イケメンと体が入れ替わってラッキーと思ったらそのイケメンがゲイだった

SAI

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4. 勝負

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「次の、しょ、勝負って……」
「くす、気持ち良くて忘れた?」

そんなんじゃねぇっと叫びたかったが、内容を教えて貰わないことにはどうにもならない。

「も、ヤバイんだよ。わかる、だろ?」

精一杯の愛嬌でほほ笑むと男は甘い笑みを浮かべた。

「なぁ、そんな勝負忘れて、このまま俺に抱かれちまえよ」
「はは、じょう、だん」
「強情。でもそれもそそる」

男が50円硬貨を出した。

「これをテーブルにどっちが早く立てられるかだ。因みに立った状態で5秒保てなきゃ失敗とみなす」

「それ、俺が、不利じゃ、ん。ナカに……」

言葉にするのが恥ずかしくなって口を閉じる。

「ナカに何があるって?」
「な、んでも、ない」

「ちなみに、これで負けた方は勝った方のいう事を聞くだからな。ナカのを取り出すでもいいぜ」

やってやる、絶対に勝って俺の体を守るんだ。


 テーブルには50円硬貨が2枚。1枚はまだ立っており1枚は倒れている。やった!勝った!俺の執念のお陰で硬貨は5秒間ちゃんと持ちこたえ勝利を手にした。

「あーぁ、残念。いけると思ったんだけどな。で、望みは?」

「これ、この、ナカの、取って」
「くす、約束だからな。いいぜ」


 トイレの個室に入って壁を向いた。男の手が下着を下げるとブブブブブというローターの音が一段大きくなる。

「じゃあ入れるぜ」

準備が良いと言うべきか、男はローションを指に垂らすと俺のアナルに指を入れた。

「んんっ……ふ……あぁ」

アナルが指を飲み込んでいくのが分かる。内壁を押し広げながら振動しているローターに触れるとグイッと押した。

「ひゃあっ」
「あぁ、悪い。押し込んじまった。でも、そんなに気持ちよさそうな声出すなよ」

ブブブブブブブという音は一向に止まる気配がない。ここにきてようやく、ローターを止めてくれればいいのにと思った。

「ロー……ター、と、めて」
「ヤダね。お願いを聞くのは一つだけだ」
「う……そ……あぁんっ」

「声、丸聞こえだぜ」

俺は慌てて自分の口を塞いだ。ずっと内部にあるローターはもはや異物感は無で快楽ばかりを伝えるようになっていた。

「かわいいやつ」

顔を横に向けられ唇が重なる。男の舌が俺の口内を弄り、知らない男のキスなど気持ち悪いはずなのに男のテクニックがそれを上回る。2本目の指がアナルに挿入される頃には俺は快楽に溺れ始めていた。

やべぇ、気持ちいい。もっと太いものでかき回して欲しい。ローターなんかじゃなくてもっと決定的なモノ……。

「あ……あ」
「随分、欲しそうだな。そんなに何が欲しい?」

聞かれたところで言えるはずはない。俺はゲイじゃない。男のモノなんか欲しくない。イヤイヤと首を振ると、男が笑ってまたキスをする。

「素直じゃねぇなぁ」

カチャカチャとベルトを外す音が聞こえ、ジッパーを下げる音が聞こえた時、俺はその音だけで体を震わせた。

「挿れるぞ。これでも噛んでな」

男が自分の服の袖を俺の口に当て、反射的にそれを噛んだ。

「んっんぐっ」

入ってくる。圧倒的な存在感がアナルを押し広げながらナカに入ってくる。まるでここが目印だというように奥にはローターが震えて待ち構えていた。

「すげえ、気持ちいい。うねって吸い付いて……俺もやべぇな」

男は慣れた手つきで俺のペニスにゴムをはめると容赦なく腰を打ち付けた。俺の片足を持ち上げ挿入しやすいように角度を変え俺を追い立てる。

口を塞がれ声が漏らせない分、快楽の逃げ道がなく体が震える。

「あ、ああ、ああああ」

耳に入ってくるのは俺のくぐもった声だ。

「すげぇいい。ん……あぁ」

男が恍惚の声を出しながら俺のうなじに吸い付いた。

「もう、もたねぇ。イクぞ」

男の激しい腰つきに体が揺れる。もう完全にバレバレなのではないかと思う程、パンパンと肉のぶつかる音がしてチカチカと白い光が舞った。

いっ……イクぅっ。

イッた衝撃で内部がぎゅうっと締まると男のペニスが膨らんで俺の中で弾けた。それなのに、まだローターは敏感になった内部を刺激し続けている。


「も、やだぁ……おねがい、おねが、い」

袖を口から離して懇願する。男はペニスを引き抜くとその勢いのままナカに指を突っ込んだ。

「ああんっ」

ヌチュっと音を立ててローターが引き抜かれると俺は足の力が抜け、男に抱きかかえられた。

「気持ち良かったぜ。なぁ、このまま俺と付き合おうよ」

俺は男の体を引きはがすと身なりを整えて逃げるように店を出た。くそ、またアナルがジンジンする。それが痛みによるものというよりも快楽の痕のような感覚で、俺はそれを無かったことにした。


 自分の体の時は自分の家に帰る。変な体勢で散々喘いだせいか疲労感が凄い。阿川への悪態をつきながら自宅へ向かうと家までもう少しの距離のところに阿川が立っていた。

「携帯鳴らしても出なかったんで」
「阿川、てめぇっ」

「そ、そんなに怒らないでくださいよ。ちょっとローター入れることになっただけでしょ」

「何がちょっとだよ」
「もしかして、またヤられちゃいました?」

阿川の指摘に何も言えなくなって、ぐっと声が出た。男が好きなわけでもないのにこんな短期間で二回も男にヤられるなんて、正直へこむ。好きなように弄ばれて、あんあん鳴かされて、俺の気持ちなんかお構いなしだ。そう考えると落ち込みだして、声も萎む。

「なんであんなことになってんだよ……」

「上から目線で誘ってきたんですよね。イケメンだし返り討ちにしてやろうと勝負を挑んだんだんですけど、負けちゃいました。すみません」

「すみません、じゃねぇよ。俺はお前と違って女が好きなんだよ。今日だってさやかちゃんとデートだったのに」

さやかちゃんは同じサークルの女の子でふんわりとした笑顔のおっとり系美少女だ。

「分かりました。分かりましたよ。明日は家で大人しくしてますし、僕の体使っていいですからそんなに落ち込まないでください」

泣きそうに下を向いていると俺より7センチ身長の高い阿川が俺の頭を撫でた。阿川の香水の匂いが鼻先を掠めて、相手が阿川なのにちょっと寄りかかってしまいたいようなそんな気持ちになった。

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