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「シンシア、君との婚約は破棄だ!君の代わりに僕はマリアーナと婚約する事にした。これはジラルダ侯爵も了承している。姉妹間での婚約者の交代、勿論、慰謝料は無しとなる所だが、君は僕を騙していたね?まさか義妹を虐める性悪女だったとはね。慰謝料代わりにジラルダ侯爵家次期当主の座を辞退してくれれば良いよ。」
「そんな心配せずとも大丈夫ですよ、殿下。シンシア、今、殿下が仰せになられた通りマリアーナとランバルド殿下が婚約するのだ。お前は我が家に不要、よって勘当とする。」
「お言葉ですが、婚約破棄は国王陛下も承諾されているのでしょうか?皆様は本当にそれで良いのですか?」
「別に姉から妹に婚約者が変わっただけでジラルダ侯爵家との縁が切れた訳ではない。僕が愛する者と結婚したいのだと聞けば父上も喜んで承諾して下さる」
「お前がジラルダ侯爵家に居る事が、婿入りされるランバルド殿下に取って不快な物になるのだ。マリアーナもお前の目を気にして殿下と仲良く出来ぬだろう」
「貴女の母親だったあの忌々しい女も人の恋路の邪魔をする性悪女だったわ。ドナルドは、政略結婚の為にあの女と一緒にならないと行けなかった。愛する私達は貴女の母親の為に泣く泣く別れさせられたのよ。マリアーナには私達と同じ思いはさせたくない。ランバルド殿下がマリアーナを選んでくれて本当に良かったわ」
そう言うとお父様、いえジラルダ侯爵は、私との除籍届けと婚約解消届け、そしてマリアーナとランバルド殿下の婚約届けにサインした。
婚約に関する書類には国王陛下の承諾がいる。
ランバルド殿下とマリアーナの婚約が許可されるかなど、もう私には関係がない。
それに、叔母様がすでに動いてくれている筈だから私には何の問題ない。
私を嘲笑って喜んでいる4人の声が可笑しくて笑いを堪えた。
いつまで貴方達は笑っていられるのかしらね♪
お父様もお義母様が、マリアーナを溺愛し、マリアーナの望みは全て叶えているのは分かっていた。
でも、まさかマリアーナがランバルド殿下との婚約を望んだからと私との婚約を解消させるなんて思いもしなかった。
私とランバルド殿下との婚約は王命。
勝手に婚約破棄など出来るものではない。
義母は政略結婚と簡単に言ったが、父と母の結婚も王命だった。
祖父は、父が母と婚約しないのであれば当主の座を次男にすると告げた。
父は、義母よりも当主の座を選んだのだ。
「早々に屋敷から出て行け!」
言われなくても出て行きますわよ。
貴方達と同じ屋敷になど住みたく有りませんもの。
「身ぐるみ一つで出て行きなさい。貴女の貴金属類はジラルダ侯爵家の物。持ち出す事は許さないわよ!」
持ち出しませんよ。
どうせ私の元に来るのですから。
お義母様がお父様に強請って買って貰ったネックレスもマリアーナが私から奪ったブローチも、全て私の物になりますから。
この屋敷の全ての物を併せても、支払いには足りそうに有りませんがね。
「お義姉様、何を笑っているの?ランバルド様に振られたショックで気で触れたのかしら。それとも平民になるショックからかしら?でも、しょうがないわよね。ランバルド様は私が好きだと言うし。この家にお義姉様は不要なのよ、うふふ♪」
私が笑っているのは、貴方達の行く末を考えたからよ。
「シンシア、君は可愛げも無ければ融通も利かない。その上、自分より可愛いからとマリアーナを虐めるなんて、そんな恐ろしい女と結婚などすれば、僕は不幸になるだけだ。僕は愛するマリアーナと結婚してジラルダ侯爵を継ぎ幸せになるんだ!」
私がマリアーナを虐めてた?虐められてたの間違いですがね。
マリアーナを選んだ事で不幸まっしぐらですが…まあ貴方が不幸になろうと私には関係有りませんものね。
ああ人の幸せは人其々…もしかしたらマリアーナと暮らせるだけで貴方には幸せかも知れませんね。
さて、そろそろ執事のカルロが出した早馬で知らせを受けた迎えが来るはず。
カルロをチラッと見れば頷いた。
「では、わたくしはそろそろ御暇しようと存じます。ランバルド殿下、ジラルダ侯爵様、御機嫌よう」
私は、身を翻し応接室を出た。
4人の歓喜の声が聞こえる。
本当に愚かな人達だ事。
カルロと共に裏口を出れば、裏門の前に馬車が停まるのが見えた。
表門ではバレてしまうので、裏で待機する様に伝えてあった。
「ではカルロ、後は宜しくね」
「はい、お嬢様。お気を付けて行ってらっしゃいませ」
馬車は走り出す。
向かう先は、この国で一番大きな城。
そこには、この国で一番偉い人が住んでいる。
「そんな心配せずとも大丈夫ですよ、殿下。シンシア、今、殿下が仰せになられた通りマリアーナとランバルド殿下が婚約するのだ。お前は我が家に不要、よって勘当とする。」
「お言葉ですが、婚約破棄は国王陛下も承諾されているのでしょうか?皆様は本当にそれで良いのですか?」
「別に姉から妹に婚約者が変わっただけでジラルダ侯爵家との縁が切れた訳ではない。僕が愛する者と結婚したいのだと聞けば父上も喜んで承諾して下さる」
「お前がジラルダ侯爵家に居る事が、婿入りされるランバルド殿下に取って不快な物になるのだ。マリアーナもお前の目を気にして殿下と仲良く出来ぬだろう」
「貴女の母親だったあの忌々しい女も人の恋路の邪魔をする性悪女だったわ。ドナルドは、政略結婚の為にあの女と一緒にならないと行けなかった。愛する私達は貴女の母親の為に泣く泣く別れさせられたのよ。マリアーナには私達と同じ思いはさせたくない。ランバルド殿下がマリアーナを選んでくれて本当に良かったわ」
そう言うとお父様、いえジラルダ侯爵は、私との除籍届けと婚約解消届け、そしてマリアーナとランバルド殿下の婚約届けにサインした。
婚約に関する書類には国王陛下の承諾がいる。
ランバルド殿下とマリアーナの婚約が許可されるかなど、もう私には関係がない。
それに、叔母様がすでに動いてくれている筈だから私には何の問題ない。
私を嘲笑って喜んでいる4人の声が可笑しくて笑いを堪えた。
いつまで貴方達は笑っていられるのかしらね♪
お父様もお義母様が、マリアーナを溺愛し、マリアーナの望みは全て叶えているのは分かっていた。
でも、まさかマリアーナがランバルド殿下との婚約を望んだからと私との婚約を解消させるなんて思いもしなかった。
私とランバルド殿下との婚約は王命。
勝手に婚約破棄など出来るものではない。
義母は政略結婚と簡単に言ったが、父と母の結婚も王命だった。
祖父は、父が母と婚約しないのであれば当主の座を次男にすると告げた。
父は、義母よりも当主の座を選んだのだ。
「早々に屋敷から出て行け!」
言われなくても出て行きますわよ。
貴方達と同じ屋敷になど住みたく有りませんもの。
「身ぐるみ一つで出て行きなさい。貴女の貴金属類はジラルダ侯爵家の物。持ち出す事は許さないわよ!」
持ち出しませんよ。
どうせ私の元に来るのですから。
お義母様がお父様に強請って買って貰ったネックレスもマリアーナが私から奪ったブローチも、全て私の物になりますから。
この屋敷の全ての物を併せても、支払いには足りそうに有りませんがね。
「お義姉様、何を笑っているの?ランバルド様に振られたショックで気で触れたのかしら。それとも平民になるショックからかしら?でも、しょうがないわよね。ランバルド様は私が好きだと言うし。この家にお義姉様は不要なのよ、うふふ♪」
私が笑っているのは、貴方達の行く末を考えたからよ。
「シンシア、君は可愛げも無ければ融通も利かない。その上、自分より可愛いからとマリアーナを虐めるなんて、そんな恐ろしい女と結婚などすれば、僕は不幸になるだけだ。僕は愛するマリアーナと結婚してジラルダ侯爵を継ぎ幸せになるんだ!」
私がマリアーナを虐めてた?虐められてたの間違いですがね。
マリアーナを選んだ事で不幸まっしぐらですが…まあ貴方が不幸になろうと私には関係有りませんものね。
ああ人の幸せは人其々…もしかしたらマリアーナと暮らせるだけで貴方には幸せかも知れませんね。
さて、そろそろ執事のカルロが出した早馬で知らせを受けた迎えが来るはず。
カルロをチラッと見れば頷いた。
「では、わたくしはそろそろ御暇しようと存じます。ランバルド殿下、ジラルダ侯爵様、御機嫌よう」
私は、身を翻し応接室を出た。
4人の歓喜の声が聞こえる。
本当に愚かな人達だ事。
カルロと共に裏口を出れば、裏門の前に馬車が停まるのが見えた。
表門ではバレてしまうので、裏で待機する様に伝えてあった。
「ではカルロ、後は宜しくね」
「はい、お嬢様。お気を付けて行ってらっしゃいませ」
馬車は走り出す。
向かう先は、この国で一番大きな城。
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