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「伯爵令嬢ごときが何故エバン殿下にエスコートされているのよ!?」
「さぁ何故か私にも分かりません。可哀想に思ったとか?」
「エバン殿下は誰にでも優しいのよ。でも、だからと言って貴女の様な者が甘えて良い御方じゃないの!少しは身の程を弁えなさい」
そんな事、貴女に言われなくても分かっているんだけれどなぁ。
「分かったなら、もう会場には戻らずにお帰りなさい」
「そうしたいのですが殿下が迎えに来て下さいましたので馬車が無いのです」
「では歩いて帰りなさいよ!貴女には足が有るでしょう?エバン殿下に送って貰おうなんて図々しいわよ!」
足は有る。けれど我が家まで歩いて帰ると1時間は掛かる。この夜道、ドレスにハイヒールだと1時間でも着かないかも…はぁー無理だ。
「そこで何をしている!?」
エバン殿下が私の居場所は分かっていた様に真っ直ぐと此方に向かって走って来た。
「エ、エバン殿下!?えっ、あの…グ、グランド伯爵令嬢と少しお話を。ね、ねぇ皆さま」
「「「そ、そうですわ」」」
「そんな雰囲気ではなかった様に見えたが?マリー会場に戻ろう」
エバン殿下は、私の手を取ると会場へと戻った。
「まったく私が目を離した隙に…マリーを傷付けていたら爵位を剥奪し…」
「…か……んか、聞こえてますか?」
「ああ、すまない。少し考え事を…」
「どうやらブランガ侯爵が我が家に来た様で、今、お父様の使いの者が来ました。申し訳御座いませんが先に「私も一緒に行こう!私が証人として君とカインとの事を証言するよ」
何かエバン殿下の顔が嬉しそうに見えるのは気のせいでしょうか?
パーティーもまだ終わっていないし、殿下の手を煩わせる訳には行かないと御断りはしたのだけれど、殿下は大丈夫!と聞く耳を持たない。
側近のマルコ様もパーティーを途中で退場し、私達に付いて来ている。
うぅーエバン殿下、マルコ様狙いのご令嬢に申し訳ないわ…。
早く話を終わらせれば2人はパーティーに間に合うかも?
向こうの落ち度だし、早急に婚約破棄の手続きをして、殿下とマルコ様にはパーティーに戻って貰おう!
屋敷に着くと執事のブランが玄関で待っていた。
私が王家の馬車で帰って来た事にも驚いていたが、一緒に降りて屋敷の中まで入って来たエバン殿下にも驚いている。
そのまま応接室に向かえば、ブランガ侯爵がソファーにふんぞり返って座っているのが見えた。
侯爵は謝りに来たのでは無いのだろうか?
床には正座させられ頬が赤く腫れているカイン様。
やはり殴られた様だ。
「ただいま戻りました。お待たせして申し訳御座いません」
「ああマリー、おかえ…エバン殿下!?」
「待っていたぞ!随分と遅かったなっ!んっ!?な、なぜ第3王子が一緒なのだ!?」
お父様とお母様は、慌てて席を立ち、エバン殿下にソファーを勧める。
ブランガ侯爵は、殿下の訪問に驚いているが席を立たない。
「突然の訪問ですまないね。マリーを送って来たらブランガ侯爵が来ていると聞いてね。ああ突然、勝手に来たのだから、そんなに気を遣わないでくれグランド伯爵」
そうは言われても殿下が座らないとお父様もお母様も座る事が出来ない。
悪いね。と言いながら今まで両親が座っていた3人掛けのソファーに座り、私に隣に座る様にとポンッポンッと叩いた。
殿下は、真ん中の1人掛けに座ると思っていた周りの者は驚いたが、1人掛けにはお父様が座り、お母様は私の横に座った。
「さぁ何故か私にも分かりません。可哀想に思ったとか?」
「エバン殿下は誰にでも優しいのよ。でも、だからと言って貴女の様な者が甘えて良い御方じゃないの!少しは身の程を弁えなさい」
そんな事、貴女に言われなくても分かっているんだけれどなぁ。
「分かったなら、もう会場には戻らずにお帰りなさい」
「そうしたいのですが殿下が迎えに来て下さいましたので馬車が無いのです」
「では歩いて帰りなさいよ!貴女には足が有るでしょう?エバン殿下に送って貰おうなんて図々しいわよ!」
足は有る。けれど我が家まで歩いて帰ると1時間は掛かる。この夜道、ドレスにハイヒールだと1時間でも着かないかも…はぁー無理だ。
「そこで何をしている!?」
エバン殿下が私の居場所は分かっていた様に真っ直ぐと此方に向かって走って来た。
「エ、エバン殿下!?えっ、あの…グ、グランド伯爵令嬢と少しお話を。ね、ねぇ皆さま」
「「「そ、そうですわ」」」
「そんな雰囲気ではなかった様に見えたが?マリー会場に戻ろう」
エバン殿下は、私の手を取ると会場へと戻った。
「まったく私が目を離した隙に…マリーを傷付けていたら爵位を剥奪し…」
「…か……んか、聞こえてますか?」
「ああ、すまない。少し考え事を…」
「どうやらブランガ侯爵が我が家に来た様で、今、お父様の使いの者が来ました。申し訳御座いませんが先に「私も一緒に行こう!私が証人として君とカインとの事を証言するよ」
何かエバン殿下の顔が嬉しそうに見えるのは気のせいでしょうか?
パーティーもまだ終わっていないし、殿下の手を煩わせる訳には行かないと御断りはしたのだけれど、殿下は大丈夫!と聞く耳を持たない。
側近のマルコ様もパーティーを途中で退場し、私達に付いて来ている。
うぅーエバン殿下、マルコ様狙いのご令嬢に申し訳ないわ…。
早く話を終わらせれば2人はパーティーに間に合うかも?
向こうの落ち度だし、早急に婚約破棄の手続きをして、殿下とマルコ様にはパーティーに戻って貰おう!
屋敷に着くと執事のブランが玄関で待っていた。
私が王家の馬車で帰って来た事にも驚いていたが、一緒に降りて屋敷の中まで入って来たエバン殿下にも驚いている。
そのまま応接室に向かえば、ブランガ侯爵がソファーにふんぞり返って座っているのが見えた。
侯爵は謝りに来たのでは無いのだろうか?
床には正座させられ頬が赤く腫れているカイン様。
やはり殴られた様だ。
「ただいま戻りました。お待たせして申し訳御座いません」
「ああマリー、おかえ…エバン殿下!?」
「待っていたぞ!随分と遅かったなっ!んっ!?な、なぜ第3王子が一緒なのだ!?」
お父様とお母様は、慌てて席を立ち、エバン殿下にソファーを勧める。
ブランガ侯爵は、殿下の訪問に驚いているが席を立たない。
「突然の訪問ですまないね。マリーを送って来たらブランガ侯爵が来ていると聞いてね。ああ突然、勝手に来たのだから、そんなに気を遣わないでくれグランド伯爵」
そうは言われても殿下が座らないとお父様もお母様も座る事が出来ない。
悪いね。と言いながら今まで両親が座っていた3人掛けのソファーに座り、私に隣に座る様にとポンッポンッと叩いた。
殿下は、真ん中の1人掛けに座ると思っていた周りの者は驚いたが、1人掛けにはお父様が座り、お母様は私の横に座った。
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