅっ」
けよ」

 いっそう速く強く内壁をこすられ、隘路がキュウッときつく締まる。目の裏に閃光が走り、頭が真っ白になった。

 ぐったりと弛緩した体をベッドに沈めていると、ピリリと小さな袋を切る音が聞こえた。それからすぐにひざを割られ、硬く張り詰めた剛直を蜜口にあてがわれる。

「あっ、待って、まだ――」
「待てない」
「あぁ……っ」

 一気に奥まで埋め込まれて、目の前がチカチカとした。内襞が蠕動する感覚に大きく喘ぐ。

「またった?」

 彼はすこしの間じっと動かずにいたが、私の呼吸が整うのを待って、ゆっくりと腰を引く。

「ひぅっ」

 隘路をズルリと滑る感覚に喘いだ。彼はギリギリまで引き抜いた屹立を、ねじ込むように埋め戻す。直前の絶頂できつくうねる内壁を、圧倒的質量を持った剛直に押し広げられ、息が止まりそうになった。

 何度か抜き差しを繰り返し、どんどん抽挿を速めていく。昇り詰めたばかりで敏感になっている内襞が焼けるように熱い。

「あぁっ……も、だめっ……」
「まだだ。ぐずぐずに溶けて、俺しか見えなくなればいい」
「さいしょっから、ふぁっ……圭吾しか……んっ」
「俺以外の男にあんな笑顔を向けるな」
「なに……あっ、んん……っ」

 どういうこと? と問おうとしたらいっそう激しく揺さぶられた。あまりの愉悦になにも考えられなくなっていく。

「圭っ……や、またっ……おかしくなっちゃうっ」
「おかしくなれよ。おまえをこんなエロい体にしたのは俺だってこと、しっかりわからせてやる」

 膝裏に手を回しグッと持ち上げられる。

「やっ、深っ……あぁんっ」

 角度が変わったせいで新たに生まれた愉悦に悶える。

 肌と肌がぶつかる音と粘液が泡立つ音、喘ぎ声と激しい息づかいがベッドの上で混ざり合う。潤んだ視界の中で彼が苦しげに眉を寄せている。

「香子っ……いいか?」

 うなずくと抽挿が速まった。わけがわからなくなるほどの愉悦に、彼の背中にしがみついて喘ぐことしかできない。

「愛している、香子」
「私もっ……愛してるっ」

 ズンっと最奥を抉るように強く突かれた瞬間、痛烈な快感が押し寄せてきた。

「あっ、ああぁ……っ」

 絶頂感にのみ込まれるように高みに昇り詰め、きつく締まる内壁に押し込むようにして彼が薄膜越しに熱い精を吐き出すのを感じた。


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