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番外編
頑張りましょう 3
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「あ……つい緩めちゃいました。圭太さんのナカが気持ち良すぎて」
「な、にが、気持ち良すぎて、だよ! 阿川のバカっ」
快楽に浮かされて涙目になっているのが分かるからそっぽを向くと、阿川が俺の頬に手を添えて自分の方を向かせた。
「こういうの夢だったんですよ。好きな人と一つ屋根の下で一緒に料理をして、愛し合ってって。圭太さん、僕の膝に乗ってくれます?」
「なっ、何言ってるんだよ。いま、したばっかじゃねーか」
「二週間ぶりなのにこれで足りるわけないでしょ」
「ね、お願い」とほほ笑まれて、阿川に従ってしまうあたり俺は相当阿川に弱い。ぬちゅと音をさせてゆっくりと阿川の膝に座ると、俺を抱きしめながら阿川がゆるゆると動いた。さっきとは違い、緩やかで優しい快楽に包まれる。
「どうしたら一緒に暮らしてくれるんですか? 何に圭太さんが引っ掛かっているのか教えて」
「……阿川の金でってなると気が引けるっつうか……」
阿川の唇が俺の唇の上でちゅっと音を立てて離れた。
「じゃあ、どうしたら気が引けることなく、来年一緒に暮らせますか?」
「来年は動かねぇのかよ」
「動かせません。二週間会えないとかもう無理」
いつの間にか阿川の腰の動きは止まり、俺たちは繋がったまま話をしていた。
「阿川が一人暮らしをして俺が通うって方法は?」
「僕、家に帰すつもりはありませんけどそれでも良ければ」
こいつ……いい笑顔で言いやがって。
コツコツ貯めた貯金が50万ちょっと……か。俺はうーん、と頭を悩ませた。
「家賃は二人で8万以内な。水道光熱費も食費もなるべく折半する。それでも足りないところは貸して。就職したら返す」
「わかりました」
「全部メモるからな」
「いいですよ」
「あっ、ばか。急に動く……なぁあっ!」
「だって嬉しくて」
阿川にしがみ付いて体を震わせていると、家のインターホンが鳴った。瞬間に青ざめて硬直すると、あれー、いないのー? おにーちゃーん、と声が聞こえてくる。
「やべぇ、阿川、妹帰ってきた」
ぬちゅん、と阿川を引き抜いてテッシュでチンコを拭き、慌てて身だしなみを直しているとガチャっという音と共に優香がリビングに入ってきた。
「なんだ、お兄ちゃん、いるじゃん」
「い、いるじゃんってお前、今日泊まりじゃなかった?」
「友達が体調崩しちゃって、ゆっくり休んで欲しいから帰ってきた。ってあれ? えぇーっ、阿川武!? さんっ」
とってつけたような「さん」だ。ずっとキッチンにいる俺の方を向いて話していた優香は、俺に背を向けたことでようやく阿川の存在に気が付いたらしい。
「お邪魔してます」
「え、あ、はい。どうぞ」
優香はペコっと勢いよく頭を下げた後、高速で俺の隣にやってきた。
「ちょっとお兄ちゃん、なんでうちに阿川さんがいるのよ。何? 知り合いなの?」
「知り合いっつうか、なんつーか」
「圭太さんとは仲良くさせて頂いてます」
「圭太さん!? うぞ……あの阿川さんがお兄ちゃんのことを名前で呼んでる……」
優香は俺と阿川を交互に見ながら、興奮冷めやらぬ様子だ。
「お前の中で俺ってどんな存在なんだよ……ってか、お前、阿川のこと知ってるのな」
「はぁー? バカじゃないの? 今どきの女子高生で阿川さんのこと知らない人なんていないよ。あ、すみません、サイン頂いてもいいですか?」
「サイン……だ、と?」
今度は俺が驚く番だった。阿川がサインを強請られている。まるで芸能人みたいなこの扱い……。驚きを隠さないまま阿川の顔を見ると「最近、女性向け雑誌にもよく出てるんですよ」と言った。
「なんかいい匂いするー」
「えっ、マジ?」
匂いという言葉に敏感に反応してしまう。ついさっきまでここで繋がっていたせいで俺の衣服にはいやらしい液が所々についているはずなのだ。
「カレー?」
あ、そうか。そういうことね。確かに、俺たちのナニの香りが良い匂いのはずはない。ホッとしていると優香が怪しい目を俺に向けていた。
「お兄ちゃん、なんか変じゃない?」
「そ、そんなことねぇよ」
「ふーん、ね、カレー食べていい?」
「いいけど」
「やった」
「じゃ、俺たち部屋に戻るから」
「あぁ、うん。じゃ」
名残惜しそうに阿川に視線を送った優香を残して、俺たちは部屋に向かった。
あ、あぶなかった……。
部屋に入るなりガクっと膝を落とす。
「悪いな、驚かせて。まさか優香が帰って来ると思ってなくて」
「いいえ。僕の姿で挨拶が出来て嬉しかったですよ。来年には一緒に暮らしますし、ご家族にも挨拶くらいしておかないと」
「あ、そう?」
「うん」
阿川が俺の体に手を伸ばして俺を引き寄せた。
「友達の阿川くんでもいいから、僕が圭太さんの傍にいることを知っていて欲しいんです」
「阿川……」
こういう時、たまらなくなる。
世間の目とか常識とか、そんなものに囚われて俺はどこか宙ぶらりんにかわしてしまうのに、阿川はいつも真っ直ぐに俺に手を伸ばしてくれる。
「ありがとな、阿川」
「何がですか?」
「……色々と」
言葉が足りなくて、体を伸ばして阿川にキスをした。
「ねぇ、もう少し、いいですか?」
妖しい笑みを従えた阿川が俺のお尻を撫でた。先ほどまで阿川を咥えこんでいたソコは、待っていました、と言わんばかりにピクっと反応する。
「し、下の部屋に優香がいるんだぞ」
「知ってますよ。圭太さんが静かにしていてくれれば大丈夫」
「あ、やだぁ」
「しっ、声抑えて」
ベッドにうつ伏せになった俺に阿川が重なるようにして入ってくる。阿川の重さと密着した体。静かな振動が余すことなく奥に伝わり、ぐいぐいと阿川の股間が俺のお尻を押すたびに俺は布団に顔を埋めた。
こっ、この体勢、布団にチンコと乳首が擦れて、ヤバイ……
「一緒に暮らしたら気兼ねなくできますね。こうして声を堪えている圭太さんも可愛いですけど、たくさん乱れさせたい」
ひっ……
耳元で囁かれる言葉がゾクッと肌を撫でる。
「楽しみですね、ね? 圭太さん」
快楽の波に飲まれてしまいそうな意識を必死に保つ。
俺……一緒に住むことをOKしたの早まったんじゃ……。
阿川の卑猥な言葉の攻撃を受けながら、俺は未来の自分の身を案じた。
おまけ
圭太と阿川
「な、にが、気持ち良すぎて、だよ! 阿川のバカっ」
快楽に浮かされて涙目になっているのが分かるからそっぽを向くと、阿川が俺の頬に手を添えて自分の方を向かせた。
「こういうの夢だったんですよ。好きな人と一つ屋根の下で一緒に料理をして、愛し合ってって。圭太さん、僕の膝に乗ってくれます?」
「なっ、何言ってるんだよ。いま、したばっかじゃねーか」
「二週間ぶりなのにこれで足りるわけないでしょ」
「ね、お願い」とほほ笑まれて、阿川に従ってしまうあたり俺は相当阿川に弱い。ぬちゅと音をさせてゆっくりと阿川の膝に座ると、俺を抱きしめながら阿川がゆるゆると動いた。さっきとは違い、緩やかで優しい快楽に包まれる。
「どうしたら一緒に暮らしてくれるんですか? 何に圭太さんが引っ掛かっているのか教えて」
「……阿川の金でってなると気が引けるっつうか……」
阿川の唇が俺の唇の上でちゅっと音を立てて離れた。
「じゃあ、どうしたら気が引けることなく、来年一緒に暮らせますか?」
「来年は動かねぇのかよ」
「動かせません。二週間会えないとかもう無理」
いつの間にか阿川の腰の動きは止まり、俺たちは繋がったまま話をしていた。
「阿川が一人暮らしをして俺が通うって方法は?」
「僕、家に帰すつもりはありませんけどそれでも良ければ」
こいつ……いい笑顔で言いやがって。
コツコツ貯めた貯金が50万ちょっと……か。俺はうーん、と頭を悩ませた。
「家賃は二人で8万以内な。水道光熱費も食費もなるべく折半する。それでも足りないところは貸して。就職したら返す」
「わかりました」
「全部メモるからな」
「いいですよ」
「あっ、ばか。急に動く……なぁあっ!」
「だって嬉しくて」
阿川にしがみ付いて体を震わせていると、家のインターホンが鳴った。瞬間に青ざめて硬直すると、あれー、いないのー? おにーちゃーん、と声が聞こえてくる。
「やべぇ、阿川、妹帰ってきた」
ぬちゅん、と阿川を引き抜いてテッシュでチンコを拭き、慌てて身だしなみを直しているとガチャっという音と共に優香がリビングに入ってきた。
「なんだ、お兄ちゃん、いるじゃん」
「い、いるじゃんってお前、今日泊まりじゃなかった?」
「友達が体調崩しちゃって、ゆっくり休んで欲しいから帰ってきた。ってあれ? えぇーっ、阿川武!? さんっ」
とってつけたような「さん」だ。ずっとキッチンにいる俺の方を向いて話していた優香は、俺に背を向けたことでようやく阿川の存在に気が付いたらしい。
「お邪魔してます」
「え、あ、はい。どうぞ」
優香はペコっと勢いよく頭を下げた後、高速で俺の隣にやってきた。
「ちょっとお兄ちゃん、なんでうちに阿川さんがいるのよ。何? 知り合いなの?」
「知り合いっつうか、なんつーか」
「圭太さんとは仲良くさせて頂いてます」
「圭太さん!? うぞ……あの阿川さんがお兄ちゃんのことを名前で呼んでる……」
優香は俺と阿川を交互に見ながら、興奮冷めやらぬ様子だ。
「お前の中で俺ってどんな存在なんだよ……ってか、お前、阿川のこと知ってるのな」
「はぁー? バカじゃないの? 今どきの女子高生で阿川さんのこと知らない人なんていないよ。あ、すみません、サイン頂いてもいいですか?」
「サイン……だ、と?」
今度は俺が驚く番だった。阿川がサインを強請られている。まるで芸能人みたいなこの扱い……。驚きを隠さないまま阿川の顔を見ると「最近、女性向け雑誌にもよく出てるんですよ」と言った。
「なんかいい匂いするー」
「えっ、マジ?」
匂いという言葉に敏感に反応してしまう。ついさっきまでここで繋がっていたせいで俺の衣服にはいやらしい液が所々についているはずなのだ。
「カレー?」
あ、そうか。そういうことね。確かに、俺たちのナニの香りが良い匂いのはずはない。ホッとしていると優香が怪しい目を俺に向けていた。
「お兄ちゃん、なんか変じゃない?」
「そ、そんなことねぇよ」
「ふーん、ね、カレー食べていい?」
「いいけど」
「やった」
「じゃ、俺たち部屋に戻るから」
「あぁ、うん。じゃ」
名残惜しそうに阿川に視線を送った優香を残して、俺たちは部屋に向かった。
あ、あぶなかった……。
部屋に入るなりガクっと膝を落とす。
「悪いな、驚かせて。まさか優香が帰って来ると思ってなくて」
「いいえ。僕の姿で挨拶が出来て嬉しかったですよ。来年には一緒に暮らしますし、ご家族にも挨拶くらいしておかないと」
「あ、そう?」
「うん」
阿川が俺の体に手を伸ばして俺を引き寄せた。
「友達の阿川くんでもいいから、僕が圭太さんの傍にいることを知っていて欲しいんです」
「阿川……」
こういう時、たまらなくなる。
世間の目とか常識とか、そんなものに囚われて俺はどこか宙ぶらりんにかわしてしまうのに、阿川はいつも真っ直ぐに俺に手を伸ばしてくれる。
「ありがとな、阿川」
「何がですか?」
「……色々と」
言葉が足りなくて、体を伸ばして阿川にキスをした。
「ねぇ、もう少し、いいですか?」
妖しい笑みを従えた阿川が俺のお尻を撫でた。先ほどまで阿川を咥えこんでいたソコは、待っていました、と言わんばかりにピクっと反応する。
「し、下の部屋に優香がいるんだぞ」
「知ってますよ。圭太さんが静かにしていてくれれば大丈夫」
「あ、やだぁ」
「しっ、声抑えて」
ベッドにうつ伏せになった俺に阿川が重なるようにして入ってくる。阿川の重さと密着した体。静かな振動が余すことなく奥に伝わり、ぐいぐいと阿川の股間が俺のお尻を押すたびに俺は布団に顔を埋めた。
こっ、この体勢、布団にチンコと乳首が擦れて、ヤバイ……
「一緒に暮らしたら気兼ねなくできますね。こうして声を堪えている圭太さんも可愛いですけど、たくさん乱れさせたい」
ひっ……
耳元で囁かれる言葉がゾクッと肌を撫でる。
「楽しみですね、ね? 圭太さん」
快楽の波に飲まれてしまいそうな意識を必死に保つ。
俺……一緒に住むことをOKしたの早まったんじゃ……。
阿川の卑猥な言葉の攻撃を受けながら、俺は未来の自分の身を案じた。
おまけ
圭太と阿川
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いつも丁寧な感想をありがとうございます。
今回の作品は体が入れ替わったり戻ったりを繰り返したらどんな感じなのだろうという妄想から始まった作品でした。気持ちがないまま入れ替わった時の心情と、相手を好きになってから体が入れ替わる時の心情の違いを感じて頂けたなら嬉しいです。
ここまでは勢いのまま書いてきましたが、今後はペースを落として表現方法や書き方も模索していこうと思っています。13話からはその気持ちが出たのかな(笑)
丁寧な感想を有難うございました。