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5.お弁当とイレギュラー***
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彼はなにも言わずスタスタと歩いていき、ダイニングテーブルの上に私を下ろすと両腕をテーブルついて自分の上半身で私を閉じ込めた。幸か不幸かテーブルの上にはなにも乗っていない。これから朝食を並べるところだったので当然といえば当然だ。
「あ、あの……」
顔を上げたら熱を帯びた瞳とぶつかった。至近距離から真っすぐに見つめられ、ドキンと胸が跳ね上がる。
なんでスイッチが入ってるの⁉
「えぇっと……圭君?」
普段の彼は穏やかだ。けれどひとたびスイッチが入ると別人のように濃厚な色香を放つ。獲物を狙う猛獣のような気配すら漂わせるほどだ。
そうなったときの彼から逃れられたことは一度もなく、私はただ激しい熱情に浮かされ、翻弄され続けることになる。
「おっ、お腹減ってるんだよね? 今すぐ朝食にするからそこをのいて……」
私を乗せてもお腹は膨れないからね! そう心の中で叫びながら彼の胸を両手押し返そうとしたら、両手首を握られグッと荷重をかけられた。「あっ」と口にした直後、背中からダイニングテーブルに倒れ込む。
後頭部にさっと彼の手が差し込まれたため、痛い思いはしなかったものの、反転した視界に思考が停止する。自分がダイニングテーブルにあおむけになっていることを理解すると同時に、スカートのすそをたくし上げられた。
「きゃっ」
「やっぱり生足か」
ストッキングは出かけに履こうと思っていたのがあだとなった。肌触りを堪能するようにゆっくりと素足を上って来た手が、付け根にたどり着く。内ももにきゅっと力を入れて侵入を防ごうとしたが、彼の手は予想を裏切りショーツの脇から滑り込んできた。
「やっ」
「もう濡れてる。期待してたのか?」
「ちがっ」
「昨夜は疲れているだろうと遠慮しておいたけど、余計なお世話だったかな」
かぁっと顔に熱が集まる。たったひと晩空いただけで、私が欲求不満みたいに言うのはやめてほしい。その前夜、私が意識を飛ばすまで容赦なく責め立てたのは誰だと思っているのだろう。
なにくわぬ顔の彼にひと言もの申そうと口を開きかけたとき、太ももを両側に割り開かれた。
ショーツのクロッチを横からグイっと開かれ、生温かくぬめるものが淡い茂みを分け入ってきた。甲高い嬌声が飛び出しそうになるのを、手で口を覆ってどうにかこらえる。そうしている間に彼の舌は花弁に隠された芽を見つけ出し、そっと羽根でくすぐるように撫でる。
「んあぁっ……」
「真っ赤に熟れて固くなってる。体は正直だな。こうされるのを待ってたんだろう?」
燃えるように熱くなった顔を、必死に左右に振る。
なんでこんなことに……。
私が家を出る時間はほとんど毎日同じなので、こんなことをしている時間はないと彼も知っているはずだ。今日はただでさえ朝ご飯とお弁当もあるのだ。
なんとか彼を止めようと彼の頭を両手で押したがびくともしない。
「あっ、あぁ……っ」
ジュウっと音を立てて秘芽を吸われ、腰をビクビクと跳ねさせながらあっけなく達した。
ハアハアと荒い息をつきながらぐったりする。背中に当たるテーブルの感触がひやりと心地よい。
うっかり目を閉じかけたところにひざをつかまれハッとした。彼が固く兆したものを取り出そうとしている。
「ちょっと待って!」
切羽詰まった私の声に彼がぴたりと動きを止める。ここぞとばかり自分の腕を突っ張り棒のようにして彼の体に突き立てた。
「さすがにそれは無理よ」
「どうして」
どうしてって……!
「し、仕事に行かなきゃだもの」
今からそんなことをされたら、さすがに仕事に遅れてしまう。
「無理のないよう、早めに終われるよう調整するから」
調整って……! そんな残業のお願いじゃあるまいし!
いつもの情事を振り返ってみても、今からなんて絶対に無理だ。体力のある彼は大丈夫かもしれないけれど、間違いなく私はヘロヘロになってまともに動けるまで時間を要してしまう。そんな余裕が今この場にあるはずがない。
私の制止を押し流すように、彼は屹立した自身を蜜口にあてがう。
このままじゃ流されちゃう……!
「同意のない性行為は法律違反なんでしょ!」
予測される感覚に備えて目を固く閉じたが、いつまでたってもそれが来ない。恐る恐るまぶたを開くと目の前に顔色を変えた彼がいた。
「け、圭君」
「ごめん」
彼は口もとを手で覆い、顔を背けてうつむいた。
思っていたより何倍もショックを受けている様子の彼に、私も動揺する。そこまでショックを与えるつもりなんてなかった。
「あ、あの、圭君、今のは別に――」
「本当に悪かった。もう二度としない」
「え?」
ポカンとしているうちに彼は「髪乾かしてくるよ」とバスルームの方へ行ってしまった。
「あ、あの……」
顔を上げたら熱を帯びた瞳とぶつかった。至近距離から真っすぐに見つめられ、ドキンと胸が跳ね上がる。
なんでスイッチが入ってるの⁉
「えぇっと……圭君?」
普段の彼は穏やかだ。けれどひとたびスイッチが入ると別人のように濃厚な色香を放つ。獲物を狙う猛獣のような気配すら漂わせるほどだ。
そうなったときの彼から逃れられたことは一度もなく、私はただ激しい熱情に浮かされ、翻弄され続けることになる。
「おっ、お腹減ってるんだよね? 今すぐ朝食にするからそこをのいて……」
私を乗せてもお腹は膨れないからね! そう心の中で叫びながら彼の胸を両手押し返そうとしたら、両手首を握られグッと荷重をかけられた。「あっ」と口にした直後、背中からダイニングテーブルに倒れ込む。
後頭部にさっと彼の手が差し込まれたため、痛い思いはしなかったものの、反転した視界に思考が停止する。自分がダイニングテーブルにあおむけになっていることを理解すると同時に、スカートのすそをたくし上げられた。
「きゃっ」
「やっぱり生足か」
ストッキングは出かけに履こうと思っていたのがあだとなった。肌触りを堪能するようにゆっくりと素足を上って来た手が、付け根にたどり着く。内ももにきゅっと力を入れて侵入を防ごうとしたが、彼の手は予想を裏切りショーツの脇から滑り込んできた。
「やっ」
「もう濡れてる。期待してたのか?」
「ちがっ」
「昨夜は疲れているだろうと遠慮しておいたけど、余計なお世話だったかな」
かぁっと顔に熱が集まる。たったひと晩空いただけで、私が欲求不満みたいに言うのはやめてほしい。その前夜、私が意識を飛ばすまで容赦なく責め立てたのは誰だと思っているのだろう。
なにくわぬ顔の彼にひと言もの申そうと口を開きかけたとき、太ももを両側に割り開かれた。
ショーツのクロッチを横からグイっと開かれ、生温かくぬめるものが淡い茂みを分け入ってきた。甲高い嬌声が飛び出しそうになるのを、手で口を覆ってどうにかこらえる。そうしている間に彼の舌は花弁に隠された芽を見つけ出し、そっと羽根でくすぐるように撫でる。
「んあぁっ……」
「真っ赤に熟れて固くなってる。体は正直だな。こうされるのを待ってたんだろう?」
燃えるように熱くなった顔を、必死に左右に振る。
なんでこんなことに……。
私が家を出る時間はほとんど毎日同じなので、こんなことをしている時間はないと彼も知っているはずだ。今日はただでさえ朝ご飯とお弁当もあるのだ。
なんとか彼を止めようと彼の頭を両手で押したがびくともしない。
「あっ、あぁ……っ」
ジュウっと音を立てて秘芽を吸われ、腰をビクビクと跳ねさせながらあっけなく達した。
ハアハアと荒い息をつきながらぐったりする。背中に当たるテーブルの感触がひやりと心地よい。
うっかり目を閉じかけたところにひざをつかまれハッとした。彼が固く兆したものを取り出そうとしている。
「ちょっと待って!」
切羽詰まった私の声に彼がぴたりと動きを止める。ここぞとばかり自分の腕を突っ張り棒のようにして彼の体に突き立てた。
「さすがにそれは無理よ」
「どうして」
どうしてって……!
「し、仕事に行かなきゃだもの」
今からそんなことをされたら、さすがに仕事に遅れてしまう。
「無理のないよう、早めに終われるよう調整するから」
調整って……! そんな残業のお願いじゃあるまいし!
いつもの情事を振り返ってみても、今からなんて絶対に無理だ。体力のある彼は大丈夫かもしれないけれど、間違いなく私はヘロヘロになってまともに動けるまで時間を要してしまう。そんな余裕が今この場にあるはずがない。
私の制止を押し流すように、彼は屹立した自身を蜜口にあてがう。
このままじゃ流されちゃう……!
「同意のない性行為は法律違反なんでしょ!」
予測される感覚に備えて目を固く閉じたが、いつまでたってもそれが来ない。恐る恐るまぶたを開くと目の前に顔色を変えた彼がいた。
「け、圭君」
「ごめん」
彼は口もとを手で覆い、顔を背けてうつむいた。
思っていたより何倍もショックを受けている様子の彼に、私も動揺する。そこまでショックを与えるつもりなんてなかった。
「あ、あの、圭君、今のは別に――」
「本当に悪かった。もう二度としない」
「え?」
ポカンとしているうちに彼は「髪乾かしてくるよ」とバスルームの方へ行ってしまった。
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