婚約者を少しでも好きになる様に頑張ってみましたが、父を侮辱したので婚約破棄を受け入れます!

山葵

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私とエバン殿下は国王陛下より正式に婚約と卒業後、結婚すると発表された。

それからのエバン殿下は、発表前よりも堂々とした振る舞いをするので、正直困ってしまった。

エバン殿下曰く、公爵家当主としての勉強、王子妃教育と公爵夫人教育、それに結婚式の準備などで学園以外ではイチャイチャする時間が無い。せめて学園にいる時間はマリーとイチャイチャしないとストレス溜まるし頑張れない!なのだそうだ。

そんな忙しい日々も明日で終わる。

自分の閑散とした部屋を見渡し、思い出に浸る。

明日の朝、ここを出ればもう戻る事はない。

荷物もザイザル領に向かう旅の荷物以外は先に領地に送ってしまった。

結婚式の朝。
馬車に乗り込む前に両親に挨拶をした。

「お父様、お母様、今まで育てて頂き、ありがとう御座いました」

「マリー、エバン殿に幸せにして貰うんだよ」

「わたくしの可愛いマリー。とても綺麗よ!幸せになるのよ」

私に尽くしてくれていた使用人と過ごした屋敷に別れを告げ、神殿へと向かう。

「うわぁー!マリー、とても綺麗だ!!」

「エバン殿下…エバンも、とても素敵よ」

まだ癖で殿下と時々言ってしまうが、卒業後エバンは臣下降下しザイザル公爵となった。

王都にもザイザル公爵邸を購入したので、式が終わればそちらで披露宴をし、明後日には領地へと向かう。

「マリー、私と結婚してくれて、ありがとう。愛してるよ」

「エバン、私と結婚してくれて、ありがとう。私もエバンを愛しているわ」

私達は、招待客が待つ挙式会場へと向かう。

王妃様や王女様にヘタレと言われていたけれど、私の前では、いつも堂々として人を気遣い、優しく頼もしいエバンだった。

彼が支えてくれていたから、私はカインさんとの婚約破棄も悲しむ事なく受け入れる事が出来たのだ。

これからもエバンが側に居て支えてくれるから、私は幸せになれる。



END

*****

最後まで読んで頂き ありがとうございます。
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