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「マリー、大丈夫?あれが君の婚約者だよね?」
「エバン殿下。お恥ずかしい所を御見せして申し訳御座いません」
私を心配して声を掛けて来たのは、今年3年になられた第3王子のエバン殿下。
この学園の生徒会長も務めている。
私は先生の推薦で生徒会の書記をする事になり、エバン殿下と話す様になった。
「君の婚約者、余り良い事を聞かないね。婚約者が居るのに平気で男爵令嬢と腕を組んで歩いているとか…。私から注意しようか?」
「御気遣い頂きありがとうございます。ですが大丈夫です」
余り無理をしないでね。困った事が有ったら相談して!とエバン殿下は言って帰られた。
エバン殿下の思い遣りが少しでもカイン様にも有ったなら…。
そんな事を思っても時間の無駄ね!
私は鞄に教科書を仕舞うと馬車へと急いだ。
今から急いで行けば、まだ商会の閉店前には着ける。
売り上げ報告書を貰ったら屋敷に戻って食事の時間前に少しノートを纏めて…。
どうせテスト勉強をするのだし、ノートを纏めればテスト勉強になる。
カイン様が、少しでも良い点数を取って、せめてBクラスに上がって欲しいなぁ~。
「カイン様。こちらがテスト1日目の教科のノートになります」
差し出したノートを無言で受け取り、パラパラと中を確認している。
「カイン、そのノートはなぁに?」
「テスト範囲を纏めたノートだ。放課後、2人で勉強しよう!」
「え~カインは、すぐに違う勉強を始めようとするじゃん♪」
「モニカも違う勉強が好きだろう!?」
「やぁだ~♪カインたら、婚約者の前なのにぃ~」
違う勉強!?はて、どんな勉強なのでしょう?
それでカイン様の成績が上がるのなら良いのですが。
お礼も言わずに2人は相変わらず仲良く腕を組み笑いながら去っていった。
「マリー!何で怒らないんだ?あれは怒って良いだろう!」
「エバン殿下、おはようございます。カイン様がモニカさんと仲が良いのはいつもの事です。怒る程の事では…「…ああ、そうか。うん、マリーらしいね。それでも放って置けない問題だな…マルコ、少し調べてくれる」
エバン殿下の側近であるマルコは御意と言うと、足早にどこかへ行ってしまった。
「エバン殿下。お恥ずかしい所を御見せして申し訳御座いません」
私を心配して声を掛けて来たのは、今年3年になられた第3王子のエバン殿下。
この学園の生徒会長も務めている。
私は先生の推薦で生徒会の書記をする事になり、エバン殿下と話す様になった。
「君の婚約者、余り良い事を聞かないね。婚約者が居るのに平気で男爵令嬢と腕を組んで歩いているとか…。私から注意しようか?」
「御気遣い頂きありがとうございます。ですが大丈夫です」
余り無理をしないでね。困った事が有ったら相談して!とエバン殿下は言って帰られた。
エバン殿下の思い遣りが少しでもカイン様にも有ったなら…。
そんな事を思っても時間の無駄ね!
私は鞄に教科書を仕舞うと馬車へと急いだ。
今から急いで行けば、まだ商会の閉店前には着ける。
売り上げ報告書を貰ったら屋敷に戻って食事の時間前に少しノートを纏めて…。
どうせテスト勉強をするのだし、ノートを纏めればテスト勉強になる。
カイン様が、少しでも良い点数を取って、せめてBクラスに上がって欲しいなぁ~。
「カイン様。こちらがテスト1日目の教科のノートになります」
差し出したノートを無言で受け取り、パラパラと中を確認している。
「カイン、そのノートはなぁに?」
「テスト範囲を纏めたノートだ。放課後、2人で勉強しよう!」
「え~カインは、すぐに違う勉強を始めようとするじゃん♪」
「モニカも違う勉強が好きだろう!?」
「やぁだ~♪カインたら、婚約者の前なのにぃ~」
違う勉強!?はて、どんな勉強なのでしょう?
それでカイン様の成績が上がるのなら良いのですが。
お礼も言わずに2人は相変わらず仲良く腕を組み笑いながら去っていった。
「マリー!何で怒らないんだ?あれは怒って良いだろう!」
「エバン殿下、おはようございます。カイン様がモニカさんと仲が良いのはいつもの事です。怒る程の事では…「…ああ、そうか。うん、マリーらしいね。それでも放って置けない問題だな…マルコ、少し調べてくれる」
エバン殿下の側近であるマルコは御意と言うと、足早にどこかへ行ってしまった。
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