イケメンと体が入れ替わってラッキーと思ったらそのイケメンがゲイだった

SAI

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番外編

誕生日 3

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「ん…………ふぅ……」

僕の肩に手をかけて目を閉じたまま圭太さんが僕のペニスを飲み込む。キツイくらいに僕を締め付けながらすべてを飲み込むと、圭太さんは、はぁ、と熱い息を吐いた。まだ馴染み足りないソコを早急に動かし始める。

ヌチュ、ぬちゅ
密着する体、圭太さんのシャンプーの香り。

「き……もち、いい、か?」
「気持ちいいですよ」

腰だけをクネクネと動かすから僕の唇のあたりでピアスがキラキラと光った。僕の印……。舌の先端でピアスを弄ぶと、その存在に初めて気が付いたかのように圭太さんが声を上げる。

「あ……ん、はっ……あ……」

ニップルピアスをしてからというもの圭太さんの乳首は感度が増したらしい。撫でるたびに敏感に体をくねらせて、キモチいいと伝えてくる。

「俺……だけ、だろ?」

キュウキュウと締め付けられながら上下にピストンされ、悩ましい痴態を目前で魅せられれば否応にも高まる。

「くす、圭太さんの中に出してもいいですか?」
「いいっ……いいからぁ、俺だけって……言えよ」

尻窄みになる言葉。下を向いて僕の体にぎゅっと圭太さんがしがみ付いた。

ちょっと意地悪し過ぎたかな……。

圭太さんが欲しいと思っている言葉を言わなかったせいで、声に涙色が滲んでいく。

でも、僕にぴったりとしがみ付いちゃって、可愛いんだよな……。

「あがわぁ」
「くす、くすくすくす、なんでこんなにこんなに可愛いんですか? 圭太さんだけに決まっているでしょ」

押し倒して欲望のまま貫くと足を僕の腰に回したまま圭太さんが卑猥な声で鳴く。その声をもっと聴いていたくて前立腺を押し続けると、ガクガクと足が痙攣し始めた。

「好きですよ、圭太さん」
「ひゃっあっ……あああああんっ」





 ベッドの上、圭太さんは僕に背中を向けたまま布団にとっぷりと埋まっている。

「そんなに恥ずかしがらなくてもいいじゃないですか」

「うるせぇ」
「可愛かったですよ。ヤキモチ」
「うっ、うるせーっ」

好きだという僕の言葉と、イッタ後の賢者タイムとが重なってすっかり落ち着きを取り戻した圭太さんは、今や理性に物凄く従順だ。俺、何てことを……という呟きも聞えるくらい。

「阿川、なんで嘘ついたんだよ。今日、仕事休みだったんだろ?」

「圭太さんのゼミの邪魔したくなかったんですよ。院に進むために頑張っているのは知ってますから、重荷になりたくなくて」

「重荷って何だよ。俺、院に進むことも大事だけど、阿川のことも大事だよ」
圭太さんが僕の方を向いた。

「……誕生日おめでとう、阿川」
「ありがとうございます」

圭太さんは布団から手を伸ばすと、紙袋を引っ掴んで僕に渡した。

「これ、プレゼント」
「開けてもいいですか?」
「あぁ」

箱の中から出てきたのは黒にブルーのラインが幾何学的にデザインされたカッコいいスニーカーだ。

「これってプロジェクトのスニーカーじゃないですかっ。よく買えましたね」

「人気のあるスニーカーって抽選だって聞いてさ。俺、くじ運はいいんだよ。それ履いて、今度出掛けようぜ」

「デートですか?」
「ん、最近、ずっと出掛けてなかったから」

「嬉しいです。このスニーカー、履かないで取って置いたらプレミアがついて価格は3倍くらいにはなると思いますけど、大事に履きますね」

「なっ、なにぃ?」

あっ、阿川ぁ、と圭太さんがすがるような目をしたが、ふふっと微笑むとグッと声を上げて諦めたようだ。


「それにしても、どうして僕が心変わりしたなんて誤解したんですか?」

「……これ、咲也さんから送られてきた」

圭太さんが見せてくれた携帯の画面には、猿渡さんと僕が楽し気に話している写真が表示されていた。そしてスクロールされた先には。

【今日誕生日らしいねー。仲良さそうでしょ。誕生日はやっぱり好きな人と過ごしたいと思わない?】
の文字。

「咲也さんに完全に嵌められましたね……」

僕が咲也さんのパーティーに来た経緯を話すと、あぁ、と圭太さんが頭を抱えた。

「あいつの手のひらで踊らされてたわけかよ……」

それから「あ!!」と声を上げると突然勢いよく顔をあげて、むしろ布団から飛び出して上半身を乗り出した。

「阿川ごめん。俺、みんなの前でカードキー受け取ってここに連れて来ちゃって……お前が男と付き合ってるってバレたらどうしよう。お前の仕事とか、事務所とか……あぁっ、俺、何でもするっ、なんとかして誤解だって」

「誤解なの? 圭太さんは僕との関係を誤解にしちゃっていいの?」
「だってお前の仕事がっ」

「僕はいいんですよ。社長にもマネージャーにも男の恋人がいることは話してあるし、隠したくもないって言ってるから」

「阿川……、なんか俺……情けないな」

「どうして? 嬉しかったですよ。だってこのリングもあの行動も、僕が圭太さんのモノだって言ってくれたんでしょう?」

圭太さんはポリポリと頭を掻いて、僕にキスをした。

「阿川の誕生日なのに、俺がプレゼント貰ったみてぇ」

「くすくすくす、じゃあ、もう一つプレゼントをもらってもいいですか?」


僕はそう言うと、もう一度圭太さんをベッドに押し倒した。



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