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第4章 取り戻した平穏
第40話 正義の白騎士
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「おや、ヒーロー気取りの騎士様の登場ですか? あいにくわたくしは男に興味無いのよ。さっさとここから出ていって下さる?」
「あぁ、言われなくとも貴様を倒してからな」
仮面をつけた正体不明の男は貴婦人に向けて剣を向ける。
「……そうですか。ならわたくしの真の姿を見せてやりましょう!」
貴婦人はその場でドレスを脱ぎ捨て、黒いローブを着た魔女の姿に変わった。
もはや貴婦人としての気品は無くなり、今の彼女は凶悪な本性を剥き出しにした魔女だ。
「あー、なんかムカついたわ。何でわたくしの城に男が入ってくるんですかね。男は黙って黒焦げになりなさい!」
魔女が両手を前方に向けて呪文を唱えると、辺り一面に地面から火柱が噴き出した。
男の足元からも火柱が現れたが、男はそれを瞬時に見抜いて回避する。
「炎が出た!? まさか本物の魔法じゃないよね!?」
エーリッヒは目の前の光景が信じられなかった。まさか魔法がこの世に存在するなんて考えられなかったからだ。
そんな中、男は軽々と火柱を掻い潜り、素早く魔女に接近していく。
そして男は魔女に近づくと、剣を振りかざして魔女を斬りつけた。
「きゃああああ!」
魔女はその場に倒れ込み、それと同時に辺りを覆っていた火柱もすぐに消えた。
男は魔女を倒したのを確認すると、ゆっくりエーリッヒに近づいていく。
「お嬢さん、怪我は無いかい?」
「は、はい。助けてくれてありがとうございます!」
「私も君が無事で良かったよ。さぁ、一緒に元の場所へ帰ろう」
男がエーリッヒをお姫様抱っこをすると、どこからかハッピーエンドを思わせるファンファーレが流れてきた。
エーリッヒが上って来た階段とは別の裏口から、ハンニバル、ナイト、ポー、そしてお茶会に参加していた女性達が姿を現した。もちろん、魔女に魔法を掛けられ倒れていた達も。
「よぉやったな! お疲れさん! いや~、なかなかおもろいビデオが撮れたで~! この映像、テレビ局に見せたら売れそうやな~」
ポーは目当てのビデオを撮影出来てご満悦だ。
「エーリッヒ、よく頑張ったな! お前がビビりながら逃げてる姿は見ていてハラハラしたぜ」
「あれは怖かったよね。オレはアトラクションの主役になったエーリッヒが羨ましいと思ったけど、今思えばあれは怖すぎて無理だよ。女の子に間違われるのも大変なんだな」
「ハンニバルさん、ナイト君。僕、本当に怖かったんだよ……」
エーリッヒはハンニバルとナイトの姿を見て安心しきった表情を見せる。
地面に倒れていた魔女は、彼らの会話を聞いた途端、驚いて起き上がった。
「ちょっと! あなた男の子だったの!? あまりにも可愛らしい姿だから気づかなかったわ」
「うん。よく女の子に間違われるけど、もう慣れたよ」
剣で斬りつけられたはずの魔女には傷一つ付いていない。それもそのはず、男が持っていた剣はプラスチック製のオモチャの剣だったからだ。
つまり、魔女はやられ役を演じていたということになる。
そしてエーリッヒはその場にあと1人足りないことに気づく。
「そういえば、マティアスさんはどこにいるの?」
エーリッヒが疑問をぶつけると、エーリッヒを抱えている男が片手で仮面を外し、素顔を明らかにする。
なんと、エーリッヒを助けた仮面の男の正体はマティアスだったのだ。
「私はここにいるぞ。エーリッヒ、私達のために頑張ってくれてありがとう」
「えぇ!? マティアスさんが僕を助けてくれたの!? いつものマティアスさんも強くてカッコいいけど、その姿も上品で似合ってるね」
「そ……そうか? それはありがとな」
マティアスはエーリッヒに褒められて照れながら返事をした。
「そこの金髪の兄ちゃんには姫を助ける騎士の役を任せたんやで。ガキに騎士の役は務まらんし、かといってそこのゴリラ男は見た目からして場違い過ぎて論外やからな。せやけど金髪の兄ちゃんなら騎士の役も似合いそうやったし、何より本人が銀髪の子にカッコええところを見せたいって言うてたからな」
「ポー! その話は口出ししないでくれ!」
「おい、誰が場違いだ! このハゲ野郎!」
「オレだって騎士になりたかったのに~。大人になったら立派な騎士になってやるんだ!」
役柄の裏事情をポーに暴露されたマティアスは慌てていた。
一方、騎士役をやらせてもらえなかったハンニバルとナイトは少し不満げだ。
その後、今回のアトラクションのスタッフ達からは、様々な仕掛けやトリックのネタばらしをしてもらった。
魔女に魔法を掛けられて倒れた女性は演技だったこと。お菓子の部屋に置いてある食べ物には睡眠薬が入っており、それを口にしたら即脱落だったこと。
そして、屋上にはリモコン操作で火柱を発生させる装置が地面に埋められており、それを炎の魔法のように見せていたことを知らされた。
なお、魔女の異様な走行スピードは素によるものだったらしい。
エーリッヒがお姫様となった脱出ゲームの映像は後々ビデオ化し、商品として販売されるとのことだ。それにより、ワニへの暴行の損害賠償を免れることが出来た。
マティアスとハンニバルは後日ティーカップの乗り物の修理費を支払うことを約束し、ポーと和解した。
エーリッヒの脱出ゲームが終わったところで、気がつくと空は日が暮れて夜が近づいていた。
遊び疲れた4人はお土産コーナーで大量のお土産を購入した後、車でマッキーワールドを後にする。
子供も大人も楽しめる、ちょっと癖の強い夢のテーマパーク・マッキーワールドでの出来事はこうして幕を閉じた。
4人は軍事基地に到着すると、エーリッヒとナイトの両親がいる場所、アーサー大尉の部屋へ向かった。
部屋の中は軍事基地の中とは思えないほど豪華で広々としており、部屋の至る所に騎士の甲冑が飾ってある。
4人は帰宅の挨拶をすると、マッキー&マニースタジオで撮影した写真と、大量のお土産をテーブルの上に並べた。
写真、お菓子、オモチャ、そして"ホップとビール"特製ビールが山積みにされている。
初めにエーリッヒとナイトが目当てのお菓子とオモチャを選び、その後に大人達がビールを分け合った。
全員で喜びながらお土産を分け終えると、エーリッヒの母親が息子の疲れ果てた表情に気づき、心配そうに声を掛ける。
「エーリッヒ、大丈夫? 何か大変なことでもあったの?」
「ううん。いっぱい遊んで疲れているだけだよ。今日は皆のおかげで凄く楽しめたんだ!」
エーリッヒは母親に心配かけまいと笑顔で振る舞う。
エーリッヒにとって過酷な一日ではあったが、今日の冒険を通して自分が成長したと彼は実感していた。
「父さん、マッキーワールドって凄い遊園地なんだよ! "ホップとビール"が大人にビール配ったり、たまに着ぐるみを脱いで素顔を見せたりするんだよ。それでね、"ホップとビール"もポーも中の人は元無法者のチンピラだったんだよ!」
「ハッハッハッ! 着ぐるみの中身が元無法者だなんて、それはそれで面白そうだなぁ! 今度は家族でマッキーワールドに行こうな」
ナイトがマッキーワールドの面白さを語ると、父親のアーサー大尉は笑いながら返事をする。
エーリッヒとナイトの両親は、子供達をマッキーワールドに連れて行ってくれたマティアスとハンニバルにお礼を言い、2人も笑顔で返事を返した。
そして少し雑談を交わした後、シュタイナー一家が帰宅の準備を済ませた。
「今日はエーリッヒがとてもお世話になったよ。マティアス君、ハンニバル君、ナイト君、ありがとう」
「いえ、こちらこそわざわざ軍事基地に会いに来てくれてありがとうございます。またいつでもいらして下さい」
「みんな、また遊ぼうね!」
マティアスが丁寧に返事をすると、エーリッヒも別れの挨拶をし、マティアス、ハンニバル、ナイトとそれぞれ握手を交わした後に部屋を後にした。
「さて、君達がこんなに大量のビールを持ってきてくれたことだし、今日は皆で食事でもしようか」
シュタイナー一家が部屋を去った後、アーサー大尉はマティアスとハンニバルを食事に誘った。彼の妻と息子のナイトも歓迎している様子だ。
「そうだな。今日は遠慮なくご馳走させてもらうよ」
「マティアス、アーサー、今夜はたっぷり飲もうぜ!」
今夜はアーサー大尉の部屋で、彼の家族達と楽しい時間を過ごした2人であった。
「あぁ、言われなくとも貴様を倒してからな」
仮面をつけた正体不明の男は貴婦人に向けて剣を向ける。
「……そうですか。ならわたくしの真の姿を見せてやりましょう!」
貴婦人はその場でドレスを脱ぎ捨て、黒いローブを着た魔女の姿に変わった。
もはや貴婦人としての気品は無くなり、今の彼女は凶悪な本性を剥き出しにした魔女だ。
「あー、なんかムカついたわ。何でわたくしの城に男が入ってくるんですかね。男は黙って黒焦げになりなさい!」
魔女が両手を前方に向けて呪文を唱えると、辺り一面に地面から火柱が噴き出した。
男の足元からも火柱が現れたが、男はそれを瞬時に見抜いて回避する。
「炎が出た!? まさか本物の魔法じゃないよね!?」
エーリッヒは目の前の光景が信じられなかった。まさか魔法がこの世に存在するなんて考えられなかったからだ。
そんな中、男は軽々と火柱を掻い潜り、素早く魔女に接近していく。
そして男は魔女に近づくと、剣を振りかざして魔女を斬りつけた。
「きゃああああ!」
魔女はその場に倒れ込み、それと同時に辺りを覆っていた火柱もすぐに消えた。
男は魔女を倒したのを確認すると、ゆっくりエーリッヒに近づいていく。
「お嬢さん、怪我は無いかい?」
「は、はい。助けてくれてありがとうございます!」
「私も君が無事で良かったよ。さぁ、一緒に元の場所へ帰ろう」
男がエーリッヒをお姫様抱っこをすると、どこからかハッピーエンドを思わせるファンファーレが流れてきた。
エーリッヒが上って来た階段とは別の裏口から、ハンニバル、ナイト、ポー、そしてお茶会に参加していた女性達が姿を現した。もちろん、魔女に魔法を掛けられ倒れていた達も。
「よぉやったな! お疲れさん! いや~、なかなかおもろいビデオが撮れたで~! この映像、テレビ局に見せたら売れそうやな~」
ポーは目当てのビデオを撮影出来てご満悦だ。
「エーリッヒ、よく頑張ったな! お前がビビりながら逃げてる姿は見ていてハラハラしたぜ」
「あれは怖かったよね。オレはアトラクションの主役になったエーリッヒが羨ましいと思ったけど、今思えばあれは怖すぎて無理だよ。女の子に間違われるのも大変なんだな」
「ハンニバルさん、ナイト君。僕、本当に怖かったんだよ……」
エーリッヒはハンニバルとナイトの姿を見て安心しきった表情を見せる。
地面に倒れていた魔女は、彼らの会話を聞いた途端、驚いて起き上がった。
「ちょっと! あなた男の子だったの!? あまりにも可愛らしい姿だから気づかなかったわ」
「うん。よく女の子に間違われるけど、もう慣れたよ」
剣で斬りつけられたはずの魔女には傷一つ付いていない。それもそのはず、男が持っていた剣はプラスチック製のオモチャの剣だったからだ。
つまり、魔女はやられ役を演じていたということになる。
そしてエーリッヒはその場にあと1人足りないことに気づく。
「そういえば、マティアスさんはどこにいるの?」
エーリッヒが疑問をぶつけると、エーリッヒを抱えている男が片手で仮面を外し、素顔を明らかにする。
なんと、エーリッヒを助けた仮面の男の正体はマティアスだったのだ。
「私はここにいるぞ。エーリッヒ、私達のために頑張ってくれてありがとう」
「えぇ!? マティアスさんが僕を助けてくれたの!? いつものマティアスさんも強くてカッコいいけど、その姿も上品で似合ってるね」
「そ……そうか? それはありがとな」
マティアスはエーリッヒに褒められて照れながら返事をした。
「そこの金髪の兄ちゃんには姫を助ける騎士の役を任せたんやで。ガキに騎士の役は務まらんし、かといってそこのゴリラ男は見た目からして場違い過ぎて論外やからな。せやけど金髪の兄ちゃんなら騎士の役も似合いそうやったし、何より本人が銀髪の子にカッコええところを見せたいって言うてたからな」
「ポー! その話は口出ししないでくれ!」
「おい、誰が場違いだ! このハゲ野郎!」
「オレだって騎士になりたかったのに~。大人になったら立派な騎士になってやるんだ!」
役柄の裏事情をポーに暴露されたマティアスは慌てていた。
一方、騎士役をやらせてもらえなかったハンニバルとナイトは少し不満げだ。
その後、今回のアトラクションのスタッフ達からは、様々な仕掛けやトリックのネタばらしをしてもらった。
魔女に魔法を掛けられて倒れた女性は演技だったこと。お菓子の部屋に置いてある食べ物には睡眠薬が入っており、それを口にしたら即脱落だったこと。
そして、屋上にはリモコン操作で火柱を発生させる装置が地面に埋められており、それを炎の魔法のように見せていたことを知らされた。
なお、魔女の異様な走行スピードは素によるものだったらしい。
エーリッヒがお姫様となった脱出ゲームの映像は後々ビデオ化し、商品として販売されるとのことだ。それにより、ワニへの暴行の損害賠償を免れることが出来た。
マティアスとハンニバルは後日ティーカップの乗り物の修理費を支払うことを約束し、ポーと和解した。
エーリッヒの脱出ゲームが終わったところで、気がつくと空は日が暮れて夜が近づいていた。
遊び疲れた4人はお土産コーナーで大量のお土産を購入した後、車でマッキーワールドを後にする。
子供も大人も楽しめる、ちょっと癖の強い夢のテーマパーク・マッキーワールドでの出来事はこうして幕を閉じた。
4人は軍事基地に到着すると、エーリッヒとナイトの両親がいる場所、アーサー大尉の部屋へ向かった。
部屋の中は軍事基地の中とは思えないほど豪華で広々としており、部屋の至る所に騎士の甲冑が飾ってある。
4人は帰宅の挨拶をすると、マッキー&マニースタジオで撮影した写真と、大量のお土産をテーブルの上に並べた。
写真、お菓子、オモチャ、そして"ホップとビール"特製ビールが山積みにされている。
初めにエーリッヒとナイトが目当てのお菓子とオモチャを選び、その後に大人達がビールを分け合った。
全員で喜びながらお土産を分け終えると、エーリッヒの母親が息子の疲れ果てた表情に気づき、心配そうに声を掛ける。
「エーリッヒ、大丈夫? 何か大変なことでもあったの?」
「ううん。いっぱい遊んで疲れているだけだよ。今日は皆のおかげで凄く楽しめたんだ!」
エーリッヒは母親に心配かけまいと笑顔で振る舞う。
エーリッヒにとって過酷な一日ではあったが、今日の冒険を通して自分が成長したと彼は実感していた。
「父さん、マッキーワールドって凄い遊園地なんだよ! "ホップとビール"が大人にビール配ったり、たまに着ぐるみを脱いで素顔を見せたりするんだよ。それでね、"ホップとビール"もポーも中の人は元無法者のチンピラだったんだよ!」
「ハッハッハッ! 着ぐるみの中身が元無法者だなんて、それはそれで面白そうだなぁ! 今度は家族でマッキーワールドに行こうな」
ナイトがマッキーワールドの面白さを語ると、父親のアーサー大尉は笑いながら返事をする。
エーリッヒとナイトの両親は、子供達をマッキーワールドに連れて行ってくれたマティアスとハンニバルにお礼を言い、2人も笑顔で返事を返した。
そして少し雑談を交わした後、シュタイナー一家が帰宅の準備を済ませた。
「今日はエーリッヒがとてもお世話になったよ。マティアス君、ハンニバル君、ナイト君、ありがとう」
「いえ、こちらこそわざわざ軍事基地に会いに来てくれてありがとうございます。またいつでもいらして下さい」
「みんな、また遊ぼうね!」
マティアスが丁寧に返事をすると、エーリッヒも別れの挨拶をし、マティアス、ハンニバル、ナイトとそれぞれ握手を交わした後に部屋を後にした。
「さて、君達がこんなに大量のビールを持ってきてくれたことだし、今日は皆で食事でもしようか」
シュタイナー一家が部屋を去った後、アーサー大尉はマティアスとハンニバルを食事に誘った。彼の妻と息子のナイトも歓迎している様子だ。
「そうだな。今日は遠慮なくご馳走させてもらうよ」
「マティアス、アーサー、今夜はたっぷり飲もうぜ!」
今夜はアーサー大尉の部屋で、彼の家族達と楽しい時間を過ごした2人であった。
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