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それからはトントン拍子に話が進み、私達は婚約する事が認められた。
婚約発表は2ヶ月後。
結婚式はエバン殿下の卒業した2ヶ月後。
王族としては、とても早い結婚に大丈夫なのかと思ったが、エバン殿下は、卒業後に公爵になり暫く領地経営の為に領地に籠る。その前に王都にて結婚式を挙げマリーを妻として一緒に領地に連れて行きたい!!と言うエバン殿下の強い希望が通ったのだ。
私は婚約が決まると王宮にて王子妃教育が始まった。
臣下降下するとはいえ、もしも…の為に。
それに伴い学園での飛び級試験を受けた。
必死に勉強し私は合格点を貰い、1ヶ月に1回程、通学すれば卒業が出来る。
学園に通わない分、王宮に通い教育を受ける。
その合間に、王妃様や王女様達とのお茶会で交流。
「まったくね~我が子ながらヘタレ過ぎて扇で叩こうと思ったわよ。それも1度や2度では有りませんでしたからね」
「グズグズしていたらマリー様は浮気男と結婚してしまうと言うのに…我が弟ながら情けなくて…」
「婚約が破棄されてからもグズグズとして動かないんですもの。また別の殿方に取られてしまうわよ!とはしたなくも怒鳴ってしまいましたわ。本当に我が兄ながらヘテレ過ぎて…」
女子会ならぬ王妃様達とのお茶会は、エバン殿下が私と婚約するまでどれだけヘタレだったかを教えてくれた。
「マリー、貴女はエバンの初恋なのよ。あの子、兄上達が結婚するまではと言って全然女性に興味を持たないかったのに、貴女が生徒会に初めてやって来た時に、この人だ!と思ったらしいの。けれど、あの時、貴女は婚約者が居たでしょう」
「そうそう、それは凄い落ち込み様で。あの時は可哀想で、からかう事も出来ませんでしたわ」
「マリーお義姉様には悪いですけれど、相手の方が浮気男で良かったですわ。お兄様にもチャンスが巡ってきたのですもの。ブランガ侯爵の不正を暴いた事で褒美として卒業後直ぐに結婚させて欲しい!と金銭よりも結婚式を選んだ時は、それほどマリーお義姉様を愛しているんだと少し感動しましたわ。マリーお義姉様のお陰でヘタレも卒業ですわね」
そう笑う3人に私は苦笑してしまう。
向こうからエバン殿下が歩いて来るのが見えた。
どうやらお迎えの時間の様だ。
「はぁー毎回時間通りに迎えに来るなんて。マリー、また一緒にお茶会をしましょうね」
私は3人に挨拶をして席を離れる。
「マリー、どうしたの?なんか顔が引き付っているよ。母上達に何か言われたの?」
「べ、別に何も…」
「本当に?何か有ったら私に言うんだよ。それに嫌なら無理してお茶会に参加する事もないからね」
「ありがとうございます、エバン殿下」
「マリー、私達は2ヶ月後には婚約発表し、来年には結婚もするんだよ。そろそろ殿下は止めても良いと思うんだけれど?」
「そんな事は…」
「それに、その敬語も止めて欲しいかな。マリーとの距離を感じてしまう」
王妃様、エバン殿下は本当にヘタレ何ですか?
私には前からグイグイ来ている気がしますけれど!?
「畏ま…分かったわ。これからは敬語はなしで話すわ。エ、エバン…様」
「様も要らないのに…まぁ婚約発表までにはエバンと呼べる様に頑張ろうね♪」
エバン様はマリーの腰を引き寄せると額にチュと口付けをした。
王女様方もエバン様がヘタレだと言ったが、絶対に嘘だ!!
顔を真っ赤にして俯いてしまったマリーを抱き締めて「マリー可愛い♡もう離さないから覚悟してね」と言ったエバンの顔が同じく真っ赤だったのをマリーは気が付いていなかった。
婚約発表は2ヶ月後。
結婚式はエバン殿下の卒業した2ヶ月後。
王族としては、とても早い結婚に大丈夫なのかと思ったが、エバン殿下は、卒業後に公爵になり暫く領地経営の為に領地に籠る。その前に王都にて結婚式を挙げマリーを妻として一緒に領地に連れて行きたい!!と言うエバン殿下の強い希望が通ったのだ。
私は婚約が決まると王宮にて王子妃教育が始まった。
臣下降下するとはいえ、もしも…の為に。
それに伴い学園での飛び級試験を受けた。
必死に勉強し私は合格点を貰い、1ヶ月に1回程、通学すれば卒業が出来る。
学園に通わない分、王宮に通い教育を受ける。
その合間に、王妃様や王女様達とのお茶会で交流。
「まったくね~我が子ながらヘタレ過ぎて扇で叩こうと思ったわよ。それも1度や2度では有りませんでしたからね」
「グズグズしていたらマリー様は浮気男と結婚してしまうと言うのに…我が弟ながら情けなくて…」
「婚約が破棄されてからもグズグズとして動かないんですもの。また別の殿方に取られてしまうわよ!とはしたなくも怒鳴ってしまいましたわ。本当に我が兄ながらヘテレ過ぎて…」
女子会ならぬ王妃様達とのお茶会は、エバン殿下が私と婚約するまでどれだけヘタレだったかを教えてくれた。
「マリー、貴女はエバンの初恋なのよ。あの子、兄上達が結婚するまではと言って全然女性に興味を持たないかったのに、貴女が生徒会に初めてやって来た時に、この人だ!と思ったらしいの。けれど、あの時、貴女は婚約者が居たでしょう」
「そうそう、それは凄い落ち込み様で。あの時は可哀想で、からかう事も出来ませんでしたわ」
「マリーお義姉様には悪いですけれど、相手の方が浮気男で良かったですわ。お兄様にもチャンスが巡ってきたのですもの。ブランガ侯爵の不正を暴いた事で褒美として卒業後直ぐに結婚させて欲しい!と金銭よりも結婚式を選んだ時は、それほどマリーお義姉様を愛しているんだと少し感動しましたわ。マリーお義姉様のお陰でヘタレも卒業ですわね」
そう笑う3人に私は苦笑してしまう。
向こうからエバン殿下が歩いて来るのが見えた。
どうやらお迎えの時間の様だ。
「はぁー毎回時間通りに迎えに来るなんて。マリー、また一緒にお茶会をしましょうね」
私は3人に挨拶をして席を離れる。
「マリー、どうしたの?なんか顔が引き付っているよ。母上達に何か言われたの?」
「べ、別に何も…」
「本当に?何か有ったら私に言うんだよ。それに嫌なら無理してお茶会に参加する事もないからね」
「ありがとうございます、エバン殿下」
「マリー、私達は2ヶ月後には婚約発表し、来年には結婚もするんだよ。そろそろ殿下は止めても良いと思うんだけれど?」
「そんな事は…」
「それに、その敬語も止めて欲しいかな。マリーとの距離を感じてしまう」
王妃様、エバン殿下は本当にヘタレ何ですか?
私には前からグイグイ来ている気がしますけれど!?
「畏ま…分かったわ。これからは敬語はなしで話すわ。エ、エバン…様」
「様も要らないのに…まぁ婚約発表までにはエバンと呼べる様に頑張ろうね♪」
エバン様はマリーの腰を引き寄せると額にチュと口付けをした。
王女様方もエバン様がヘタレだと言ったが、絶対に嘘だ!!
顔を真っ赤にして俯いてしまったマリーを抱き締めて「マリー可愛い♡もう離さないから覚悟してね」と言ったエバンの顔が同じく真っ赤だったのをマリーは気が付いていなかった。
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