【完結】さよなら私の初恋

山葵

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セドリック様と婚約してから侯爵夫人としての教育が始まった。

ウイリアムから「マリアンヌお姉様は昔は身体が弱く寝込む事が多かった。」と聞いたセドリック様は、過保護になってしまった。

1時間に1回のペースで休憩を取らせる様にと、家庭教師に指示を出し、自分の都合が合えば、顔を出して一緒にお茶をする。

「もう身体の方は、そこまで過保護になる様な事はないのです。余りわたくしを甘やかさないで下さいませ。」

「もしも僕の大事なマリアンヌが倒れたらと思うと心配でならない。無理は禁物!休憩は、こまめに取ってくれ。」

セドリック様の甘々に倒れそうですけれど…。


セドリック様が学園を卒業すると、直ぐに結婚式を挙げた。

「やっとマリアンヌが僕のものになった。もう離さないからね!必ず幸せにすると誓う!!」

18歳のセドリック様に甘々にされた22歳の私。

婚期としては遅く、セドリック様に棄てられたら、後家か修道院行きだったけれど、無事に今日この日を迎える事が出来た。

「わたくしもセドリック様を幸せにすると誓います。どうぞ、これからも宜しくお願いします。」

誓いのキスをし、私達は無事に夫婦となった。



「ただいま!サイモンは、良い子にしていたかい?ママを困らせてはいなかったかい?」

「シー…お帰りなさい。今、寝たばかりなの。」

結婚して直ぐに子供が授かった。

セドリックは、凄く喜んでくれた。

「そうか…じゃあ、これからの時間は夫婦の時間だね♪もうマリアンヌ不足だったんだ。補充をさせて…そろそろ2人目も良いなぁ!」

「もうセドリックたら…でも、わたくしもセドリック不足でしたわ。」

「そうと決まれば…」と言ってセドリックは、マリアンヌを抱き上げ寝室へと連れて行く。

勿論、乳母にサイモンが泣いてもマリアンヌを呼びに来ないように言って。

「マリアンヌ、愛してるよ!」

「わたくしも愛しています。」



窓辺から見える婚約者の笑っている顔が好きだった。
その笑顔は、自分には向けられ事はなかったけれど…。

けれど今となれば妹のアマンダに感謝したい。
あの時、婚約者を奪ってくれて、ありがとう。

セドリックの恋に手を貸してくれたウイリアムにも感謝している。
ありがとう!

私達を認めてくれた両家の両親にも、ありがとう。

そして…こんな私を愛してくれた旦那様にも、ありがとう。私も貴方を愛しています♡

初恋は実らなかったけれど、私は、とても幸せです♪


                                    End

*****
最後まで読んで頂き ありがとうございます!
番外編はアマンダ篇になります。
もし よろしければ そちらも宜しくお願いします。
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