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第三章
70. 条件
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「お呼びでございましょうか。」
「ジン、悪いけどこっちに来てくれないか?魔獣と俺たちの通訳になって欲しい。」
「こっちというのは森でございますね。屋敷の外は嫌でございます。」
「なっ!お家小人は家の者に仕えるんだろ?なんでいつも俺にだけ反抗的なんだよ。」
「ロッド様はいつも私に無理難題を押し付けますし、好き勝手な振る舞い、紳士的ではありません。ヘイゼル家の人間とは思えませぬ。」
言葉からツーンとしているジンさんの姿が浮かぶようだ。いつも偉そうで自信満々なロッド様がグサグサ言われている姿は新鮮でつい吹き出してしまいそうになる。ルカを覗き見ると、ルカも笑いを堪える様な表情をしていた。
「ジン、私がお願いしてもこちらに来てはいただけないでしょうか。私はいずれヘイゼル家の人間になるのですし・・・。その私がお願いするのは厚かましいでしょうか。」
「シンシア様、あなたは大変美しく振る舞いも素敵です。私はあなたがヘイゼル家にいらっしゃる日を楽しみにしております。ですが、それはそれ。これはこれです。」
「そうですよね。差し出がましいことを申しました。」
ジンさんは余程こちらに来るのが嫌なようだ。
「ではジンさん、こちらの森に来てくれたら次回のお茶会でライファが新作のお菓子を用意するというのはどうでしょう?」
「それはクッキーとは別のお菓子、ということですかの?」
「えぇ、その通りです。」
「クッキーよりも美味しい?」
「美味しいですよ。勿論お約束していたクッキーも用意しますよ。ね、ライファ。」
「はい。ジンさんがこちらにおいで下さるというのなら、とびっきりのお菓子をご用意いたします。」
「おい、なんだそれ。どびっきりのお菓子って・・・」とレイの背後から声がするが、それを聞かなかったことにして話は進んだ。
「承知いたしました。ロッド様の魔力を追って直ぐに参ります。」
「レイ様、危険が無さそうであれば私どももそちらに合流したく思いますがいかがでしょうか?」
レイに確認しながらもルカは中に入る気が満々のようでその表情がソワソワしているのが分かる。ハンターという仕事を選ぶくらいだ。好奇心は人一倍といったところだろう。
「いいぞ。ライファを先頭にシンシア様、ルカの順番で下りてくるといい。」
「本当に狭いですね。」
木に登り間近で空洞を見ると思っていた以上に狭かった。レイが通れたのは分かるが、筋肉質な体をしたロッド様がよく通れたものだと思う。
「ライファさん、気をつけて。」
シンシア様の言葉に頷いて筒の内壁に手と足をつけ体重を支えながらゆっくり下りていく。きっと魔力ランクの高いシンシア様なら魔力を使って下りるのだろう。運動神経が良い方でよかった。でなければこんなところで足手まといになるところだった。木の底に着いた。飛びながら私たちについて来ていたベルをポンチョの中に入れ更に先に進む。道は天井が低いものの横に二人が並んで歩けるほどの道幅になっており、レイたちに合流した場所は人であれば20人は入れるような空間になっていた。
「ロッド様。」
シンシア様がロッド様に駆け寄ると二人を囲むようにいた魔獣が怯えたようにざわめいた。
「また増えた、と申しております。」
「ジンさん、もういらっしゃっていたのですね。」
「ライファ様、私にはこれくらいの距離など無に等しいのでございますよ。」
ジンさんはいつものように紳士的に微笑んだ。
「ジン、俺たちは攻撃するつもりはないからそんなに怯えなくてもいいと伝えてくれ。」
「グワッ、グ、ぐぐぐぅ、グワッ。グワッ。」
ジンさんが魔獣の鳴き声を真似したような音を発し、近くに居た魔獣がコクコクと頷いた。紳士な姿のジンさんが魔獣の鳴き声を発するというのは何とも言えぬ面白さがある。事実、真面目な顔をしているルカの指先がせわしく動き、笑いを堪えようとしているのを視界の端で捉えていた。
「あなたたちは何をしに来たのか、と申しております。」
「チェルシー鳥を探している。チェルシー鳥にはどこにいけば会える?」
魔獣たちが数匹顔を寄せ合うようにして小さく声をあげ、相談でもするような仕草を見せた。その代表の言葉をジンさんが受け取り私たちに伝える。
「この魔獣を助けてくれたら、チェルシー鳥の情報を教えてあげてもいい。ただ、教えるだけで君たちに会うかどうかを決めるのはチェルシー鳥自身だ。とのことです。」
つまり、会えるかは分からないということだ。
「構わないです。情報云々抜きにしてもこの状況では放ってはおけないですよ。」
レイはそう言うと寝床に横になっている魔獣に近付いた。
「触っても大丈夫ですか?」
「大丈夫だ、と申しております。」
魔獣は浅い呼吸を繰り返しており、目はきつく閉じたままだ。時折寒そうに体を震わせるたびに側にいる魔獣が体をさすっている。
「いつからこの状態なんですか?どうしてこんなことになったのか原因も分かるならば話してほしい。」
レイはそう言いながら魔獣の体を探っている。横になっている魔獣はレイが触れることにも抵抗をみせず、それどころではない様子だ。
「このような状態になったのは3日前。森に食事に出かけて帰ってくるなり倒れてしまった、と申しております。日に日に悪化しているとも申しております。」
「外傷はなさそうだな。とすると、毒か、病気か・・・。ロッド様、シンシア様、このような症状に心当たりはございませんか?」
「そう言われてもなぁ、俺、医者でもないしなぁ。」
「私も存じません。すみません。」
「ライファにルカは?何か心当たりはない?」
「熱や吐き気は?食事はとれているのですか?水分は?とにかく何でもいいからもっと今の状態を知りたいです。」
ルカが次々と質問をしている。
「熱はある、食事はしても吐いてしまう、水分はわずかだがなんとか。それと便に血が混じっている、と申しております。」
「血便!?・・・それは不味いですね。」
「レイ様、私に少し時間をください。助言をいただいてきます。」
私が師匠に連絡しようとしていることを察したレイが、わかったと頷いた。私はそのまま部屋を出て通路に移動するとリトルマインを取り出した、
「師匠、先生、いますか?」
「・・・・・・。」
「しっ。師匠っ!!」
あぁ、お願い。今だけは出て!いや、いつも出て欲しいけど。
「先生っ!師匠っ!」
「ふあぁああ、なんですの?」
酷く眠そうな先生の声が聞こえた。きっと朝方まで研究して寝落ちしていたのだろう。
「寝ているところすみません。」
「で、なんですの?」
「実は体調を崩している魔獣を治療することになりましてその対処を教えていただきたいのです。」
「えぇー、そんなの獣医でも呼べばよいではないですか。それが一番ですよ。ふあぁ。」
「呼んでいる時間がないからこうして先生に聞いているのです。お願いです、せんせぃ~。」
「もう~、グラント!グラント!!キャラティーを淹れてちょうだい!!ったく、仕方ないですわね。」
・・・グラントさん、お茶淹れたりもしてるんだ・・・。
「それで、症状はどんなですの?」
私が症状を説明すると先生はふぅん、と言った。
「原因がよく分からない以上、対処療法しかないのではなくて?」
「対処療法ですか!?」
「えぇ、便に血が混じっているということは内臓のどこかが傷ついているということ。内臓を修復させると同時に、内臓を傷つけているものがいるのならそれを排除せねばなりません。」
「それはそうですけど。万が一調合した薬が魔獣の体に合わなかったり、副作用が出る可能性も・・・。」
「勿論、ありますわよ。なので、効力を弱めた薬を少量与えて体がどう反応するかをみるのです。実験に近いかもしれないですわね。副作用が出る、症状が悪化するならその薬は合わないということ。反対に症状が良くなるのであればその薬の効力を上げてやればいいのです。」
「・・・分からないって怖いですね。」
「そうですわね。命に係わることで失敗することは死に直結しますからね。観察をやめてはなりませんよ。少しの変化も見逃さないことです。そして、効果は小さく薄く。薬を作ってもそれが全ての生き物にとって薬になるとは限りません。確証が持てるまでは自身の薬であろうと疑うことを忘れずに。それが基本です。」
「わかりました。ありがとうございます。」
「ジン、悪いけどこっちに来てくれないか?魔獣と俺たちの通訳になって欲しい。」
「こっちというのは森でございますね。屋敷の外は嫌でございます。」
「なっ!お家小人は家の者に仕えるんだろ?なんでいつも俺にだけ反抗的なんだよ。」
「ロッド様はいつも私に無理難題を押し付けますし、好き勝手な振る舞い、紳士的ではありません。ヘイゼル家の人間とは思えませぬ。」
言葉からツーンとしているジンさんの姿が浮かぶようだ。いつも偉そうで自信満々なロッド様がグサグサ言われている姿は新鮮でつい吹き出してしまいそうになる。ルカを覗き見ると、ルカも笑いを堪える様な表情をしていた。
「ジン、私がお願いしてもこちらに来てはいただけないでしょうか。私はいずれヘイゼル家の人間になるのですし・・・。その私がお願いするのは厚かましいでしょうか。」
「シンシア様、あなたは大変美しく振る舞いも素敵です。私はあなたがヘイゼル家にいらっしゃる日を楽しみにしております。ですが、それはそれ。これはこれです。」
「そうですよね。差し出がましいことを申しました。」
ジンさんは余程こちらに来るのが嫌なようだ。
「ではジンさん、こちらの森に来てくれたら次回のお茶会でライファが新作のお菓子を用意するというのはどうでしょう?」
「それはクッキーとは別のお菓子、ということですかの?」
「えぇ、その通りです。」
「クッキーよりも美味しい?」
「美味しいですよ。勿論お約束していたクッキーも用意しますよ。ね、ライファ。」
「はい。ジンさんがこちらにおいで下さるというのなら、とびっきりのお菓子をご用意いたします。」
「おい、なんだそれ。どびっきりのお菓子って・・・」とレイの背後から声がするが、それを聞かなかったことにして話は進んだ。
「承知いたしました。ロッド様の魔力を追って直ぐに参ります。」
「レイ様、危険が無さそうであれば私どももそちらに合流したく思いますがいかがでしょうか?」
レイに確認しながらもルカは中に入る気が満々のようでその表情がソワソワしているのが分かる。ハンターという仕事を選ぶくらいだ。好奇心は人一倍といったところだろう。
「いいぞ。ライファを先頭にシンシア様、ルカの順番で下りてくるといい。」
「本当に狭いですね。」
木に登り間近で空洞を見ると思っていた以上に狭かった。レイが通れたのは分かるが、筋肉質な体をしたロッド様がよく通れたものだと思う。
「ライファさん、気をつけて。」
シンシア様の言葉に頷いて筒の内壁に手と足をつけ体重を支えながらゆっくり下りていく。きっと魔力ランクの高いシンシア様なら魔力を使って下りるのだろう。運動神経が良い方でよかった。でなければこんなところで足手まといになるところだった。木の底に着いた。飛びながら私たちについて来ていたベルをポンチョの中に入れ更に先に進む。道は天井が低いものの横に二人が並んで歩けるほどの道幅になっており、レイたちに合流した場所は人であれば20人は入れるような空間になっていた。
「ロッド様。」
シンシア様がロッド様に駆け寄ると二人を囲むようにいた魔獣が怯えたようにざわめいた。
「また増えた、と申しております。」
「ジンさん、もういらっしゃっていたのですね。」
「ライファ様、私にはこれくらいの距離など無に等しいのでございますよ。」
ジンさんはいつものように紳士的に微笑んだ。
「ジン、俺たちは攻撃するつもりはないからそんなに怯えなくてもいいと伝えてくれ。」
「グワッ、グ、ぐぐぐぅ、グワッ。グワッ。」
ジンさんが魔獣の鳴き声を真似したような音を発し、近くに居た魔獣がコクコクと頷いた。紳士な姿のジンさんが魔獣の鳴き声を発するというのは何とも言えぬ面白さがある。事実、真面目な顔をしているルカの指先がせわしく動き、笑いを堪えようとしているのを視界の端で捉えていた。
「あなたたちは何をしに来たのか、と申しております。」
「チェルシー鳥を探している。チェルシー鳥にはどこにいけば会える?」
魔獣たちが数匹顔を寄せ合うようにして小さく声をあげ、相談でもするような仕草を見せた。その代表の言葉をジンさんが受け取り私たちに伝える。
「この魔獣を助けてくれたら、チェルシー鳥の情報を教えてあげてもいい。ただ、教えるだけで君たちに会うかどうかを決めるのはチェルシー鳥自身だ。とのことです。」
つまり、会えるかは分からないということだ。
「構わないです。情報云々抜きにしてもこの状況では放ってはおけないですよ。」
レイはそう言うと寝床に横になっている魔獣に近付いた。
「触っても大丈夫ですか?」
「大丈夫だ、と申しております。」
魔獣は浅い呼吸を繰り返しており、目はきつく閉じたままだ。時折寒そうに体を震わせるたびに側にいる魔獣が体をさすっている。
「いつからこの状態なんですか?どうしてこんなことになったのか原因も分かるならば話してほしい。」
レイはそう言いながら魔獣の体を探っている。横になっている魔獣はレイが触れることにも抵抗をみせず、それどころではない様子だ。
「このような状態になったのは3日前。森に食事に出かけて帰ってくるなり倒れてしまった、と申しております。日に日に悪化しているとも申しております。」
「外傷はなさそうだな。とすると、毒か、病気か・・・。ロッド様、シンシア様、このような症状に心当たりはございませんか?」
「そう言われてもなぁ、俺、医者でもないしなぁ。」
「私も存じません。すみません。」
「ライファにルカは?何か心当たりはない?」
「熱や吐き気は?食事はとれているのですか?水分は?とにかく何でもいいからもっと今の状態を知りたいです。」
ルカが次々と質問をしている。
「熱はある、食事はしても吐いてしまう、水分はわずかだがなんとか。それと便に血が混じっている、と申しております。」
「血便!?・・・それは不味いですね。」
「レイ様、私に少し時間をください。助言をいただいてきます。」
私が師匠に連絡しようとしていることを察したレイが、わかったと頷いた。私はそのまま部屋を出て通路に移動するとリトルマインを取り出した、
「師匠、先生、いますか?」
「・・・・・・。」
「しっ。師匠っ!!」
あぁ、お願い。今だけは出て!いや、いつも出て欲しいけど。
「先生っ!師匠っ!」
「ふあぁああ、なんですの?」
酷く眠そうな先生の声が聞こえた。きっと朝方まで研究して寝落ちしていたのだろう。
「寝ているところすみません。」
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「えぇー、そんなの獣医でも呼べばよいではないですか。それが一番ですよ。ふあぁ。」
「呼んでいる時間がないからこうして先生に聞いているのです。お願いです、せんせぃ~。」
「もう~、グラント!グラント!!キャラティーを淹れてちょうだい!!ったく、仕方ないですわね。」
・・・グラントさん、お茶淹れたりもしてるんだ・・・。
「それで、症状はどんなですの?」
私が症状を説明すると先生はふぅん、と言った。
「原因がよく分からない以上、対処療法しかないのではなくて?」
「対処療法ですか!?」
「えぇ、便に血が混じっているということは内臓のどこかが傷ついているということ。内臓を修復させると同時に、内臓を傷つけているものがいるのならそれを排除せねばなりません。」
「それはそうですけど。万が一調合した薬が魔獣の体に合わなかったり、副作用が出る可能性も・・・。」
「勿論、ありますわよ。なので、効力を弱めた薬を少量与えて体がどう反応するかをみるのです。実験に近いかもしれないですわね。副作用が出る、症状が悪化するならその薬は合わないということ。反対に症状が良くなるのであればその薬の効力を上げてやればいいのです。」
「・・・分からないって怖いですね。」
「そうですわね。命に係わることで失敗することは死に直結しますからね。観察をやめてはなりませんよ。少しの変化も見逃さないことです。そして、効果は小さく薄く。薬を作ってもそれが全ての生き物にとって薬になるとは限りません。確証が持てるまでは自身の薬であろうと疑うことを忘れずに。それが基本です。」
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