私の好きなお兄様

山葵

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「リリアナ…君を1人で行かせられる訳が無いだろう!?…それとも、俺が一緒に行くのは嫌か!?」

「そんな事は…でも…」

お兄様に悪いわ…。

お兄様は、わたくしのそんな気持ちを察したのか

「俺に悪いとは思わないでくれ…。俺はリリアナと離れたくない」

えっ!?お兄様?

良いのかしら…?

でも、わたくしも離れたくないと思ってしまう。

兄妹なのに…わたくしはブラコンだったのかしら?

「お兄様、どうぞ宜しくお願い致します」

そう告げると、お兄様は、満面の笑みでわたくしに抱きついた。

「!!!」

「リリアナ!明日が楽しみだね♪」

お兄様は、「両親に話してくるね!」と言って、部屋を出ていかれた。

ベッドの上で、急に決まった話しに呆けていたが、準備をしないといけないと思い、起きることにした。

自分の部屋に行くとマリーが荷物を纏めてくれていた。

「お嬢様、荷造りは此方で致します。どうかお休みになっていて下さい」

「洋服等は任せるわ。身の回りの物で持っていきたいものを見て判断したいの。何が有るのかも覚えていないんですもの…」

「分かりました。でも無理はなさらないで下さいませ」

机に向かい引き出しを開けると鍵の付いた日記の様な手帳が有った。

これは、日記?鍵は何処かしら?

色々と探してみたが、見付からない…。

うーん困ったわね…。

「お嬢様、どうかされましたか?」

「…何でもないわ。それより、荷造りは終わりそう?」

誤魔化してみたが、マリーは怪訝そうな顔をしていた。

鍵は次に戻ってきたら探しましょう。

そう思い、日記は持っていく事にする。

何故か家に置いておきたくなかったのだ。
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