異世界に来たけど、自分はモブらしいので帰りたいです。

蒼猫

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第三章 異世界に来たけど、自分は慈善活動を始めました

第六十四話

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 気づいた時、海はラザミアに来た時と同じ光景を見ていた。教会に作られた召喚印の上に落とされ、わけも分からず周りを見渡す。周囲には白いローブを着た男が六人立っていて、彼らは海を見て歓声を上げていた。

《違う。これは俺じゃない》

 意識はあるが身体は動かせない。海が見たいと思った方向は見えないし、言葉を発することも出来ない。海の意志と違う動きをする身体は海のものとは全然違う。

《誰だ……この人》

 まるで誰かに乗り移っているような感覚だ。

「さぁ、どうぞ聖女様」

 魔導師らしき人が"海"へと手を差し伸べる。"海"はその手を取って立ち上がった。

 いつもより大分低い視点。差し伸べた手は色白で細く、爪は綺麗に整えられている。海が乗り移っているのはどうやら女性らしい。

 彼女は魔導師に手を引かれるまま、教会から城へと向かう。海の時とは違ってやたら魔導師の案内が手厚い。
 足元に段差があるから気をつけてくださいと注意したり、城下町を見つめる聖女に魔導師はにこやかな笑顔を浮かべながら「自慢の町なんです」と誇らしげに語っていたり。

 彼女が視線を動かせば、自然と海も同じものを見る。
 海が知っている城下町と、彼女が見ている町の風景は全然違う。

《闇が……ない?》

 城下町に降り注ぐ暖かな太陽の陽射し。城下町の人たちは忙しそうに動き回りながらも、皆笑顔だった。

「さぁ、聖女様。行きましょう」

「はい」

 彼女は小さく呟くと、魔導師の後をついていく。やたらと冷静だなと思っていたが、彼女の手が震えていることに気づいた。見知らぬ土地に連れてこられれば誰しも戸惑う。彼女も言葉にしなくても、この現状に驚いて怖がっていた。

 城の中へと通されると、国王が待っている謁見の間へと連れていかれた。海が見たのと同じで、彼女の左右に騎士団が二人。彼女の前方に国王。そして、少し離れた所に魔導師と騎士団が並んでたっている。

《何度見てもこの光景って、裁判所なんだよなぁ》

 立ち位置がまんま裁判所。高校生の頃に一度だけ見に行ったことがある。その時は社会科のレポートを書くために傍聴しにいったのだが、こんなところでまた見れるとは思わなかった。部屋の広さは違えど、殺伐さつばつとした雰囲気とかも似たような感じだ。

 国王は彼女に聖女として召喚したことを説明し、杉崎に言ったのと同じように国を守って欲しいと頼み込んだ。

 闇がないのに何から国を守れというんだ。
 彼女は国王の言葉の意味を半分ほど理解して頷く。周りに聞こえないくらいの声量で「帰りたい」と本音を漏らしていた。

 用意された部屋へと入ると、彼女は内側から鍵をかけた。

「なんなの!? 元の世界に返せよ!!」

 一人になった途端、彼女はくわっと目を見開いて怒りだした。魔導師や国王の前では猫を被っていたのか、彼女の荒れ具合はかなり酷かった。彼女に乗り移っている海がドン引きするくらいには。

 天蓋付きのベッドへと近づいた彼女はピンク色の生地の薄いカーテンを忌々しそうに睨みつける。今にも引っ掴んで破いてしまいそうだ。

《女の子ってこういうの好きなんじゃないのか……》

 彼女はバレない程度にベッドのフリルをむしり取って捨てていた。枕の周りに置かれている無駄なクッションも全てソファへと投げつけて。

「聖女様、お召し物をお持ちいたしました」

「はい、どうぞ」

《は、早変わり……》

 メイドが服を持ってきたと部屋に入ってくると、彼女の声色はとても優しいものへと変わった。数秒前は親の仇を見つけたかのように荒っぽく刺々しい口調だったのにだ。

「こちらに置いておきますね」

「ありがとうございます」

 あぁ、笑ってしまいたくなるほど彼女のキャラがコロコロ変わっていく。気弱そうな女の子から鬼ババアのように豹変して、また聖女らしく清らかな笑みを浮かべる。聖女の七変化恐るべし。

 メイドが居なくなった後、彼女は持ってきてもらったドレスを見て、唾を吐き捨てるかのように「けっ!」とキレた。

 暫く休んでから部屋に魔導師が現れた。明日から聖女としての力の訓練が始まる。そのための説明をと、数人の魔導師とテーブルを囲んで話し合う。その間に彼女がいくつか質問していたが、魔導師たちは言葉の意味が分からなくて狼狽えていた。

《ドライヤーとヘアアイロンはないよなぁ》

 女の子らしい質問なのだが、この世界は現代の日本より文明は進んでいないだろう。

 彼女は静かに「そうなんですか」と残念そうに答え……残念というよりも怒ってる。だいぶ怒ってる。テーブルの下に隠れた足はガタガタと貧乏揺すりをして、怒りを抑えていた。

《そ、そこまで怒る!?》

 海にとってはドライヤーもヘアアイロンも絶対必要というものではない。ドライヤーがなくてもタオルがあれば拭いて乾かせるし、ヘアアイロンなんて人生で使ったことも無い。海はそうでも、彼女にとっては必須アイテムなのか、顔には出さずに下半身で必死に訴えていた。



‎⋆ ・‎⋆ ・‎⋆ ・‎⋆



 それから数日。彼女は魔導師が予想したよりも早く、浄化の力を習得して使いこなせるようになっていた。
 早速、彼女は城下町へと下りていった。

《あれ……城の周りの堀がない》

 城の周りに水堀がない。そのため城門から直接城下町へと入れるようになっていた。城下町に行くにはいつも橋を下ろしていたのに。

《後から作られたのか》

 もう少し周りを見たかったが、彼女はそそくさと城下町へと下りていってしまった。

 スタスタと城下町を歩く彼女は周りから好奇の目で見られていた。なんせ、周囲の人間と衣服が違いすぎるからだ。城下町に住む人達は皆、ドレスのような丈の長いワンピースで肌の露出が少ない。中世、ヨーロッパのような装いだった。それに比べ、聖女の彼女は現代日本の洋服。膝上丈のスカートに、柄物のティーシャツ。上着はデニムジャケット。完全に彼女の存在は城下町で浮いていた。

 すれ違う女性にはボソリと、はしたないと呟かれていたが、彼女は気にすることなく歩き続けた。

《この子なんか凄いな……肝が据わってるというかなんというか》

 周りにどう見られていても、何を言われても動じない。その姿は少しだけ尊敬した。

 城から結構離れ、人も疎らになってきた頃に彼女は足を止めた。辺りを見渡して「やっぱり」と一人呟いた。

「こういう国って中心は栄えてるけど、外側に行くにつれて貧困が目立つのよね」

 彼女の言う通り、城下町の大通りから離れた所ではやせ細った老人や、疲れ果てて動けなくなった農民が道端に座り込んでいた。

 その中で、唯一の女性に彼女は声をかけた。道端に座り込んでいる女性のお腹は大きく、お腹を守るように両手で抱え、苦しそうに短く息を吐いていた。

「ねぇ、ご飯ちゃんと食べてるの?」

「え……?」

「お腹の赤ちゃん。栄養足りてないわ」

「何でそんなことわかるの?」

 妊婦の女性は唐突に話しかけてきた聖女に不審感を抱き、逃げようと腰を上げる。

「待って。今動いたらお腹の中の赤ちゃんに負担がかかる。元気に生まれてきて欲しいなら少し待って」

 立ち上がろうとした妊婦さんに手を貸し、また地面に座らせる。妊婦さんの震える手を両手で優しく包み、聖女は祈るように目を瞑る。

「……はい。これで大丈夫でしょ」

「貴女……何者なの?」

「何者でもないわよ。ただの人間」

 呼吸が落ち着いた妊婦さんは聖女を不思議そうに見つめたあと、握られていた手を見つめる。聖女が最初に見た時よりも妊婦さんの顔色はかなり良くなっていた。

「じゃあね。もう無理しちゃダメよ」

 聖女はそれだけ言い残して足早にその場を去った。

《実はいい人?》

 鬼のように怒り狂ってフリルを破いていた人間とは思えないほど、慈愛に満ちた行動だった。

 それから彼女は何人もの人の手を握って祈った。
 でも、彼女が手を貸すのは決まって大通りから外れた人達。医者にかかるのも難しい貧困層の人たちを優先的に治していった。

 人の病気だけでなく、犬や猫。家畜までも助けて回った。聖女の力は万能だと聞いていたが、ここまで出来るとは思っていなかった。海が聞き及んでいたのは、闇を払う浄化の力、そして闇で枯れ果ててしまった土地の復活。傷ついたものを癒すことも出来ると聞いていたが、病気を持っている人まで治せるとまでは思っていなかった。

《やっぱ凄いな。杉崎さんも今頃訓練してんのかな》

 彼女は城下町の闇を払うと国王に断言していた。
 その為に聖女の訓練を受けているはず。

《……でも、俺なんで聖女の夢? を見ているんだ?》

 今の状態が夢なのかも怪しい。海の意識はこんなにもしっかりしているし、乗り移っている彼女の五感が全て海に伝わっている。あまりにもリアルすぎる夢だ。

 うーん?と考えている間に聖女は城へと戻った。
 与えられた部屋にこもると、また彼女は不機嫌そうに眉を顰める。部屋に置かれている煌びやかな調度品を憎らしげに見つめては、何度も壊そうと手を伸ばしていた。

《ストレス発散するには高すぎるよなぁ》

 聖女はメイドが持ってきてくれた食事を見て、また顔を歪める。彼女の感情の起伏の激しさに海が疲れそうだ。

 聖女は数年の間はラザミアに居た。聖女の力を使って救った人数はもう三桁を超え、貧困層の半分くらいの国民が聖女を崇めていた。

 国民に敬われても彼女の態度は相変わらずだった。
 ドレスを着るように勧められても、彼女は頑なに短いスカートとティーシャツを好んで着た。城にドレスしかないと言われると城下町の服屋へと足を運び、わざわざ作らせた。そのお金は当然、国の財産から出される。

 だが、彼女は絶対に大通りの服屋では作らせなかった。町の中心部にある服屋ならもっといい素材で、質のいい服を着れたはずなのに、彼女は町外れの服屋で作ったものだけを着た。どれだけみすぼらしくても。



 彼女がラザミア王国に来てから四年の月日が経った。
 その間の彼女の行動はモヤがかかって見れず、いつの間にか四年が経過していた。

 彼女は最初に与えられた部屋で荷造りをしている。これからどこかへ行くつもりなのか、数日分の服などを大きなカバンへと詰め込んでいた。
 彼女の真横ではメイドが必死に引き留めようと声をかけているが、彼女は一切答えず手だけを動かした。

《国を出る気だ》

 彼女がこの国に対して鬱憤うっぷんを抱えているのは知っていた。大通りの民衆は裕福な暮らしをしているのに、一歩町を外れるとそこは明日食べる食事に困っている人達ばかりだった。彼女は大通りの人間など目もくれず、町外れにいる人達にだけ献身的に救いの手を差し伸べていた。

 国王はそんな彼女を糾弾した。町外れの人間ではなく、町の中心部の人たちを救ってやってくれと。彼らが一番この国に貢献している。功労者を癒すのは当たり前だろう?そう言ってのけた。

 "ふざけんな! 誰が功労者だ。見た目だけ着飾って何もしてないクズ人間の集まりじゃない! 町の外の人達はみんな毎日汗水垂らして働いてる。この国を支えているのは彼らだ!"

 彼女は国王に向かってそう言い返した。それでも国王の意思は変わらず、ついには彼女が町外れに行くことを禁止した。もし町外れに行こうものなら彼らの納税を上げるとまで言い出して。

 もうこの国はダメだ。そう見限った彼女はラザミアから出国する予定を立てた。

「お待ちください! 国王にどうかご説明を!」

「する必要は無いでしょ。勝手に呼び出してたんだから。だったら私も勝手に国を出たっていいはず」

 彼女は大きなリュックを背にし、ランタンの火を消して部屋を出る。このリュックも町外れの服屋で作ってもらったものだ。

 後ろからメイドが追いかけて来ていたが、一度も振り返らなかった。途中、魔導師に見つかったらどうしようと心配していたが、城門まで誰とも会わずに済んだ。

「……これでもうさよならよ」

 城下町の入口で彼女は漸く城の方を振り向いた。
 視線の先には憎らしげにこちらを見ている国王の姿。

 こうして彼女はラザミアを出た。海の知らない四年間の間に彼女は町外れの男と出来ていたらしい。彼女のお腹の中には新たな命も宿っている。彼女は子供と大切な彼を守るために国を出て行った。

 その後、彼女は外の国でかなり活躍する事になる。
 聖女としての力はラザミアを離れたと同時に失ってしまったが、彼女が持っていた知識は大いに役立った。

 というよりも、彼女は生活していくのにこの世界は不便過ぎると思ったのだろう。

 彼女が声を上げたことにより、世界の文明は一気に変わった。そんなことが可能なのかと海は疑問に思ったが、彼女は拙い説明をしながらも根気よく自分が持っている知識を広げていったのだ。

 彼女の最期はとても幸せそうだった。孫に見守られながら安らかに旅立っていった。
 ただ、心残りだったのは、ラザミアの町外れの人たちを置き去りにしてしまったことだった。ラザミアにいる間は自分の知識は活かされない。国外に出てるしかない、でもそうすると今困っている人たちを見捨てることになる。

 ひたすら悩み考えた結果、彼女は出る決心をした。
 今は辛いかもしれない。でも、彼女が国外で伝えたことがいつかラザミアに届いてくれたなら。彼らは報われるのではないかと。そう信じて。

 その思いが通じたのは、次の聖女が召喚された頃。
 最初の聖女である彼女が没してから三十年後の事だった。


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