9 / 9
9
しおりを挟む
「カルラス・ドリス・インデグラスの婚約者をシュリアーナ・リレッセロ侯爵令嬢とする。」
国王陛下の有り難い(?)お言葉を賜り、私達は嫌でも受けるしかない。
一応ね、お父様も「うちの様な後ろ盾にもなれない様な家よりも、カルラス殿下に相応しいご令嬢を選ばれた方が…」と、不敬にならない様にやんわりと言ってはくれたのよ。
でも無理でしたぁー。
国王陛下、王妃様、手強いわっ!
なんだかんだ考えているうちに、無事に婚約の誓約も終わっておりました。
3ヶ月後には発表パーティーも執り行われるそうです、はい。
王妃様はノリノリで、私のドレスは王妃様が選び贈ってくれるとか。
「さぁこれからは、大人は大人で。あなた達は親交を深める為に、2人で庭園に行ってらっしゃい♪」と送り出されてしまいました。
「行こうか、シュリ…シュリアーナ嬢。今は、君の好きな薔薇が咲き誇っている。今年は特に………」
待って、今、カルラス殿下は、私の好きな薔薇と言った?
なぜ殿下が知っているの?
それに、やはり私の事を愛称呼びしそうになっていた。
「どうした?シュリアーナ嬢。気分でも悪いのか?」
えぇーい!女は度胸。
「カルラス殿下は、もしかして前世の記憶があるのですか?」
「えっ?な、何を?ぜ、前世の記憶?前世の記憶はない。」
焦っていますが、嘘かもしれないけど、前世の記憶はないと言った。
じゃあなぜ???
「君は、前世の記憶があるのか?」
あっ!そう来るよね…。う~ん、正直に答えるのが良いのかしら?
黙って考え込む私を、カルラス殿下も黙って見て考えていた。
「少し、お茶でも飲みながら話そうか…。」
従者に指示を出し、四阿にお茶の準備をさせると、従者達を会話の聞こえぬ位置まで下がらせた。
「シュリアーナ嬢、私は君に謝りたいとずっと思っていた。君は信じられないかも知れないが、私は君を裏切り、死なせてしまった。謝っても許される事ではないと分かっている。分かっているが、どうか謝らせて欲しい!」
私を裏切り、死なせる?
それは、これから起こる10年後の事を言っているのかしら?
彼も、転生者で小説を知っているのかもしれない。
「カルラス殿下も、小説を知る転生者なのですか?」
「転生者?転生者とは?……シュリアーナ嬢、小説の話しではない。信じられないかもしれないが、私は人生を巻き戻ったんだ。君が処刑されて5年後に私も処刑され死んだ。確かに死んだはずだったんだ。だが、目覚めると婚約者を決めるお茶会の朝に戻っていた。」
なんと、カルラス殿下は、巻き戻り者!?
えっ!?私が転生者で、カルラス殿下が巻き戻り。
一体どうなっているの?
教えて神様!!
国王陛下の有り難い(?)お言葉を賜り、私達は嫌でも受けるしかない。
一応ね、お父様も「うちの様な後ろ盾にもなれない様な家よりも、カルラス殿下に相応しいご令嬢を選ばれた方が…」と、不敬にならない様にやんわりと言ってはくれたのよ。
でも無理でしたぁー。
国王陛下、王妃様、手強いわっ!
なんだかんだ考えているうちに、無事に婚約の誓約も終わっておりました。
3ヶ月後には発表パーティーも執り行われるそうです、はい。
王妃様はノリノリで、私のドレスは王妃様が選び贈ってくれるとか。
「さぁこれからは、大人は大人で。あなた達は親交を深める為に、2人で庭園に行ってらっしゃい♪」と送り出されてしまいました。
「行こうか、シュリ…シュリアーナ嬢。今は、君の好きな薔薇が咲き誇っている。今年は特に………」
待って、今、カルラス殿下は、私の好きな薔薇と言った?
なぜ殿下が知っているの?
それに、やはり私の事を愛称呼びしそうになっていた。
「どうした?シュリアーナ嬢。気分でも悪いのか?」
えぇーい!女は度胸。
「カルラス殿下は、もしかして前世の記憶があるのですか?」
「えっ?な、何を?ぜ、前世の記憶?前世の記憶はない。」
焦っていますが、嘘かもしれないけど、前世の記憶はないと言った。
じゃあなぜ???
「君は、前世の記憶があるのか?」
あっ!そう来るよね…。う~ん、正直に答えるのが良いのかしら?
黙って考え込む私を、カルラス殿下も黙って見て考えていた。
「少し、お茶でも飲みながら話そうか…。」
従者に指示を出し、四阿にお茶の準備をさせると、従者達を会話の聞こえぬ位置まで下がらせた。
「シュリアーナ嬢、私は君に謝りたいとずっと思っていた。君は信じられないかも知れないが、私は君を裏切り、死なせてしまった。謝っても許される事ではないと分かっている。分かっているが、どうか謝らせて欲しい!」
私を裏切り、死なせる?
それは、これから起こる10年後の事を言っているのかしら?
彼も、転生者で小説を知っているのかもしれない。
「カルラス殿下も、小説を知る転生者なのですか?」
「転生者?転生者とは?……シュリアーナ嬢、小説の話しではない。信じられないかもしれないが、私は人生を巻き戻ったんだ。君が処刑されて5年後に私も処刑され死んだ。確かに死んだはずだったんだ。だが、目覚めると婚約者を決めるお茶会の朝に戻っていた。」
なんと、カルラス殿下は、巻き戻り者!?
えっ!?私が転生者で、カルラス殿下が巻き戻り。
一体どうなっているの?
教えて神様!!
111
お気に入りに追加
240
この作品は感想を受け付けておりません。
あなたにおすすめの小説


悪役令嬢だったので、身の振り方を考えたい。
しぎ
恋愛
カーティア・メラーニはある日、自分が悪役令嬢であることに気づいた。
断罪イベントまではあと数ヶ月、ヒロインへのざまぁ返しを計画…せずに、カーティアは大好きな読書を楽しみながら、修道院のパンフレットを取り寄せるのだった。悪役令嬢としての日々をカーティアがのんびり過ごしていると、不仲だったはずの婚約者との距離がだんだんおかしくなってきて…。

【完結】私の事は気にせずに、そのままイチャイチャお続け下さいませ ~私も婚約解消を目指して頑張りますから~
山葵
恋愛
ガルス侯爵家の令嬢である わたくしミモルザには、婚約者がいる。
この国の宰相である父を持つ、リブルート侯爵家嫡男レイライン様。
父同様、優秀…と期待されたが、顔は良いが頭はイマイチだった。
顔が良いから、女性にモテる。
わたくしはと言えば、頭は、まぁ優秀な方になるけれど、顔は中の上位!?
自分に釣り合わないと思っているレイラインは、ミモルザの見ているのを知っていて今日も美しい顔の令嬢とイチャイチャする。
*沢山の方に読んで頂き、ありがとうございます。m(_ _)m

【完結】悪役令嬢マルガリータは死んだ
yanako
恋愛
悪役令嬢マルガリータ
彼女は本当に悪役令嬢だったのか
公爵令嬢マルガリータは第二王子ジャレスの婚約者
そこにあるのは、相互利益
マルガリータは婚約者にも親にも愛されずに、ただ利用されるだけだった

何やってんのヒロイン
ネコフク
恋愛
前世の記憶を持っている侯爵令嬢のマユリカは第二王子であるサリエルの婚約者。
自分が知ってる乙女ゲームの世界に転生しているときづいたのは幼少期。悪役令嬢だなーでもまあいっか、とのんきに過ごしつつヒロインを監視。
始めは何事もなかったのに学園に入る半年前から怪しくなってきて・・・
それに婚約者の王子がおかんにジョブチェンジ。めっちゃ甲斐甲斐しくお世話されてるんですけど。どうしてこうなった。
そんな中とうとうヒロインが入学する年に。
・・・え、ヒロイン何してくれてんの?

ヒロインの味方のモブ令嬢は、ヒロインを見捨てる
mios
恋愛
ヒロインの味方をずっとしておりました。前世の推しであり、やっと出会えたのですから。でもね、ちょっとゲームと雰囲気が違います。
どうやらヒロインに利用されていただけのようです。婚約者?熨斗つけてお渡ししますわ。
金の切れ目は縁の切れ目。私、鞍替え致します。
ヒロインの味方のモブ令嬢が、ヒロインにいいように利用されて、悪役令嬢に助けを求めたら、幸せが待っていた話。


ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる