私の好きなお兄様

山葵

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次の日から体力を付ける為に、散歩の時間を少しづつ延ばした。

そのお陰で食事量も増えていき、疲れて休む事も少なくなっていた。

「だいぶ血色も良くなってきたね!体力も前より付いたようだし、本当に良かった」

「では…「うん!もう少し頑張ったらね!」

………まだですか…。

「リリアナ、散歩に行く時間だ。さぁ行こう!」

そう言うとお兄様は、腕を差し出す。

「お兄様、もう腕を組んで歩かなくても大丈夫ですわ」

「えっ?俺と腕を組んで歩くのは嫌なのか?じゃあ手を繋ごう!」

そういう問題では無いのですが…。

お兄様が差し出した手に手を乗せると恋人繋ぎをされて歩き出した。

これはこれで恥ずかしいのですが…。

「どうした?顔が赤いぞ!まさか熱が…」

おでこに手が近付いたので、手で熱を図るのかと思っていたら、お兄様の顔が近付きおでこをくっ付けてきた!

「っ!!!」

「う~ん!?熱は無いようだが…リリアナ?大丈夫かっ!?さっきより顔が赤いぞっ!!」

貴方のせいです!そう叫びたい!!

「何をしていますの!」

へっ?

叫んだ声の方を見ればスーザン様が鬼の形相で睨み駆け寄って来た。

「チッ!これはこれはグリル伯爵令嬢。なぜ此方に!?」

「アルベルト様、長期休暇が終わるというのにお戻りにならない様なので「余計なお世話だ!それに前にも言ったと思うが名前で呼ばないで頂きたい」

お兄様の言葉にスーザン様は狼狽え、そして隣に居るリリアナを睨む。

「他に用がないのなら失礼する」

「……何故ですの?何故その女の為に…そんな何処の誰かも分からない女の為に、わたくしとの縁談が白紙に戻されなければならないのですかっ!?」

アルベルトは、リリアナに「ちょっと待っていて」と告げるとスーザンの近くに行き何かを言っている。

スーザンの顔は青ざめていき、震え出した。

アルベルトは、苦笑するとリリアナのもとに戻り、手を繋ぐと湖の方へと歩き出した。
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