私の好きなお兄様

山葵

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別荘に着くと執事見習いのカイドから、スーザンが来た事や、リリアナに対しての暴言の数々を報告され、リリアナが倒れた事を聞く。

カイドに父上に直ぐに知らせるように告げるとリリアナの部屋へと向かった。

マリーに替わるからと告げ、ベッドの横の椅子に座り、一息着く。

「グリル伯爵家は潰してやる」

ベッドで眠るリリアナの頬に触れ、その指が唇に移る。

「ごめんね、リリアナ…俺が離れたばかりに…」

柔らかい唇に触れている指が頬に戻り、顔を近付け、そっと唇に口付けをする。

もう離したくない!

俺が、好きだと告げたら、君はどんな顔をするのだろう?

兄だと思っていたのに…と拒絶されるのだろうか?

もし拒絶されたのなら、閉じ込めて仕舞おうか!?

…フッ、1度は諦めようと決めた気持ちだったのに、本当に失うかと思ったら手離せなくなるなんてな。

リリアナに冷たい態度を取って距離を置くのが辛かった。

お兄様と慕ってくれるリリアナを妹として見れない自分が嫌だった。

リリアナは、フリーマン侯爵家を継ぐ者。
自分はレイノルズ侯爵家を継ぐ者。
跡取り同士が婚姻をしたら…と思い踏ん切りが付かなかった。

だが、リリアナを失う事に比べたら、他等どうでも良い事だったのだ。

俺は、もう何が有ろうとリリアナを離さない。
ごめんね、リリアナ。
早く目覚めて、俺の気持ちを聞いて欲しい。
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