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番外編
頑張りましょう 2
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「貸してください。フライ返しを使って地道に返していけばいいんじゃないですか? 大丈夫ですよ」
俺を元気づけるかのように阿川が俺の肩を叩く。
「阿川、頼もしいっ」
阿川がフライ返しを手に肉の塊?と格闘するが、その手つきは初めて利き腕じゃない方で箸を持った子供のようだ。
あ、危なっかしい……。しかも肉がどんどん崩れていく。
「あれ? おかしいですね……」
ぐちゃぐちゃになったハンバーグはもはやハンバーグではない。
「すみません、もっと酷いことになっちゃいました」
「ぷっ、ぷぷぷぷぷ。阿川、不器用っ」
「不器用って、人のこと言えるんですか? あぁ、これ、どうしよう」
動揺して眉毛をへの字にさせた阿川を見て、俺は盛大に笑った。
「まぁ、待てって。いいこと思いついた」
俺がそう言ってフライパンに水を入れると、えぇーっと阿川が声を上げる。
「大丈夫、大丈夫。確かこの辺に……お、あった!」
俺は手早くその箱を開けると四角い中身をフライパンの中に放り込んだ。途端に漂うスパイシーな香り。
「カレーか!! これなら全部に火が通るし、確かに美味しくなる……」
「だろ?」
食卓に並んだのはカレーと葉っぱをちぎっただけのサラダと水だ。
「悪い、これで精一杯らしい……」
「いえ、サラダもあるし、十分ですよ」
「じゅうぶん……」
ここまでくる過程を思って、んーと目を瞑った。
「いや、やっぱ、まずいだろ。俺たち二人ともこんなんで一緒に暮らしたら毎日カレーなんてことになりかねない」
「た、確かに……」
いただきます、と手を合わせてカレーを口に運ぶ。口の中に入れた瞬間、カレーの香りが口の中で弾けた。それに、この旨味……。顔を上げれば阿川も目を大きくして同じことを思ったらしい。
「「うまい……」」
同時に呟いた。
「さすがは元ハンバーグと言うべきか、お肉の美味しさが全部カレーに出ましたね」
「だよな。肉の旨味がやべぇ。これは思いがけず、大成功じゃん」
二人ともおかわりをして、夢中になってご飯を食べた。
「旨い。旨いけど毎日は無理だな。でも、まぁ、ゆっくりでいいか。一緒に暮らすまでにはもう3年あるし、それまでにはもう少しマシになっておくよ」
ケラケラと笑って「お前もだからな!」と付け足した。
食後のお茶を飲んだ後で食べ終わった食器をシンクへ運ぶと阿川がコップを持ってついてきた。
「洗い物は僕がしますよ」
「いいって。ゆっくり寛いでろよ。洗い物なんてすぐに終わるからさ」
スポンジに食器用洗剤を垂らしてクシュクシュと握ると、小さなシャボン玉が散った。阿川の手がゆっくりと俺の体に回る。
「洗い物、直ぐに終わるって本当ですかね?」
阿川の手が俺の中心を撫でてからジーンズのベルトを外した。自分の家、キッチン。いつか観たAVのシュチュエーションと被る。最も、あの頃の妄想は自分がする側ではあったが。
「ちょ、ちょっと阿川、何やって」
「何って、ゆっくりと寛いでるんですよ」
下着に潜らせた阿川の指がダイレクトにペニスに触れて、「あ」と声を零して前かがみになった。抗議の眼差しを阿川に向けはするものの、俺の体を良く知っている阿川の手にかかれば俺の理性など無に等しい。
「お皿、洗わなくていいんですか?」
「あ……らう」
食器洗いを放棄すればいいのに、なぜかこういう時はその選択肢が見つからない。阿川にいい様に弄られたソコはジーンズの布を押し上げ、先端から零れる雫が下着を汚しているだろうという事は容易に想像がついた。
「う……そ」
「何がですか? 期待してるでしょ」
薄い膜に覆われた指が俺の後ろを探る。何度も阿川を受け入れたソコはもはや単なる排せつの器官ではなく、俺を快楽に落とす器官になった。指が挿入されるたびに変な圧迫感は感じるのに、その先にある快楽を簡単に想像してしまう。
「ほら、洗ってください」
「ん……」
カチャカチャと皿をスポンジで擦りながら、阿川の愛撫に耐える。うなじに阿川の舌を感じてシンクの淵を掴んだ。ベルトを緩める音、ジッパーを下げる音、期待が高まる。
これからナニをドコにどうされるのか。
何度も味わったそれは大きさも感触もリアルに想像でき、たまらずに「あがわぁ」と名前を呼んだ。
「こういうのっていいですよね。ずっとしてみたかった……」
「ひゃ……んんんっ」
ゆっくりと阿川を飲み込みながら、せめて皿を割らない様にと洗い場に置いた。トントンと奥をノックするように腰を動かしながら阿川の唇が俺の耳の淵を咬む。
「ねぇ、圭太さん、さっきの一緒に暮らす話ですけど来年にしませんか?」
「らい……ね、ん?」
「そう、今日会えたのって何日ぶりか分かりますか?」
最奥にペニスを進めたまま円を描くように阿川が腰を動かす。前立腺をグイグイ押されて力が抜けた体を支える為、阿川が体の密着を強くした。阿川に包まれる。
「わ……かん、ねぇ」
「二週間ぶりですよ。もう、全く。圭太さんは意地悪ですよね。僕ばっかりが会いたいみたい」
「そんなことねぇ……よ」
「それなら来年から一緒に暮らしてください。僕、今結構稼いでるんですよ。圭太さんのぶんは出世払いでいいですから」
阿川の指が服の上から胸のピアスに触れて、ビクッと腰が跳ねた。胸をぐりぐりと弄られるたびに射精感が強くなる。
「だめ、だ。あ、がわの、負担に……ああぁ、やだ」
「だめとか、嫌だとか。そんなこと言ってると簡単にはイカせませんよ」
な、なんでそうなるんだよっ!
そう思った瞬間、ペニスをギュッと握られた。この状態で突かれればイケない苦しさと快楽が奥深い快楽を呼び起こすだけだ。初めての頃を一瞬思い出すも今の方が快楽の比が格段に高い。
あがわぁ、と懇願の声を出せば「一緒に暮らしますか?」とイエスしか求めない阿川の声が降ってくる。なんでこいつ、こんなに強引なんだよ。俺の金で暮らすわけでもないのに、簡単に決められるかよ。
狙った一点をグイグイと押すように突かれて、押し殺せない喘ぎ声が漏れる。イエスでもノーでもこんな状態では口を開けば喘ぎ声が大きくなるだけで、意味を持った言葉など言えるはずもないのに。
「ね、一緒に暮らしましょう?」
イキタイのにイケない。
返事をしたいのに、言葉を奪われる。
体を捻って泡だらけの手で阿川にしがみ付いた。イカセテ欲しいと言えるのはもはや目だけだ。ピクピクと何度も体は脈打つのに、阿川は嬉しそうに微笑む。
「僕の方がヤバイな」
ヤバいよ、ヤバいだろ。色んな意味でっ!!
くっ、と熱い息を吐いて阿川のペニスが中で震えると俺のペニスを拘束していた阿川の指が緩んで、今の隙にと言わんばかりに俺も射精した。
俺を元気づけるかのように阿川が俺の肩を叩く。
「阿川、頼もしいっ」
阿川がフライ返しを手に肉の塊?と格闘するが、その手つきは初めて利き腕じゃない方で箸を持った子供のようだ。
あ、危なっかしい……。しかも肉がどんどん崩れていく。
「あれ? おかしいですね……」
ぐちゃぐちゃになったハンバーグはもはやハンバーグではない。
「すみません、もっと酷いことになっちゃいました」
「ぷっ、ぷぷぷぷぷ。阿川、不器用っ」
「不器用って、人のこと言えるんですか? あぁ、これ、どうしよう」
動揺して眉毛をへの字にさせた阿川を見て、俺は盛大に笑った。
「まぁ、待てって。いいこと思いついた」
俺がそう言ってフライパンに水を入れると、えぇーっと阿川が声を上げる。
「大丈夫、大丈夫。確かこの辺に……お、あった!」
俺は手早くその箱を開けると四角い中身をフライパンの中に放り込んだ。途端に漂うスパイシーな香り。
「カレーか!! これなら全部に火が通るし、確かに美味しくなる……」
「だろ?」
食卓に並んだのはカレーと葉っぱをちぎっただけのサラダと水だ。
「悪い、これで精一杯らしい……」
「いえ、サラダもあるし、十分ですよ」
「じゅうぶん……」
ここまでくる過程を思って、んーと目を瞑った。
「いや、やっぱ、まずいだろ。俺たち二人ともこんなんで一緒に暮らしたら毎日カレーなんてことになりかねない」
「た、確かに……」
いただきます、と手を合わせてカレーを口に運ぶ。口の中に入れた瞬間、カレーの香りが口の中で弾けた。それに、この旨味……。顔を上げれば阿川も目を大きくして同じことを思ったらしい。
「「うまい……」」
同時に呟いた。
「さすがは元ハンバーグと言うべきか、お肉の美味しさが全部カレーに出ましたね」
「だよな。肉の旨味がやべぇ。これは思いがけず、大成功じゃん」
二人ともおかわりをして、夢中になってご飯を食べた。
「旨い。旨いけど毎日は無理だな。でも、まぁ、ゆっくりでいいか。一緒に暮らすまでにはもう3年あるし、それまでにはもう少しマシになっておくよ」
ケラケラと笑って「お前もだからな!」と付け足した。
食後のお茶を飲んだ後で食べ終わった食器をシンクへ運ぶと阿川がコップを持ってついてきた。
「洗い物は僕がしますよ」
「いいって。ゆっくり寛いでろよ。洗い物なんてすぐに終わるからさ」
スポンジに食器用洗剤を垂らしてクシュクシュと握ると、小さなシャボン玉が散った。阿川の手がゆっくりと俺の体に回る。
「洗い物、直ぐに終わるって本当ですかね?」
阿川の手が俺の中心を撫でてからジーンズのベルトを外した。自分の家、キッチン。いつか観たAVのシュチュエーションと被る。最も、あの頃の妄想は自分がする側ではあったが。
「ちょ、ちょっと阿川、何やって」
「何って、ゆっくりと寛いでるんですよ」
下着に潜らせた阿川の指がダイレクトにペニスに触れて、「あ」と声を零して前かがみになった。抗議の眼差しを阿川に向けはするものの、俺の体を良く知っている阿川の手にかかれば俺の理性など無に等しい。
「お皿、洗わなくていいんですか?」
「あ……らう」
食器洗いを放棄すればいいのに、なぜかこういう時はその選択肢が見つからない。阿川にいい様に弄られたソコはジーンズの布を押し上げ、先端から零れる雫が下着を汚しているだろうという事は容易に想像がついた。
「う……そ」
「何がですか? 期待してるでしょ」
薄い膜に覆われた指が俺の後ろを探る。何度も阿川を受け入れたソコはもはや単なる排せつの器官ではなく、俺を快楽に落とす器官になった。指が挿入されるたびに変な圧迫感は感じるのに、その先にある快楽を簡単に想像してしまう。
「ほら、洗ってください」
「ん……」
カチャカチャと皿をスポンジで擦りながら、阿川の愛撫に耐える。うなじに阿川の舌を感じてシンクの淵を掴んだ。ベルトを緩める音、ジッパーを下げる音、期待が高まる。
これからナニをドコにどうされるのか。
何度も味わったそれは大きさも感触もリアルに想像でき、たまらずに「あがわぁ」と名前を呼んだ。
「こういうのっていいですよね。ずっとしてみたかった……」
「ひゃ……んんんっ」
ゆっくりと阿川を飲み込みながら、せめて皿を割らない様にと洗い場に置いた。トントンと奥をノックするように腰を動かしながら阿川の唇が俺の耳の淵を咬む。
「ねぇ、圭太さん、さっきの一緒に暮らす話ですけど来年にしませんか?」
「らい……ね、ん?」
「そう、今日会えたのって何日ぶりか分かりますか?」
最奥にペニスを進めたまま円を描くように阿川が腰を動かす。前立腺をグイグイ押されて力が抜けた体を支える為、阿川が体の密着を強くした。阿川に包まれる。
「わ……かん、ねぇ」
「二週間ぶりですよ。もう、全く。圭太さんは意地悪ですよね。僕ばっかりが会いたいみたい」
「そんなことねぇ……よ」
「それなら来年から一緒に暮らしてください。僕、今結構稼いでるんですよ。圭太さんのぶんは出世払いでいいですから」
阿川の指が服の上から胸のピアスに触れて、ビクッと腰が跳ねた。胸をぐりぐりと弄られるたびに射精感が強くなる。
「だめ、だ。あ、がわの、負担に……ああぁ、やだ」
「だめとか、嫌だとか。そんなこと言ってると簡単にはイカせませんよ」
な、なんでそうなるんだよっ!
そう思った瞬間、ペニスをギュッと握られた。この状態で突かれればイケない苦しさと快楽が奥深い快楽を呼び起こすだけだ。初めての頃を一瞬思い出すも今の方が快楽の比が格段に高い。
あがわぁ、と懇願の声を出せば「一緒に暮らしますか?」とイエスしか求めない阿川の声が降ってくる。なんでこいつ、こんなに強引なんだよ。俺の金で暮らすわけでもないのに、簡単に決められるかよ。
狙った一点をグイグイと押すように突かれて、押し殺せない喘ぎ声が漏れる。イエスでもノーでもこんな状態では口を開けば喘ぎ声が大きくなるだけで、意味を持った言葉など言えるはずもないのに。
「ね、一緒に暮らしましょう?」
イキタイのにイケない。
返事をしたいのに、言葉を奪われる。
体を捻って泡だらけの手で阿川にしがみ付いた。イカセテ欲しいと言えるのはもはや目だけだ。ピクピクと何度も体は脈打つのに、阿川は嬉しそうに微笑む。
「僕の方がヤバイな」
ヤバいよ、ヤバいだろ。色んな意味でっ!!
くっ、と熱い息を吐いて阿川のペニスが中で震えると俺のペニスを拘束していた阿川の指が緩んで、今の隙にと言わんばかりに俺も射精した。
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