異世界に来たけど、自分はモブらしいので帰りたいです。

蒼猫

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第三章 異世界に来たけど、自分は慈善活動を始めました

第八十話

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「カイッ!! 何をしてるの!」

 アレクサンダーと抱き合っていると、不意に後ろから声をかけられた。その声の大きさに身体が大きくびくつく。振り返らなくても相手がどんな顔をしているのかは手に取るようにわかった。

「ル、ルイザ……」

 ゆっくりと後ろを振り向けば、鬼の形相で仁王立ちしているルイザと、口元に手を当てて「まぁ……!」という感じに驚いているジェシカが立っていた。

「なんでそいつと一緒にいるのよ! それに……!」

 アレクサンダーを指差して睨み、ルイザは海に叫ぶように怒った。

「まるで……恋人みたいな真似をッ!」

 そういえばまだルイザとジェシカには話していなかった気がする。ルイザにアレクサンダーとの仲のことを知られれば反対されることは間違いなかったし、それに男同士ということもあって、中々話に出せなかった。

 ジェシカはアレクサンダーのことを気にしてはいないように見えるけど、内心では嫌っているかもしれない。
 海がアレクサンダーと仲良くしている手前、何も言わないだけで。
 その点、ルイザはこうしてことある事に突っかかってくるようになった。アレクサンダーといても、クインシーといてもだ。"騎士団"そのものを深く憎んでいるのだから仕方ない。自分の大切な人を奪った相手なら憎んで当然だ。

「カイ! こっちに来なさい!」

「ちょっと話をしようよ。俺も何も説明しなかったからあれなんだけどさ」

「説明なんて要らないわ! そいつといることは何があっても許さない!」

 ダメだ。怒りに支配されていて話にならない。
 これではまた宿に逃げ込んで話を強制的に終わらせることになってしまう。

「ルイザ、ちょっと落ち着いたらどう? カイくんお話したいって言ってるわよ?」

 ルイザの隣で黙って話を聞いていたジェシカが、海の為にと口を挟んでくれた。ジェシカの言葉ならルイザも少しくらいは聞いてくれるかと思ったが、頭が沸騰してしまった彼女には従姉妹の言葉も届かなかった。

「ジェシカは黙って!! アイツだけはダメなの!」

 一歩、ルイザは海たちの方へと足を踏み込む。それは流石にマズいと感じたジェシカが、ルイザを引き留めようとしたけれど間に合わなかった。憎らしげにアレクサンダーを見つめながらルイザはこちらへとやってくる。
 海の腕を荒々しく掴んでは自分の方に引き寄せようとした。

「離せ」

「貴方が離しなさいよ! この人殺し!」

 海の腕はルイザの手、腰にはアレクサンダーの腕が回っている。絶対に離さないと力強く引きながら。

「あんたらは気に入らなければすぐに人を殺すじゃない! そんなやつらの中にカイを入れたくないわ! 今すぐ城に帰って!」

「人聞きの悪い言い方だな。別に気に入る気に入らないで処刑しているわけではない」

 命令されてやっていたのだからそりゃそうだ。
 処刑した人たちの中には顔見知りの人だって居たはず。それでもやらざるを得なかったのだ。仲間の家族の命がかかっていたから。

「そんなの今更聞きたくないわ! あんたの手は汚れてるのよ! そんな手でカイに触らないで!」

 その言葉にアレクサンダーの腕が一瞬緩んだ。その代わり、海がアレクサンダーの腕を掴んで、ルイザに引っ張られるのを耐えた。

「ルイザ、ごめん。ちょっとその言い方は嫌だ」

「本当のことでしょ!? こいつが何したか知ってるっていたわよね? なら何故一緒にいるの。こいつは町の人たちを裏切ったのよ? そんな男のどこがいいの!?」

「知ってるよ。全部知ってる。アレクサンダーが町の人を処刑してしまったことも、国王と魔導師に脅されて断れなかったことも!」

 アレクサンダーが一方的に非難され続けるのが我慢ならなかった。腕を掴んでいるルイザの手を振り払い、海はアレクサンダーを背に守るように立った。
 今日こそはルイザに聞いてもらうしかない。聞いてもらって納得してもらえなければそれまでだ。

「町の人たちを処刑しなければ、団員の家族が殺されていたかもしれなかったんだよ!」

「人の命を天秤に掛けたってことじゃない! 結局、仲間を取ったのよ、そいつは!」

「それは"国民全員に賭けた"からだよ!!」

 は?と気の抜けた顔を浮かべるルイザに海は畳み掛ける。

「国王は見せしめとして城下町の人通りの多い大通りでの処刑を命令したんだ。国民全員の目がある場所で残虐な処刑を行えば、次、同じようなことをしたらこうなるぞっていう抑止力になる。でも、逆を考えれば、国民全員で国王に反抗することも出来た。罪人とされてしまった医者の人たちを、その日その場所にいた国民全員でアレクサンダーを取り押さえれば助けることは出来たんだ! 確かに医者の人達と団員の家族を天秤にかけたよ。だってそうするしかなかったんだから」

「それが……なんだっていうのよ……! 騎士団が殺したことには変わらないじゃない!」

「本当に騎士団だけが医者を殺したの?」

「なに……?」

「医者の人たちを……国を良くしようと思って勇気を振り絞って国王に直談判しに行った彼らの思いを殺したのは国民全員の方じゃないの!?」

 医者たちはもうこの世に居ないから彼らの言葉を聞くことは出来ない。死ぬ直前に何を思ったのかはわからない。だが、状況を考えて想像することは出来る。もし、自分が医者の立場だったら、国民から投げかけられた言葉はナイフのような鋭さを持っていたはずだ。

 国民の為にと反逆を起こした彼らは国民に裏切られた。助けて欲しいと叫んだ彼らから目を逸らし、耳を塞いで見て見ぬふりをした。自分たちは散々彼らに聞いてもらっていたのに。

 国王のやり方に不満があるけど、非力な自分たちではどうすることも出来ない。そう言って同じ"国民"の医者に縋った。人を助けることを使命だと思っていた医者たちは罪人になってしまうことも恐れず勇敢に行動した。

 じゃあ、国民は?彼らに縋った大勢の人達は一体何をしてくれた?助けを求めるだけ求めて、結果どうなった?

「医者を殺したのは騎士団だけじゃない。処刑を見物していた国民たちも同罪だ」

「で、も……刃物を振り下ろしたのはそいつじゃない……」

「物理的にはだよ。人には心があるんだ。身体よりも先に医者たちは心を殺されたんだ」

「私は……それでも、そいつの事はッ!」

「ねぇ、ルイザ。確か旦那さんも医者の人達を手伝ったって言ってたよね。医者に加担した人たちも処刑されてるけど……ルイザは助けようとしたの?」

 本当はこんな事を言いたくない。ルイザの傷を抉るような真似は。だが、そうしなければきっと分かってくれない。自分たちの罪を認めず、誰かに押し付け続けるようなみっともない事をルイザにはして欲しくないから。

「それは……」

「それは? 今、旦那さんが居ないってことはそういうことだよね? ルイザは旦那さんが処刑されてしまうのを黙って見ていた。助けることもせず、ただじっと見つめて。処刑台に上がった旦那さんはきっと助けてくれることを願ってた。皆が助けてくれる、次は国民全員で行けばなんとかなるって……そう思いながら旦那さんは死んだんだよ。ルイザは旦那さんを──」

 見殺しにしたんじゃないか、と言う前に海の口が後ろから塞がれた。もうそれ以上言うなというように。

「ルイザ、もうやめなさい」

「ジェシカ……」

「カイくんの言う通りよ。私たちは我が身可愛さに何もしなかったんだから」

「ジェシカは関係ないわ! 貴女はその時、ラザミアに居なかったじゃない」

「だからこそよ。その時居なかったから後悔してるのよ。その場にいればなにか出来たかもしれない。彼らを助けるために声をあげることが出来たかもしれない……そうやって何度もラザミアに居なかった事を悔やみ続けるのよ」

「ジェシカは国から出てたの?」

「夫のご両親に会いに行ってたの。たまには遊びに来なさいって言われていて……タイミングが本当に悪かったわ」

 そして、申し訳なさそうにジェシカはアレクサンダーに向けて頭を下げた。

「一人で背負わせてごめんなさい。その罪は私達も背負うはずだったのよ。それなのに皆が皆、自分は悪くないと目を背けてしまった。貴方たち騎士団に責任を擦り付けることによって罪悪感を打ち消していたの」

「構わん。手を下したのは俺であって国民ではない。医者を殺したのは俺であることは変わらない」

「貴方一人のせいじゃないのよ。カイくんが言ったでしょう? 貴方は心のどこかで皆がきっと助けてくれる、この処刑を止めてくれるって願ったんでしょう? 医者の人たちの気持ちも裏切ったあげく、処刑人として立たされてしまった貴方の思いも裏切ってしまったのよ」

 ジェシカの言葉にアレクサンダーは言葉を詰まらせた。

 沈黙は肯定を示す。アレクサンダーが黙り込んだことによって、ルイザはなんとも言えない顔でアレクサンダーを見上げた。

「ルイザ。私たちには彼を責める資格はないわ。彼と私たちが背負っている罪は同じものなの。どちらが悪くて、どちらが悪くないなんてことはないのよ」

「…………そう……ね」

 漸く理解してくれたルイザはポツリと小さな声でアレクサンダーに謝った。強い風が吹いたらかき消されそうなほどの声だったが、その言葉はアレクサンダーにちゃんと届いた。

「気にすることはない」

「……でも、それでも私は"カイとの仲"は許さないから」

 気まづそうに目を逸らしたルイザは海たちに背を向けて自宅の方へと歩き出した。

「気にしないで。あれはただのヤキモチだから」

「ヤキモチ? ルイザが?」

「ええ。可愛い弟のようなカイくんが誰かに取られちゃったのが受け入れられないのよ」

 一人で帰っていくルイザの後ろ姿をジェシカは微笑ましそうに眺めた。ルイザが家の中に入っていくのを見届けてから、ジェシカはアレクサンダーを見上げる。顔は笑っているのに、何故か目が冷たい。

「カイくんのこと、泣かせたら容赦しないわよ?」

 いつもの優しげな声色なのに言っていることが物騒だ。容赦しないってどういう意味なんだと聞きたいが、アレクサンダーとジェシカは見つめ合ったまま無言。
 にこやかに笑い続けるジェシカと真顔のアレクサンダー。

 ……一体何が行われているんだ。


 暫く無言の戦いが続いたが、宿からヴィンスが出てきたことによって終わった。

「……お前さんら人の家の前で何やってんだ」

「すみません。黙ったままの木偶の坊を叱っていた所だったんです」

「木偶の坊?」

「いえ、こちらの話です。カイくん、今日はごめんなさい。気分を悪くさせてしまったわね」

「だ、大丈夫……です」

「そう? カイくんが良ければこれからもルイザと仲良くしてあげてね」

 そう言ってジェシカは家へと帰って行った。
 最後に特大の嵐を置いていって。

「アレク……サンダー?」

「あの女には近づくな。あれはダメだ」

「なんで!?」

「……絶対にダメだ」

 たらり、とアレクサンダーの額から汗が一筋垂れた。

 二人の間に何があったんだ。
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