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第四章 異世界に来たけど、自分は反逆します
第九十六話 ※※
しおりを挟む「待っ……ひぅ!?」
パクッと海のものがアレクサンダーに食われた。
アレクサンダーを引き剥がそうと手を伸ばしたが、ぬるっと裏筋を舐められたせいで手が止まった。
口を窄め、唇で扱かれる。下から上へ移動している間、アレクサンダーは海をじっと見ていた。ちょっとした動きでも腰をビクビクと震わせてしまう海を楽しんでいるような目で。
「あっ……ああ……やっ」
唇が先端へと近づき先端を舌で嬲られる。鈴口を舌先で擽られてしまえば、絶頂はもうすぐそこだった。
「アレク! 口、離しっ……んっあぁ!」
このままではアレクサンダーの口の中に出してしまう。離して欲しいと言ってもアレクサンダーは頭を上げず、愛撫を続けている。髪を掴んで引っ張ったが効果はないらしく、逆に喉奥まで咥え込まれてしまった。喉の絶妙な締まりを受けて、海は我慢出来ずに射精してしまった。
「んっ……は、」
「濃いな。自分でしてないのか」
「うっ、さい!」
目の前でアレクサンダーの喉が動き、海が出したのを飲まれたことを知る。あれがどんな味なのかは覚えていた。出来ればもう飲みたくない……と思ってしまう味だ。今思えば、初めてだったのによく躊躇なく咥えたな。
「うわ……飲んだ……」
「吐き出して欲しかったのか?」
「美味しくはないでしょ。出した方がいいんじゃ……」
「別にそんな悪いものでもない。お前のだから飲んだだけだ」
言いたいことは分かるけど、そうじゃないと言いたい。
「続きするぞ」
顔を上げたアレクサンダーは着ていたシャツを脱ぎ捨てズボンの前を寛げる。相変わらずご立派なサイズのモノが表へと出てきて、海は生唾を飲み込んだ。
予め用意されていた潤滑剤で後ろを解されていく。海の弱い所をいじめ抜かれ、解されている間にもイッてしまった。
「あ、れく……もう……欲しい」
後孔にはもう指が三本入り込んでいる。バラバラに動かされていたおかげで、アレクサンダーを受け入れる準備は出来ているはずだ。指なんかでは満足出来ない。早くアレクサンダーのを入れて欲しい。
誘うように腰を揺らすと、アレクサンダーは一瞬驚いた顔をして鼻で笑った。
「どこでそんなやり方を覚えたんだ」
「知らなっ……んああっ!?」
「まったく。お前は悪いことばかり覚えてくるな」
ズプッ!といきなり挿入されて勢いが脳天まで届いた。入れられた衝撃で海は軽くイッてしまう。
「入れただけでイッたのか。だいぶ我慢させていたみたいだな。これから好きなだけイかせてやるから安心しろ」
「ちょっと待って! 今イッ……!」
海の言葉は無視し、アレクサンダーは腰をゆるゆると動かす。イッた直後の敏感な状態で与えられる快楽は、海の思考を溶かした。
「まっ、て、あっ……んんっ、ああぁ、ん」
「カイ、カイッ!」
「やぁ……ぁああっ、ん、ん、はっ……」
弱い所を擦りながら一番奥を突かれる。ズンッズンッと最奥を攻められて、海の口からはあられもない声が漏れ続けた。
ここが騎士団本部ということも忘れて喘ぎ続ける。たまにアレクサンダーにキスで塞がれたが、喉奥で唸るような声を出していた。
「アレクッ! ま、た……またイッちゃ……!」
「イッてしまえ。我慢するな」
「ダメ……も、イッ……あっあっ、んやあぁぁぁ!」
出てきたものは最初の一回目よりだいぶ少なくなっていた。何度もイッたせいで体力も失われ、ぐったりとベッドに沈む。もうこれ以上イきたくない。疲れた、眠い。
「カイ」
「も……む、り……」
「まだ俺は満足していないんだが?」
「…………え」
「付き合え」
「いや、無理だって……そんな何度も出来な……ああぁあ!?」
だからイッた直後は無理だって。
グチュッと水音を鳴らしながらアレクサンダーは腰を動かす。逃げようとしたけど、両手首をガッシリと掴まれて逃げられなかった。
アレクサンダーが満足するまで海は揺さぶられ続けたのだが、最後の方はもう記憶はあやふやだった。
⋆ ・⋆ ・⋆ ・⋆
「ん……」
「起きたか?」
「あれく、」
「悪かった。無理をさせたな」
もぞっと布団の中から顔を出すと、上半身裸のアレクサンダーがベッドの端に座っていた。
散々喘いだせいで喉がカラカラだ。喋ろうとしても喉が張り付いてしまって言葉にならず、空気だけが口から吐き出される。
「カイ、こっち向け」
「ん?」
アレクサンダーの方を見上げると同時に唇が合わさる。口の中に流し込まれたのは水で、海はゆっくりと飲み込んだ。
「もう少しいるか?」
「うん」
自分で飲めばいいのだが、アレクサンダーがくれると言うのなら甘えてしまおう。再度、コップの水を口に含んだアレクサンダーが顔を寄せてくる。それを数回繰り返した頃、喉の乾きはなくなっていた。
「腰が痛い」
「……悪かった」
起き上がろうとした瞬間、腰にズキッとした痛みが広がった。おしりの方もまだアレクサンダーのが中に入っているような感覚が残っている。
「やりすぎ……。ダメだって言ってるのになんであんな激しくしたの!」
「喘ぐお前が可愛くて……その、」
「可愛くてじゃねぇわ!! 止まってって言ったのにあんなに腰振らないでよ!」
「すまん……」
もう無理だ、これ以上は壊れてしまうと海は何度も言ったのだが、アレクサンダーは全部聞かぬフリして海の中を穿った。意識が飛びそうになっても叩き起され、海は長く喘ぎ続けた。
「バカ! バカサンダー!!」
「お前だって気持ちよさそうに喘いでいただろう!」
「当たり前じゃん! 気持ちよかったんだから! でも、あれはやりすぎ!!」
「つ、ぎは気をつける!」
半分怒鳴るような言い方で話を終わらせたアレクサンダーは、海の頭へと布団を乱暴に被せる。
「アレクサンダー! まだ話は終わって──」
「もう寝ろ。疲れてるんじゃないのか」
布団越しに抱き締められて、海は口を閉じた。
本当にアレクサンダーはセコいと思う。こんな事をされてしまっては文句など言えなくなってしまうではないか。
「アレクサンダーは? 寝ないの?」
「俺ももう寝る」
「なら、はい」
布団の端を掴んで持ち上げ、布団の中にアレクサンダーが入るように掛け、アレクサンダーの腕に頭を乗せて目を閉じる。
「カイ」
「なに?」
「すまなかった」
「いいよ。でも、次はちゃんと止まってくれないと困る」
「わかった」
布団の中で抱き合いながら約束を交わす。肌から直接伝わってくる温もりと、アレクサンダーの心臓の鼓動が眠気を誘う。
「おやすみ」
「あぁ。おやすみ、カイ」
額に柔らかいものを感じた後、海の意識はプツッと切れた。
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