私の好きなお兄様

山葵

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メイドの悲鳴に慌てて階段に行くと、そこには階段から落ちたリリアナが気を失い倒れていた。

「リ、リリアナ!!直ぐに、直ぐに医者を呼べぇー!!マリー、頭を打っているかもしれん。動かすなっ!!」

あぁ何故こんな事に…。

青ざめた顔をして「ア、アルベルト…わ、私…」と俺に声を掛けて袖を引っ張る、この女のせいだ。

「スーザン、帰ってくれないかっ!?」

俺は冷たくそう告げると「…ご、ごめんなさい。また連絡してね、必ずよ…待っているから…」などと言って帰っていった。

はぁ?俺の大事なリリアナに、こんな事をしておいて連絡するはずがないだろう?

リリアナに何か有ったら、お前を殺して遣るからなっ!

俺の大事なリリアナを傷付ける奴は許さない!

あぁリリアナ…どうか早く目を開けてくれ!

その可愛らしい声で「お兄様」と呼んでくれ!

「医者は、まだなのか!?」

こんな冷たい床の上に何時までリリアナを寝かせて居るつもりだ!

あぁ俺が抱き締めて暖めてあげたい。

ごめんね…リリアナ。

大好きなリリアナ! 

どうか、どうか無事で有ってくれっ!
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