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4.あの夜の続き***

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 絶頂の波にひとしきり悶えた後、ぐったりと弛緩していると、浴衣の袖を腕から引き抜かれた。あっという間にベビードールも手早く脱がされ、全身を隠すものが一切なくなる。そのことを恥ずかしく思う前に、大きな腕に包み込まれた。いつの間に脱いだのか彼の浴衣もない。

 ぴたりと合わさった素肌から彼の鼓動が伝わってくる。思っていたよりずっと速い。
 たくましい胸と腕の中で彼の体温と鼓動に包まれてぼうっとしていると、張りついた前髪を手でよけられ、額に口づけを落とされた。

「痛かったら教えて」

 その言葉の意味を理解するより早く、彼の指が花弁を割って蜜をたたえた入り口に触れた。

「……っ」

 一瞬体に力が入ったが、彼の指はそのまま入ってくることはなく、様子をうかがうように蜜口の周りをクルクルとたどるに留まっている。
 さっきまでの愛撫でしとどに濡れているせいで、ときどきピチャリと淫猥な音を立てる。むずむずとした感覚が湧き起こり、恥ずかしさを忘れて腰をくねらせた。

「ひくついてる。さっき いったばかりなのに、もう欲しいのか?」
「ちがっ、ぁんっ」

 ツプリと指が差し込まれた。

「狭いな。でもちゃんと濡れてる。いきなり乱暴にしたりしないから、心配しないで力を抜いて」

 そんなこと言ってもどうしていいかわからない。痛くはないが、異物が入ってくる感触に体が勝手に警戒してしまうのだ。

「そうだな。ひとまずこうしてしがみついておいて」

 彼は空いた方の手で、私の腕を自分の首の後ろに回させた。横になったまま彼の首からぶら下がる形になる。それからすぐに唇を重ねてきた。

「んんっ」

 舌で口蓋を舐めながら、蜜口から第二関節までれた指をクイッと曲げて、浅い場所をこすり始める。

「あっ……んんっ」

 彼は私が反応した箇所を逃さず捉え、そこばかりを突いてくる。同時に親指の腹で花蕾をそっとこすりながら、空いた方の手では胸の先端もきゅっと摘む。

 弱いところばかりを執拗に責め立てられ、収まったはずの愉悦が再び込み上げてくる。高みに昇って行く体をどうすることもできずギュッと目をつぶったとき、指がグッと奥まで差し込まれた。

「んああっ」
「痛くない?」

 とっくの昔に口は自由になっていたのに、首を振ることしかできない。意図はすぐに伝わったようで、彼は指を抜き差しし始めた。

「んっ、ふっあ……っ」

 ごつごつした太くて長い指に内襞をこすられて、痺れるような愉悦が込み上げる。

「なじんできたみたいだな。指、増やすよ」
「ん……っ」

 彼は宣言通り指を増やしナカに埋めていく。さっきよりも断然圧迫感があり、苦しさに彼の首の後ろに回した手をぎゅっと握り締める。

「そんなに絡みついて締めたら、我慢できなくなりそうだな」

 慌てて腕をほどいた。しがみつきすぎて彼が息苦しかったのだ。謝ろうとしたら、ククッと笑われる。

「締めて絡みつくのはこっちのこと」
「ひあぁんっ」

 埋めた指で奥をグリッと突かれ、甲高い声が飛び出した。

 節くれだった二本の指が内襞のあちこちを探るように動きまわる。粘り気のある水音が響き、こみ上げる愉悦に思考を奪われる。彼はさらに指を増やし、隘路の奥を執拗に責め立てた。

「ああぁぁっ……!」

 強烈な快感が駆け巡った。内襞がきつく絞られる感覚に、全身が弓なりに反り返える。

「あ、あ……」

 肩で息をつきながらぐったりとベッドに身を沈めた。絶頂の波がいつまでも引かず、ときどきビクビクと勝手に体がいてまぶたに溜まっていた生理的な涙がぽろぽろとこぼれた。全身を甘い痺れに覆われて、もう指一本も動かせそうにない。そんな私を彼はぎゅっと抱きしめると目尻に口づけを落とし唇で涙を拭う。

「相変わらず教え甲斐がある。初めてなのに二度もけるなんて優秀だ」

 私が優秀なわけじゃない。彼がうまいのだ。私はもうすでに音を上げそうになっていて、余裕なんて皆無。それに比べて彼はまだ余裕そうだ。
 わかっていたことだけど、歴然とした経験値の差を思い知らされ、なんだかもやもやとした。そのもやもやの正体がなんなのかを探る余裕すらない。

 大きな手が両膝をつかんだ。大きく左右に割り開かれ、両目をぎゅっとつぶる。
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