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夕食で食堂に行くと、私達が帰って来た事を知らなかったアマンダが驚いた顔をした。
「あらぁ~お姉様、いつ帰って来たの?あぁ私がロベルトと出掛けている時ね?今日も楽しかったわぁ~♪」
「そう良かったわね。それよりも淑女教育は進んでいるのかしら?それが終わらないと次の子爵夫人としての教育も始められないんじゃなくて?お母様を困らせるのは良くない事よ。」
「それは…大丈夫よ!ロベルトは優しいから、今の私のままで良いと言ってくれてるわよっ!」
「まぁ本当に!?」
「アハハ本当だとしたら、彼は相当な馬鹿だね!子爵家が笑い者になっても構わないのかな!?僕だったら絶対に嫌だね。」
「なっ!ウイリアム、ロベルトを馬鹿にするなんて!もうすぐ貴方の義兄になるのよ!お姉様もロベルトを私に取られたからって…」
そこにお父様とお母様が入って来られた。
「一体何を騒いでいるのだ!」
「お父様ぁ~お姉様が、私にロベルトを取られたからと意地悪を言うのよぉ。お姉様は、まだロベルトの事が好きだから、きっと私が許せないのよぉ~。」
お父様とお母様は、アマンダの態度に呆れ、注意をしたが、アマンダはプイッと不貞腐れ横を向いてしまった。
「これから食事だ。アマンダは食事の後で淑女教育の続きをしなさい。」と言って席に着く。
アマンダは、不服そうな顔をしながらも黙って食事を始めた。
私がロベルト様を、まだ好きなんて有り得ないのに…そう思っている自分に気が付きハッとする。
いつの間にか私の心の中にはロベルト様は居なくなっていた。
それはザイベルト侯爵家の別荘の楽しい日々が私の心の中からロベルト様を追い出してくれていたのだ。
フフッ…と笑う私をアマンダが睨み付けている。
次の日、アマンダが呼んだのか午後にロベルト様が屋敷を訪れた。
窓から見える2人の姿を見ても何も思わなかった。
「さよなら私の初恋…」
「何を見ているの?あぁまたマリアンヌお姉様に嫌がらせしようとアマンダがロベルト様を呼んだのかっ。あの女も懲りないなぁ。お姉様、大丈夫?」
「えぇ大丈夫よ。」
私の笑顔を見て、ウイリアムは驚いている。
「これは…悔しいけれどセドリックのお陰なのかなぁ?」
「?」
「あっ!そうだ。セドリックが別荘から戻ったから、マリアンヌお姉様に会いたいと手紙が届いているよ。早速、お誘いの手紙を寄越すなんてねぇ♪」
手紙をヒラヒラとさせながら笑っている。
その手紙を奪い取り、読むと来週の観劇の誘いだった。
私は了承の手紙を書き、侍女に渡す。
ウイリアムは、その間ずぅーとニヤニヤしていた。
「あーセドリックが義兄になるのかぁー。それはそれで何か嫌かも…」
「気が早いわよ!まだ付き合ってもいないのよ。」
「あれ?付き合う気にはなったんだ?」
ボッ!
「アハハマリアンヌお姉様が可愛い!」
ウイリアムに揶揄われているのは分かっているが恥ずかしくて反論する事も出来なかった。
「あらぁ~お姉様、いつ帰って来たの?あぁ私がロベルトと出掛けている時ね?今日も楽しかったわぁ~♪」
「そう良かったわね。それよりも淑女教育は進んでいるのかしら?それが終わらないと次の子爵夫人としての教育も始められないんじゃなくて?お母様を困らせるのは良くない事よ。」
「それは…大丈夫よ!ロベルトは優しいから、今の私のままで良いと言ってくれてるわよっ!」
「まぁ本当に!?」
「アハハ本当だとしたら、彼は相当な馬鹿だね!子爵家が笑い者になっても構わないのかな!?僕だったら絶対に嫌だね。」
「なっ!ウイリアム、ロベルトを馬鹿にするなんて!もうすぐ貴方の義兄になるのよ!お姉様もロベルトを私に取られたからって…」
そこにお父様とお母様が入って来られた。
「一体何を騒いでいるのだ!」
「お父様ぁ~お姉様が、私にロベルトを取られたからと意地悪を言うのよぉ。お姉様は、まだロベルトの事が好きだから、きっと私が許せないのよぉ~。」
お父様とお母様は、アマンダの態度に呆れ、注意をしたが、アマンダはプイッと不貞腐れ横を向いてしまった。
「これから食事だ。アマンダは食事の後で淑女教育の続きをしなさい。」と言って席に着く。
アマンダは、不服そうな顔をしながらも黙って食事を始めた。
私がロベルト様を、まだ好きなんて有り得ないのに…そう思っている自分に気が付きハッとする。
いつの間にか私の心の中にはロベルト様は居なくなっていた。
それはザイベルト侯爵家の別荘の楽しい日々が私の心の中からロベルト様を追い出してくれていたのだ。
フフッ…と笑う私をアマンダが睨み付けている。
次の日、アマンダが呼んだのか午後にロベルト様が屋敷を訪れた。
窓から見える2人の姿を見ても何も思わなかった。
「さよなら私の初恋…」
「何を見ているの?あぁまたマリアンヌお姉様に嫌がらせしようとアマンダがロベルト様を呼んだのかっ。あの女も懲りないなぁ。お姉様、大丈夫?」
「えぇ大丈夫よ。」
私の笑顔を見て、ウイリアムは驚いている。
「これは…悔しいけれどセドリックのお陰なのかなぁ?」
「?」
「あっ!そうだ。セドリックが別荘から戻ったから、マリアンヌお姉様に会いたいと手紙が届いているよ。早速、お誘いの手紙を寄越すなんてねぇ♪」
手紙をヒラヒラとさせながら笑っている。
その手紙を奪い取り、読むと来週の観劇の誘いだった。
私は了承の手紙を書き、侍女に渡す。
ウイリアムは、その間ずぅーとニヤニヤしていた。
「あーセドリックが義兄になるのかぁー。それはそれで何か嫌かも…」
「気が早いわよ!まだ付き合ってもいないのよ。」
「あれ?付き合う気にはなったんだ?」
ボッ!
「アハハマリアンヌお姉様が可愛い!」
ウイリアムに揶揄われているのは分かっているが恥ずかしくて反論する事も出来なかった。
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