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エバン殿下とのダンスが終わり、喉を潤す為に飲み物を取りに私達はテーブルへと向かう。
「おいっ!お前どういうつもりだ!?俺という婚約者がいながら他の男と…「そう言う君も婚約者を蔑ろにして他の令嬢をエスコートしているけれど、それはどういう事だ?」
エバン殿下に痛い所を着かれカイン様は言葉に詰まる。
「わたくしはカイン様が迎えに来て下さると思い、屋敷でずっと待っておりました。なぜ事前にエスコートは出来ないと教えて下さらなかったのですか?」
「う、うるさい!俺はお前みたいな奴と婚約なんてしたくなかった。お前の父親がどうしてもと父上に泣き付いたから仕方無く父上が受け入れたんだ。まったくお前の父親も高位貴族とのパイプが欲しいからとお前の様な女を俺の婚約者になんて図々しいにも程があるだろう。泣き落としてまで婚姻を結ぼうなんて貴族のする事か!?情けない男だっ!」
この人は何を言っているのだろう?
お父様が泣いて頼んだ?こんな人にお父様を侮辱されるなんて許せない!
私は皆に聞こえる様に大きな声でカインに問いかけた。
「まぁっ!カイン様は、私の父がブランガ侯爵に私との婚約を泣いて頼んだと言うのですか!?それは誰から聞いたのでしょう?」
「父上が俺に謝りながら言っていた。泣き付かれて断れなかったとなっ!」
「それは可笑しいですね?わたくしは父からブランガ侯爵に頼まれ格上からの申し入れの為に断れなかったと言われましたが?」
「そんな事有るかっ!!なぜ我が侯爵家が伯爵家に頼まなきゃいけない。父上を侮辱するなっ!」
「貴方こそわたくしの父を侮辱しないで下さいませ!!」
「お前の様な女と結婚なんて出来るかぁー!!婚約は破棄だ!!父上を侮辱した慰謝料はきっちり払って貰うぞ!!」
「婚約破棄は勿論喜んでお受け致しますわ!貴方が父を公の場で侮辱したのです。わたくしと父への慰謝料は払って貰いますから、そのおつもりで。早く帰って侯爵に婚約破棄をお伝えした方が宜しいのでは?殴られない事を心より祈って下りますわ」
カインは激怒し、モニカを置いて帰ってしまった。
私は、ドッと疲れが出たのか、頭に血が登って仕舞ったせいなのか立ち眩みをお越しふらつく。
それをエバン殿下は優しく抱き止め支えてくれた。
「ありがとうございます。殿下の目の前で醜態を晒してしまい大変申し訳御座いません。わたくしも先にお暇させて頂きます」
「君は父上の為に戦ったんだもの。とてもかっこ良かったよ。さすが私が見初めた…コホンッ。それに私が迎えに行ったのだから馬車が無いよ。君が帰りたいのなら送って行こう」
私と一緒に、こんなに早く帰ったら休暇明けのご令嬢達が恐い。
「あの…少し休んだら大丈夫だと思います。椅子に座って休んで居ますので、殿下はパーティーを楽しんで下さい」
そう言ったのに、なぜ貴方は私に付いて来て、私の横に座っているのです!?
ほら、ご令嬢がダンスの誘いに来ましたよ?
えっ!?な、なぜ断るのです?
ああ…ご令嬢が私を睨んでから去って行きます…。
殿下は学園長に呼ばれ嫌そうに席を立った。
やっと落ち着け…ませんね。
ご令嬢達に付いて来る様に言われちゃいましたぁ。
「おいっ!お前どういうつもりだ!?俺という婚約者がいながら他の男と…「そう言う君も婚約者を蔑ろにして他の令嬢をエスコートしているけれど、それはどういう事だ?」
エバン殿下に痛い所を着かれカイン様は言葉に詰まる。
「わたくしはカイン様が迎えに来て下さると思い、屋敷でずっと待っておりました。なぜ事前にエスコートは出来ないと教えて下さらなかったのですか?」
「う、うるさい!俺はお前みたいな奴と婚約なんてしたくなかった。お前の父親がどうしてもと父上に泣き付いたから仕方無く父上が受け入れたんだ。まったくお前の父親も高位貴族とのパイプが欲しいからとお前の様な女を俺の婚約者になんて図々しいにも程があるだろう。泣き落としてまで婚姻を結ぼうなんて貴族のする事か!?情けない男だっ!」
この人は何を言っているのだろう?
お父様が泣いて頼んだ?こんな人にお父様を侮辱されるなんて許せない!
私は皆に聞こえる様に大きな声でカインに問いかけた。
「まぁっ!カイン様は、私の父がブランガ侯爵に私との婚約を泣いて頼んだと言うのですか!?それは誰から聞いたのでしょう?」
「父上が俺に謝りながら言っていた。泣き付かれて断れなかったとなっ!」
「それは可笑しいですね?わたくしは父からブランガ侯爵に頼まれ格上からの申し入れの為に断れなかったと言われましたが?」
「そんな事有るかっ!!なぜ我が侯爵家が伯爵家に頼まなきゃいけない。父上を侮辱するなっ!」
「貴方こそわたくしの父を侮辱しないで下さいませ!!」
「お前の様な女と結婚なんて出来るかぁー!!婚約は破棄だ!!父上を侮辱した慰謝料はきっちり払って貰うぞ!!」
「婚約破棄は勿論喜んでお受け致しますわ!貴方が父を公の場で侮辱したのです。わたくしと父への慰謝料は払って貰いますから、そのおつもりで。早く帰って侯爵に婚約破棄をお伝えした方が宜しいのでは?殴られない事を心より祈って下りますわ」
カインは激怒し、モニカを置いて帰ってしまった。
私は、ドッと疲れが出たのか、頭に血が登って仕舞ったせいなのか立ち眩みをお越しふらつく。
それをエバン殿下は優しく抱き止め支えてくれた。
「ありがとうございます。殿下の目の前で醜態を晒してしまい大変申し訳御座いません。わたくしも先にお暇させて頂きます」
「君は父上の為に戦ったんだもの。とてもかっこ良かったよ。さすが私が見初めた…コホンッ。それに私が迎えに行ったのだから馬車が無いよ。君が帰りたいのなら送って行こう」
私と一緒に、こんなに早く帰ったら休暇明けのご令嬢達が恐い。
「あの…少し休んだら大丈夫だと思います。椅子に座って休んで居ますので、殿下はパーティーを楽しんで下さい」
そう言ったのに、なぜ貴方は私に付いて来て、私の横に座っているのです!?
ほら、ご令嬢がダンスの誘いに来ましたよ?
えっ!?な、なぜ断るのです?
ああ…ご令嬢が私を睨んでから去って行きます…。
殿下は学園長に呼ばれ嫌そうに席を立った。
やっと落ち着け…ませんね。
ご令嬢達に付いて来る様に言われちゃいましたぁ。
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