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王家主催の恒例の夏のパーティー。
第5王子のフィリップ殿下からエスコートは出来ないと連絡が入った。

アイサさんをエスコートするなら、せめて私と婚約解消してからにして欲しいものだ。
婚約者以外の人をエスコートするなんて周りの人から非難されても知らないぞっ!
私も皆の注目の目に晒されて…あぁー馬鹿殿下っ!!

私が、友人達と一緒に王族の入場を待っているとアイサさんをエスコートした殿下が遣って来た。

「クリス、僕は君と婚約破棄するっ!!」

はいぃ!?こんな貴族が集まるパーティー会場で何を言っているのですか?それも、まさかの婚約破棄!?

「君はアイサを虐めていたそうだな!?」

「フィリップ様ぁ~私ぃ~怖かったですぅ~」

「わたくしがアイサさんを虐めた?なぜ虐める必要があるのですか?」

「私がぁ~フィリップ様とぉ~仲良くしているのがぁ~気に入らないとぉ~言っていたじゃないですかぁ~」

何を言っているのだ!?
お前と殿下を会わせたのは私だぞ!
それに、その話し方止めろ!!

「フィリップ殿下、婚約破棄の事は了承致します。ですがアイサさんへの虐めの事は否定させて頂きます!」

私の友人達も「クリスは虐めなどしない」と反論してくれている。

騒ぎを聞き付けた国王陛下と王妃様が慌て会場に入ってきた。
2人を除き会場に居た私を含めた貴族達は、皆、礼をする。

あら?そう言えば、まだ王族の方々は入場をしていなかったわね。
殿下は私に婚約破棄宣言する為に、先に来ていた?
裏では第5王子が居ないと騒ぎになっていた筈よね?そんな事も分からないのか、この馬鹿王子。

「なぜフィリップが、ここにいる?」

「父上、実はクリスがアイサを虐めていると聞いて婚約破棄をしました」

「クリス嬢が虐めを?婚約破棄?」

「はい。ここに居るアイサを…」

「私ぃ~本当にぃ~怖かったんですぅ~」

殿下の腕にしがみつき国王に訴える。
陛下の前でも、その話し方なのか…頭が痛い。

「皆の者、楽にせよ!今宵は楽しんで貰おうと集まって貰ったが愚息の失態の為、閉会とする。また後日、開催する事とする」

あっ!愚息と言われちゃったよ…残念な馬鹿殿下。

殿下の兄、姉も弟の仕出かした事に流石に呆れ庇う事も出来ない様だ。
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