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6.大人の華金デート***
[2]ー6
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お腹につきそうなくらいそそり立った剛直が、目に焼き付いて離れない。
あれを洗うの? 私が? どうやって……。
さっきみたいに手で包んで?
意味不明な絶叫が口から飛び出そうになった。
両手で顔を覆ったまま悶絶した瞬間、両側から伸びてきた腕が腰に巻きついた。
「うきゃっ」
「洗ってくれるんじゃなかったのか?」
耳のすぐそばで低くささやかれ、首をすくめる。心なしか声がいじわるな気がするが、今はそれどころじゃない。後ろから抱き締められたせいで、濡れたバスタオル越しに固く大きなものの存在を感じるのだ。
「あ、洗う……わよ」
あぁあ……! 言っちゃったわよ、私のバカ! 意地っ張り! 負けず嫌い! 大バカ者!
涙目になりながら自分を罵倒していると、後ろから「くくくっ」と笑う声がした。
「大体なにを考えいるのかわかるよ。無理なら前言撤回してもいいんだぞ?」
楽しそうな声から半分面白がっていることがわかるが、残り半分は彼の本心からくる優しさだ。私が嫌がることを本気でさせようとは思っていない。そこは私だってわかっている。だけど――。
「い、嫌よ……してもらってばかりじゃ対等じゃないもの。夫婦は対等じゃなきゃ」
経験値が雲泥の差なのは覆せない。だけどこれからふたりでずっと一緒にいるのだから、できる努力はするべきなのだ。
「『パートナー以外と関係を持つ気はない』」
「え?」
「だったわよね? シンガポールで私が結婚を迫ったとき、圭君が言ったこと」
「だな。その考えは一ミリも変わっていないよ」
「だったら、ちゃんと私も圭君に満足してもらえるように努力しないと、って」
シン、とバスルームが静かになった。なんの反応もない彼に、もしかして見当違いなことを言ってしまったのではないかと焦りを覚え始めたとき、後ろからくつくつと笑う声が聞こえてきた。
「もうっ、こっちは真面目に言ってるのに!」
「ごめんごめん」
体を小刻みに揺らしながら声に出さずに笑っているのが、密着した体から伝わってくる。
ついさっきと同じやり取りに、今度は本気でむくれそうになる。
「笑ってごめんな? 真面目と負けず嫌いは昔と変わってないな、と思って」
「子どもだって言いたいんでしょ」
いつもより一段低い声で返すと、彼がまた体を震わせた。
もういいわ、そこまで笑われるのなら、いっそ言われた通りおとなしく前言撤回しようかしら。
「子どもだって思っていたら、こんなふうになってないさ」
密着した背中に腰をグリッと押しつけられた。固く張り詰めたものの感触に全身が発火したように熱くなる。
「一生懸命なところがかわいいと、昔からずっと思っているよ」
低く湿った声を耳に直接吹き込まれ、背中に痺れが走る。お腹の下あたりがキュッと甘く締まった。
「いきなりがんばりすぎはよくないと思ったが、そうだな。香ちゃんがそこまで言うんだ、ありがたく享受することにしようか」
口の中が渇いているのにゴクンと喉が鳴る。いよいよ後戻りできなくなったようだ。意を決してうなずいたら、一瞬彼の体が小さく揺れた。
「ただ、やり方はすこし変えてみようか」
言ったそばから彼が腕をほどき、背中がすうっとした。
どういうこと? 彼はいったいなにをしようとしているの?
振り向きたいのに振り向けないジレンマに襲われていると、突然バスタオルを引っ張られた。
「きゃあっ」
慌てて抑えようとしたが遅かった。足もとにバスタオルが落ちると同時に、彼に後ろからギュッと抱き締められた。肌と肌がぴたりと隙間なく触れ合う。ウエスト部分にダイレクトに当たる硬いものが圧倒的存在感を放ち、思考も体もすべての動作が停止した。
「動くぞ」
「あっ」
彼が全身を上下させ始めた。彼が動くたびぬるぬるした触感が背中に広がっていく。嗅ぎ覚えのあるシトラスハーブの香りに、彼がボディソープを塗ったのだと気づく。
「これならふたり同時にきれいになるだろ?」
「なっ! ……んあっ」
硬く張り詰めたものがお尻のくぼみをこすり、ビクリと背中が跳ねた。硬い胸板が背中を往復するたびに、ぬるぬると淫靡な感触がする。手で洗われるよりよっぽど淫らだ。
羞恥に耐え切れなくなり、彼を止めようと口を開きかける――が、突然内ももをするりと撫でられた。
「ひゃっ」
「そう言えば洗い残しがあったな」
淡い茂みをかき混ぜるように撫でられる。
「そこは! あっ」
指先で花弁をなぞられ、腰がビクンと腰が跳ねる。
あれを洗うの? 私が? どうやって……。
さっきみたいに手で包んで?
意味不明な絶叫が口から飛び出そうになった。
両手で顔を覆ったまま悶絶した瞬間、両側から伸びてきた腕が腰に巻きついた。
「うきゃっ」
「洗ってくれるんじゃなかったのか?」
耳のすぐそばで低くささやかれ、首をすくめる。心なしか声がいじわるな気がするが、今はそれどころじゃない。後ろから抱き締められたせいで、濡れたバスタオル越しに固く大きなものの存在を感じるのだ。
「あ、洗う……わよ」
あぁあ……! 言っちゃったわよ、私のバカ! 意地っ張り! 負けず嫌い! 大バカ者!
涙目になりながら自分を罵倒していると、後ろから「くくくっ」と笑う声がした。
「大体なにを考えいるのかわかるよ。無理なら前言撤回してもいいんだぞ?」
楽しそうな声から半分面白がっていることがわかるが、残り半分は彼の本心からくる優しさだ。私が嫌がることを本気でさせようとは思っていない。そこは私だってわかっている。だけど――。
「い、嫌よ……してもらってばかりじゃ対等じゃないもの。夫婦は対等じゃなきゃ」
経験値が雲泥の差なのは覆せない。だけどこれからふたりでずっと一緒にいるのだから、できる努力はするべきなのだ。
「『パートナー以外と関係を持つ気はない』」
「え?」
「だったわよね? シンガポールで私が結婚を迫ったとき、圭君が言ったこと」
「だな。その考えは一ミリも変わっていないよ」
「だったら、ちゃんと私も圭君に満足してもらえるように努力しないと、って」
シン、とバスルームが静かになった。なんの反応もない彼に、もしかして見当違いなことを言ってしまったのではないかと焦りを覚え始めたとき、後ろからくつくつと笑う声が聞こえてきた。
「もうっ、こっちは真面目に言ってるのに!」
「ごめんごめん」
体を小刻みに揺らしながら声に出さずに笑っているのが、密着した体から伝わってくる。
ついさっきと同じやり取りに、今度は本気でむくれそうになる。
「笑ってごめんな? 真面目と負けず嫌いは昔と変わってないな、と思って」
「子どもだって言いたいんでしょ」
いつもより一段低い声で返すと、彼がまた体を震わせた。
もういいわ、そこまで笑われるのなら、いっそ言われた通りおとなしく前言撤回しようかしら。
「子どもだって思っていたら、こんなふうになってないさ」
密着した背中に腰をグリッと押しつけられた。固く張り詰めたものの感触に全身が発火したように熱くなる。
「一生懸命なところがかわいいと、昔からずっと思っているよ」
低く湿った声を耳に直接吹き込まれ、背中に痺れが走る。お腹の下あたりがキュッと甘く締まった。
「いきなりがんばりすぎはよくないと思ったが、そうだな。香ちゃんがそこまで言うんだ、ありがたく享受することにしようか」
口の中が渇いているのにゴクンと喉が鳴る。いよいよ後戻りできなくなったようだ。意を決してうなずいたら、一瞬彼の体が小さく揺れた。
「ただ、やり方はすこし変えてみようか」
言ったそばから彼が腕をほどき、背中がすうっとした。
どういうこと? 彼はいったいなにをしようとしているの?
振り向きたいのに振り向けないジレンマに襲われていると、突然バスタオルを引っ張られた。
「きゃあっ」
慌てて抑えようとしたが遅かった。足もとにバスタオルが落ちると同時に、彼に後ろからギュッと抱き締められた。肌と肌がぴたりと隙間なく触れ合う。ウエスト部分にダイレクトに当たる硬いものが圧倒的存在感を放ち、思考も体もすべての動作が停止した。
「動くぞ」
「あっ」
彼が全身を上下させ始めた。彼が動くたびぬるぬるした触感が背中に広がっていく。嗅ぎ覚えのあるシトラスハーブの香りに、彼がボディソープを塗ったのだと気づく。
「これならふたり同時にきれいになるだろ?」
「なっ! ……んあっ」
硬く張り詰めたものがお尻のくぼみをこすり、ビクリと背中が跳ねた。硬い胸板が背中を往復するたびに、ぬるぬると淫靡な感触がする。手で洗われるよりよっぽど淫らだ。
羞恥に耐え切れなくなり、彼を止めようと口を開きかける――が、突然内ももをするりと撫でられた。
「ひゃっ」
「そう言えば洗い残しがあったな」
淡い茂みをかき混ぜるように撫でられる。
「そこは! あっ」
指先で花弁をなぞられ、腰がビクンと腰が跳ねる。
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