8 / 9
8
しおりを挟む
行きたくないと思っていても、嫌でも寝れば登城する日はやって来る。
頭が痛い!お腹が痛い!気持ちが悪い!と言ってみようか…。
でもなぁー謁見する日が延びるだけで、婚約がなくなるわけではないのだ。
えぇーい!女は度胸だっ!!
「まぁシュリアーナお嬢様、今日はお早いお目覚めなのですね!第一王子殿下とお会いするのが楽しみで眠れなかったのですか?」
いつもは起こさないと起きない私が自ら起きていたせいか、侍女のリリーは、私がカルラス殿下に会うのが楽しみで早起きしたと勘違いしている様だ。
逆だから、登城するのが憂鬱で眠れなかっただけだからね。
はっきり言って寝不足です!
「皆様と朝食を済まされましたら、登城の準備に掛かる予定です。今日は、この前よりも更に可愛く仕上げますね♪」
リリーの気合いの入れ様に、いつも通りで普通で良いから。なんなら手抜きしても良いよ!なんて言えないよね…。
はい、もう磨きに磨かれ、髪も肌もツヤツヤになりましたよ!
私6歳よ。元から髪も肌もツヤツヤなのに、もうツヤツヤピカピカよ。
(おぉ~!なんて凄いの侍女達。)
「シュリ~なんて可愛いんだぁ~。カルラス殿下にやるのは勿体ないなぁ~」
「あなた、シュリが可愛いのは分かりますが、そんな事を言ったら不敬になりますわよ。」
「シュリ、シュリ、僕のシュリ!無理して嫁ぐ必要は無いんだよ。いつまでもリレッセロ家で兄様と一緒に暮らそう!」
「ルイ!あなたまでお父様と同じにならないで!そんな事を言っていると貴方の婚約者が見つかりませんよ!」
お母様は、呆れた様にお父様とルイお兄様を見ていた。
「さぁシュリ、こんな2人は放っておいて出掛けましよう!」
私達が歩き出すと、お父様は我に返り慌てて付いてきた。
今日もルイお兄様はお留守番だ。
馬車で揺れる事20分、着いて欲しくない王宮に到着する。
嫌だぁー!カルラス殿下に会いたくない!と顔が強張ってしまったせいか、お父様とお母様は、私が緊張していると勘違いしているみたい。
「シュリ、お父様もお母様も一緒に居るから大丈夫よ。」とお母様に優しく抱き締められて、泣きそうになりながらも頑張らないと行けないと自分に言い聞かせる。
(大丈夫!私は小説の中のシュリアーナと違う。)
謁見室に通されると思っていたら、連れて行かれたのは応接室。
国王陛下、王妃殿下、カルラス殿下が先に応接室で私達を待っていたのには驚いた。
慌てて礼をしようとする私達に国王陛下は「待っていたぞ!ジェル。あぁ礼は良い。」と友達と話している様な態度に更に驚く。
「あぁ~クラリス!もう貴方ったら全然会いに来てくれないんだもの、寂しかったわぁ~!」と王妃殿下は、お母様に抱きついている。
そして私をジッと見つめるカルラス殿下。
その瞳が、泣きそうに見えるのはなぜなのかしら?
頭が痛い!お腹が痛い!気持ちが悪い!と言ってみようか…。
でもなぁー謁見する日が延びるだけで、婚約がなくなるわけではないのだ。
えぇーい!女は度胸だっ!!
「まぁシュリアーナお嬢様、今日はお早いお目覚めなのですね!第一王子殿下とお会いするのが楽しみで眠れなかったのですか?」
いつもは起こさないと起きない私が自ら起きていたせいか、侍女のリリーは、私がカルラス殿下に会うのが楽しみで早起きしたと勘違いしている様だ。
逆だから、登城するのが憂鬱で眠れなかっただけだからね。
はっきり言って寝不足です!
「皆様と朝食を済まされましたら、登城の準備に掛かる予定です。今日は、この前よりも更に可愛く仕上げますね♪」
リリーの気合いの入れ様に、いつも通りで普通で良いから。なんなら手抜きしても良いよ!なんて言えないよね…。
はい、もう磨きに磨かれ、髪も肌もツヤツヤになりましたよ!
私6歳よ。元から髪も肌もツヤツヤなのに、もうツヤツヤピカピカよ。
(おぉ~!なんて凄いの侍女達。)
「シュリ~なんて可愛いんだぁ~。カルラス殿下にやるのは勿体ないなぁ~」
「あなた、シュリが可愛いのは分かりますが、そんな事を言ったら不敬になりますわよ。」
「シュリ、シュリ、僕のシュリ!無理して嫁ぐ必要は無いんだよ。いつまでもリレッセロ家で兄様と一緒に暮らそう!」
「ルイ!あなたまでお父様と同じにならないで!そんな事を言っていると貴方の婚約者が見つかりませんよ!」
お母様は、呆れた様にお父様とルイお兄様を見ていた。
「さぁシュリ、こんな2人は放っておいて出掛けましよう!」
私達が歩き出すと、お父様は我に返り慌てて付いてきた。
今日もルイお兄様はお留守番だ。
馬車で揺れる事20分、着いて欲しくない王宮に到着する。
嫌だぁー!カルラス殿下に会いたくない!と顔が強張ってしまったせいか、お父様とお母様は、私が緊張していると勘違いしているみたい。
「シュリ、お父様もお母様も一緒に居るから大丈夫よ。」とお母様に優しく抱き締められて、泣きそうになりながらも頑張らないと行けないと自分に言い聞かせる。
(大丈夫!私は小説の中のシュリアーナと違う。)
謁見室に通されると思っていたら、連れて行かれたのは応接室。
国王陛下、王妃殿下、カルラス殿下が先に応接室で私達を待っていたのには驚いた。
慌てて礼をしようとする私達に国王陛下は「待っていたぞ!ジェル。あぁ礼は良い。」と友達と話している様な態度に更に驚く。
「あぁ~クラリス!もう貴方ったら全然会いに来てくれないんだもの、寂しかったわぁ~!」と王妃殿下は、お母様に抱きついている。
そして私をジッと見つめるカルラス殿下。
その瞳が、泣きそうに見えるのはなぜなのかしら?
91
お気に入りに追加
235
あなたにおすすめの小説

悪役令嬢だったので、身の振り方を考えたい。
しぎ
恋愛
カーティア・メラーニはある日、自分が悪役令嬢であることに気づいた。
断罪イベントまではあと数ヶ月、ヒロインへのざまぁ返しを計画…せずに、カーティアは大好きな読書を楽しみながら、修道院のパンフレットを取り寄せるのだった。悪役令嬢としての日々をカーティアがのんびり過ごしていると、不仲だったはずの婚約者との距離がだんだんおかしくなってきて…。

私に婚約者がいたらしい
来栖りんご
恋愛
学園に通っている公爵家令嬢のアリスは親友であるソフィアと話をしていた。ソフィアが言うには私に婚約者がいると言う。しかし私には婚約者がいる覚えがないのだが…。遂に婚約者と屋敷での生活が始まったが私に回復魔法が使えることが発覚し、トラブルに巻き込まれていく。

【完結】私の事は気にせずに、そのままイチャイチャお続け下さいませ ~私も婚約解消を目指して頑張りますから~
山葵
恋愛
ガルス侯爵家の令嬢である わたくしミモルザには、婚約者がいる。
この国の宰相である父を持つ、リブルート侯爵家嫡男レイライン様。
父同様、優秀…と期待されたが、顔は良いが頭はイマイチだった。
顔が良いから、女性にモテる。
わたくしはと言えば、頭は、まぁ優秀な方になるけれど、顔は中の上位!?
自分に釣り合わないと思っているレイラインは、ミモルザの見ているのを知っていて今日も美しい顔の令嬢とイチャイチャする。
*沢山の方に読んで頂き、ありがとうございます。m(_ _)m


【短編】白い結婚の行く末~戦地から戻った夫は、妻の秘密を持って帰りました~
八重
恋愛
「悪いが、君を愛することはない」
フェリシア・リズ・デュヴィラール王女は結婚式後の初夜に、夫の第一王子オリヴァー・ローゼクラインからそう言われた。
この結婚はいわゆる政略結婚の一環でなされたもので、二国間の友好の証として王女と王子の結婚がおこなわれた。
結婚から半年、オリヴァーの戦地入りが決まる。
そして無事に一年後に彼は帰還した。
フェリシアの秘密を持って──。
※小説家になろうでは、連載をしております

そのハッピーエンドに物申します!
あや乃
恋愛
社畜OLだった私は過労死後、ガチ恋相手のいる乙女ゲームに推しキャラ、悪役令嬢として異世界転生した。
でも何だか様子が変……何と私が前世を思い出したのは大好きな第一王子が断罪されるざまあの真っ最中!
そんなことはさせない! ここから私がざまあをひっくり返して見せる!
と、転生ほやほやの悪役令嬢が奮闘する(でも裏では王子も相当頑張っていた)お話。
※「小説家になろう」さまにも掲載中
初投稿作品です。よろしくお願いします!

ヒロインの味方のモブ令嬢は、ヒロインを見捨てる
mios
恋愛
ヒロインの味方をずっとしておりました。前世の推しであり、やっと出会えたのですから。でもね、ちょっとゲームと雰囲気が違います。
どうやらヒロインに利用されていただけのようです。婚約者?熨斗つけてお渡ししますわ。
金の切れ目は縁の切れ目。私、鞍替え致します。
ヒロインの味方のモブ令嬢が、ヒロインにいいように利用されて、悪役令嬢に助けを求めたら、幸せが待っていた話。

悪女の私を愛さないと言ったのはあなたでしょう?今さら口説かれても困るので、さっさと離縁して頂けますか?
輝く魔法
恋愛
システィーナ・エヴァンスは王太子のキース・ジルベルトの婚約者として日々王妃教育に勤しみ努力していた。だがある日、妹のリリーナに嵌められ身に覚えの無い罪で婚約破棄を申し込まれる。だが、あまりにも無能な王太子のおかげで(?)冤罪は晴れ、正式に婚約も破棄される。そんな時隣国の皇太子、ユージン・ステライトから縁談が申し込まれる。もしかしたら彼に愛されるかもしれないー。そんな淡い期待を抱いて嫁いだが、ユージンもシスティーナの悪い噂を信じているようでー?
「今さら口説かれても困るんですけど…。」
後半はがっつり口説いてくる皇太子ですが結ばれません⭐︎でも一応恋愛要素はあります!ざまぁメインのラブコメって感じかなぁ。そういうのはちょっと…とか嫌だなって人はブラウザバックをお願いします(o^^o)更新も遅めかもなので続きが気になるって方は気長に待っててください。なお、これが初作品ですエヘヘ(о´∀`о)
優しい感想待ってます♪
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる