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月曜日、いつもと変わらず仕事に行った。
なぜか皆の視線が冷たく痛い。
「荷物はそこに纏めて置きましたので、勝手に持っていって下さい。あっ、帰る時に、また来られては嫌だという事なので、経理の方に行って先週までの給料を精算するので貰って帰って下さいとの事です」
「何を言っている?なぜ俺の机が片付けられているのだ!?」
「お前が商会を辞めたからだ」
「義父上!どういう事です?俺は辞めていませんよ!!」
「まったく何を言っているのだ?お前は書類をしっかり読まなかったのか?リリアナと離縁した時に、書類にサインしただろう?その中に、離縁したら、商会を辞めて貰うと書いてあった筈だ。分かったら、給料を貰ってさっさと帰れ!!」
強面の顔が怒っている事により、さらに凄味があり何も言い返す事が出来なくなった。
給料を受け取りマリアの待つ家へと帰る。
「どうしたの?何か忘れ物?」
「商会をクビにされた…」
「えっ!?何で貴方の商会なのに?」
「俺のじゃない。義父とリリアナの商会だ。それより書類を出してくれ。そこに書いてあったらしい」
俺達は書類を出し、2人で確認する。
「家族と関わるな…アスベスには、会わせないと言っていたから、その事だな。縁が切れたら商会を辞めて貰う…これか…あいつ本当に性格が悪いなっ!」
「でもさぁー元奥さんも元旦那が仕事で一緒は嫌だったんじゃない!?棄てられた訳だしぃー」
「まぁそうかっ!笑い者だもんなっ!!えっと、それから俺の実家への融資を打ち切る……ヤバい、これ凄くヤバい!!」
俺はマリアを連れて、実家の男爵家へと急ぐ。
使用人に門を開ける様に告げるが「旦那様より開けるなと言われております」と言って開けてはくれない。
「なぜ開けない!俺は、この家の者だぞ!!」
騒ぐ俺を見かねて、執事がやって来た。
「旦那様は、カイル様にお会いになりません。旦那様よりお前とは縁を切る。2度と屋敷に近付かない様にとの伝言でございます。どうぞお引き取りを…」
遣られた…あの女に先回りされたのだ。
「ちょっとカイル、大丈夫なの?」
「…大丈夫。なんとかなる…と思う…」
俺は、その足で両親が住む家に行くが留守だった。
不安に思いながら、俺達は家へと帰った。
その後も、何回か両親の家に行ったが居ない。
多分、兄が手を回し、俺と会わせない様にしたのだろう。
困った事になった…。
リリアナと離縁してからの俺の生活が、考えていたものと全然違う。
今、俺の手もとに在るのは、可愛いマリアと1ヶ月分の給料だけ。
働き口を探さないと…しかし、この地では、リリアナとの事を知る者が多く、商会の繋がりがある所では雇ってくれないだろう。
それは、俺の実家の方でも同じ事…。
それに、今の住まいも、部屋が多い分、家賃も高い。
ならば、マリアの実家に住んで、仕事を探すか…。
「どういう事なのよ!?あの屋敷も、商会も全てカイルの物だと思っていたのに!?はぁー!?入婿??金持ちだと思って奪い取ったのに、予定外だわ!!!
もう、あんたなんて要らない。離縁して次を探さすわ!!」
「はっ!?お前、俺を騙したのか?俺はお前との為にリリアナと離縁して…。ふざけるなっ!!!絶対に離縁はしないからなっ!!!お前の思い通りになんかさせるものかっ!!!」
逆上した俺は、嫌がるマリアをベッドに連れていき無理やり抱いた。
まさかその時に子供が出来るなんてなぁー。
なぜか皆の視線が冷たく痛い。
「荷物はそこに纏めて置きましたので、勝手に持っていって下さい。あっ、帰る時に、また来られては嫌だという事なので、経理の方に行って先週までの給料を精算するので貰って帰って下さいとの事です」
「何を言っている?なぜ俺の机が片付けられているのだ!?」
「お前が商会を辞めたからだ」
「義父上!どういう事です?俺は辞めていませんよ!!」
「まったく何を言っているのだ?お前は書類をしっかり読まなかったのか?リリアナと離縁した時に、書類にサインしただろう?その中に、離縁したら、商会を辞めて貰うと書いてあった筈だ。分かったら、給料を貰ってさっさと帰れ!!」
強面の顔が怒っている事により、さらに凄味があり何も言い返す事が出来なくなった。
給料を受け取りマリアの待つ家へと帰る。
「どうしたの?何か忘れ物?」
「商会をクビにされた…」
「えっ!?何で貴方の商会なのに?」
「俺のじゃない。義父とリリアナの商会だ。それより書類を出してくれ。そこに書いてあったらしい」
俺達は書類を出し、2人で確認する。
「家族と関わるな…アスベスには、会わせないと言っていたから、その事だな。縁が切れたら商会を辞めて貰う…これか…あいつ本当に性格が悪いなっ!」
「でもさぁー元奥さんも元旦那が仕事で一緒は嫌だったんじゃない!?棄てられた訳だしぃー」
「まぁそうかっ!笑い者だもんなっ!!えっと、それから俺の実家への融資を打ち切る……ヤバい、これ凄くヤバい!!」
俺はマリアを連れて、実家の男爵家へと急ぐ。
使用人に門を開ける様に告げるが「旦那様より開けるなと言われております」と言って開けてはくれない。
「なぜ開けない!俺は、この家の者だぞ!!」
騒ぐ俺を見かねて、執事がやって来た。
「旦那様は、カイル様にお会いになりません。旦那様よりお前とは縁を切る。2度と屋敷に近付かない様にとの伝言でございます。どうぞお引き取りを…」
遣られた…あの女に先回りされたのだ。
「ちょっとカイル、大丈夫なの?」
「…大丈夫。なんとかなる…と思う…」
俺は、その足で両親が住む家に行くが留守だった。
不安に思いながら、俺達は家へと帰った。
その後も、何回か両親の家に行ったが居ない。
多分、兄が手を回し、俺と会わせない様にしたのだろう。
困った事になった…。
リリアナと離縁してからの俺の生活が、考えていたものと全然違う。
今、俺の手もとに在るのは、可愛いマリアと1ヶ月分の給料だけ。
働き口を探さないと…しかし、この地では、リリアナとの事を知る者が多く、商会の繋がりがある所では雇ってくれないだろう。
それは、俺の実家の方でも同じ事…。
それに、今の住まいも、部屋が多い分、家賃も高い。
ならば、マリアの実家に住んで、仕事を探すか…。
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もう、あんたなんて要らない。離縁して次を探さすわ!!」
「はっ!?お前、俺を騙したのか?俺はお前との為にリリアナと離縁して…。ふざけるなっ!!!絶対に離縁はしないからなっ!!!お前の思い通りになんかさせるものかっ!!!」
逆上した俺は、嫌がるマリアをベッドに連れていき無理やり抱いた。
まさかその時に子供が出来るなんてなぁー。
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