【完結】勘違いしないでくれ!君は(仮)だから。

山葵

文字の大きさ
上 下
4 / 5

4

しおりを挟む
国王の命により、私達は謁見室へと移される。

なぜか私には小さな椅子とテーブルが用意され「暫く待たせるからとお茶を飲んで待つ様に」と国王が用意させたと言われる。

「フィリップ様ぁ~アイサも疲れちゃいましたぁ~喉も乾いたしぃ~座りたいですぅ~」

「そうだな。おいっ、お前!俺達にも至急 椅子とお茶を用意しろ!」

「国王陛下より殿下達は立って待つ様にとの事です」

「なっ、なんだと!?」


扉がノックされ、入って来たのはお父様。

「お父様、どうされたのです?」

「国王より残る様に言われてね。それよりクリス、大変た ったね。大丈夫か?」

「ええ、大丈夫ですわ」

また暫くすると扉がノックされ青い顔をした男爵が入ってきた。

「お父様!?なぜ王宮に?」

「国王陛下が呼んでいると従者が来て…」

あぁだから暫く時間が掛かるだったのか。
わざわざ男爵まで呼んだという事は、馬鹿殿下は…。
本人、気が付いてないだろうなぁ~、馬鹿だから。

従者が国王と王族の入室を告げた。

私とお父様は席を立ち礼をする。
男爵も同じく礼をした。
やはりここでもアイサは、そのままだ。

「皆の者、楽にせよ。さてフィリップ、先程の続きを聞こうか?」

「はい、父上。クリスは、学園でアイサを虐めておりました。その行いは王族には相応しくないと思い婚約破棄をしました」

「そうか…しかし、おかしいな?影からの報告ではクリス嬢は虐めなどしてないとある。不思議な事だ」

「そこの貴女。クリスちゃんが虐めてたと言うけれど、一体なにをされたのかしら?」

「えっとぉ~横を通った時に押されて倒されたり、フィリップ様にぃ~近付くなっ!と言って叩かれたりぃ~階段から~突き落とされそうになったり~かなぁ~?」

アイサ、貴女は誰と話をしているのか分かっているの?この国の王妃様よ!

「うふふ、この子 面白い子ね。口の聞き方も知らなければ、私達に対する敬意もない。王族に相応しくないのはどちらかも分からないなんて…」

男爵を見れば顔が顔面蒼白で今にも倒れそう。

「ふむ、クリス嬢、向こうはそう言っているが?」

「国王陛下、発言を失礼致します。わたくしには何の事か…。フィリップ殿下がアイサさんと仲良くしていらっしゃるのは知っておりました。いつか婚約が解消されるだろうと。私は、それで構わないと…殿下が好きな人が出来たのなら身を引こうと思っておりました。それなのに虐めただなんて…」

「フィリップは、クリス嬢と婚約破棄をして、そこの娘と婚約したいのだったな?」

「は…い…え…」

「はっきりしろ!!」

「その…実は、子供が…」

「「「「「「!!!!!!!」」」」」」

結婚前に子供!?
馬鹿だ!馬鹿すぎる!!

「もうすぐでぇ~3ヶ月なんですぅ~。ねぇ~」

「男爵の所は跡継ぎは居たか?」

「は、はい息子が…」

「そうか…ふむ……フィリップの王位継承権を剥奪する。王族籍も除籍とする。北にある領地を与える。一代限りの男爵位を授ける。以上だ」

「待って下さい!父上」

「お前に父上と呼ばれる筋合いはない」

そう言うと陛下と王妃は退室してしまった。

「兄上、姉上…どうか父上に…」

5人は首を横に振った。

「僕達が甘やかし過ぎたのかなぁ?」

「ここまで愚かだとは思いもしないでしょう?」

「残念だ…」

王子達も退室したので、私達も帰る事にする。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?

冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。 オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。 だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。 その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・ 「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」 「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」

【完結】愛されないと知った時、私は

yanako
恋愛
私は聞いてしまった。 彼の本心を。 私は小さな、けれど豊かな領地を持つ、男爵家の娘。 父が私の結婚相手を見つけてきた。 隣の領地の次男の彼。 幼馴染というほど親しくは無いけれど、素敵な人だと思っていた。 そう、思っていたのだ。

明日結婚式でした。しかし私は見てしまったのです――非常に残念な光景を。……ではさようなら、婚約は破棄です。

四季
恋愛
明日結婚式でした。しかし私は見てしまったのです――非常に残念な光景を。……ではさようなら、婚約は破棄です。

【完結】悪役令嬢マルガリータは死んだ

yanako
恋愛
悪役令嬢マルガリータ 彼女は本当に悪役令嬢だったのか 公爵令嬢マルガリータは第二王子ジャレスの婚約者 そこにあるのは、相互利益 マルガリータは婚約者にも親にも愛されずに、ただ利用されるだけだった

初めまして婚約者様

まる
恋愛
「まあ!貴方が私の婚約者でしたのね!」 緊迫する場での明るいのんびりとした声。 その言葉を聞いてある一点に非難の視線が集中する。 ○○○○○○○○○○ ※物語の背景はふんわりしています。スルッと読んでいただければ幸いです。 目を止めて読んで下さった方、お気に入り、しおりの登録ありがとう御座いました!少しでも楽しんで読んでいただけたなら幸いです(^人^)

【完結・全10話】偽物の愛だったようですね。そうですか、婚約者様?婚約破棄ですね、勝手になさい。

BBやっこ
恋愛
アンネ、君と別れたい。そういっぱしに別れ話を持ち出した私の婚約者、7歳。 ひとつ年上の私が我慢することも多かった。それも、両親同士が仲良かったためで。 けして、この子が好きとかでは断じて無い。だって、この子バカな男になる気がする。その片鱗がもう出ている。なんでコレが婚約者なのか両親に問いただしたいことが何回あったか。 まあ、両親の友達の子だからで続いた関係が、やっと終わるらしい。

【完結】その巻き付いている女を、おとりあそばしたら?

BBやっこ
恋愛
文句ばかり言う女 それを言わせている理由まで、考えがいたらなお残念な男。 私の婚約者とは情けない。幼少期から今まで、この男の母上と父上は良い人で尊敬できるのに。 とうとう、私はこの男の改革を諦めた。 そのぶら下げたものをどうにかしたら?と言ってやった。

王侯貴族、結婚相手の条件知ってますか?

時見 靜
恋愛
病弱な妹を虐げる悪女プリシア・セノン・リューゲルト、リューゲルト公爵家の至宝マリーアン・セノン・リューゲルト姉妹の評価は真っ二つに別れていたけど、王太子の婚約者に選ばれたのは姉だった。 どうして悪評に塗れた姉が選ばれたのか、、、 その理由は今夜の夜会にて

処理中です...