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今日のお茶会という見合いに招待されたご令嬢は、公爵家が3人、侯爵家5人、伯爵家は何と12人もいる。
王族と繋がりを持ちたい伯爵以上の貴族家は、王妃殿下が妊娠すると待っていました!とばかりに皆さん子作りに頑張ったそうです。
それから5年間は、医師がとても忙しかったとか。
なかには姉妹で参加されている家もあります。
(奥方様達、お疲れ様です。)
そんなベビーブーム、我が家も何としても娘を…との考えからでは決してない。
ルイも2歳過ぎたし、そろそろ次の子を♡と仲の良い夫婦の単純な考えであり、産まれたのが、たまたま女の子であったというだけ。
両親は、男の子でも女の子でも、五体満足で無事に生まれて来てくれれば良かったそうです。
欲のない両親の中で育ったルイ兄様と私も右に習えとばかりに欲はない。
身分相応のご令嬢、ご子息と政略結婚し、未来永劫リレッセロ侯爵家が平穏無事に続いて行けば良いと願っている。
はっきり言って侯爵家とは名ばかりのリレッセロ侯爵家。
我が家よりも財産がある伯爵家も数家あります。
そんなご令嬢は、私なんかよりもキラキラ☆フリフリして輝いている。(うっ、眩しい!!)
そんな我が家は誰一人として、私と第一王子カルラス殿下との婚約など望んでいません、きっと。
政略結婚するにしても、身分不相応な相手ではなく、身分相応な方をお父様は探してくれる筈です。
今日のお茶会も、私もお父様も普段食べる事がない、こんな機会でしか味わう事が出来ない王家御用達の最高級のお茶とお菓子を堪能しに来たのだ。(他の方達が聞いたら嘲笑われそうだけれど、うちは贅沢禁止だからね!)
帰ったら絶対に、ルイ兄様に自慢しなきゃねぇ~♪
「国王陛下、王妃殿下ならびに第一王子殿下に、ハルク・リレッセロがご挨拶申し上げます。」
「おおリレッセロ!まったくお前達夫婦は、ちっとも王宮に顔を出さんで…」
「クラリスもよ。夫婦共に最低限の催ししか顔を出さないんだもの。」
なんだか陛下も王妃様も、お父様に親しげに声を掛けているような…。
王妃様は、お母様の名前を出しているし、親しい間柄とか?
「私共を気に掛けて頂き誠に恐れ多い事で御座います。」
「ふむっ。して、その子が、お前達の娘か?」
「はい。娘のシュリアーナと申します。シュリアーナ、ご挨拶を。」
お父様に促され、私は緊張しながらも国王陛下、王妃様、カルラス殿下にご挨拶をする。
「リレッセロ侯爵家の娘、シュリアーナ・リレッセロで御座います。本日はお招き頂きありがとう御座います。」
「まぁまぁ、クラリスに似て、とても可愛いこと!ねぇ陛下もそう思いますわよね?」
私の顔を見て、王妃様が陛下にキャッキャしながら無理矢理同意を求めている気がするが…お父様を見れば苦笑している。
これは後で問い詰めなければ。
「……シュリ…」
名前を呼ばれた気がして声のした方を向けば、驚いた顔をしたカルラス殿下の顔。
(なんでそんなに驚いているの?私の顔が変だとか?)
私達が御前を失礼しようと歩き出した時に「……あぁシュリが生きている…良かった…」と小さな声でカルラス殿下が呟いたのが聞こえた。
王族と繋がりを持ちたい伯爵以上の貴族家は、王妃殿下が妊娠すると待っていました!とばかりに皆さん子作りに頑張ったそうです。
それから5年間は、医師がとても忙しかったとか。
なかには姉妹で参加されている家もあります。
(奥方様達、お疲れ様です。)
そんなベビーブーム、我が家も何としても娘を…との考えからでは決してない。
ルイも2歳過ぎたし、そろそろ次の子を♡と仲の良い夫婦の単純な考えであり、産まれたのが、たまたま女の子であったというだけ。
両親は、男の子でも女の子でも、五体満足で無事に生まれて来てくれれば良かったそうです。
欲のない両親の中で育ったルイ兄様と私も右に習えとばかりに欲はない。
身分相応のご令嬢、ご子息と政略結婚し、未来永劫リレッセロ侯爵家が平穏無事に続いて行けば良いと願っている。
はっきり言って侯爵家とは名ばかりのリレッセロ侯爵家。
我が家よりも財産がある伯爵家も数家あります。
そんなご令嬢は、私なんかよりもキラキラ☆フリフリして輝いている。(うっ、眩しい!!)
そんな我が家は誰一人として、私と第一王子カルラス殿下との婚約など望んでいません、きっと。
政略結婚するにしても、身分不相応な相手ではなく、身分相応な方をお父様は探してくれる筈です。
今日のお茶会も、私もお父様も普段食べる事がない、こんな機会でしか味わう事が出来ない王家御用達の最高級のお茶とお菓子を堪能しに来たのだ。(他の方達が聞いたら嘲笑われそうだけれど、うちは贅沢禁止だからね!)
帰ったら絶対に、ルイ兄様に自慢しなきゃねぇ~♪
「国王陛下、王妃殿下ならびに第一王子殿下に、ハルク・リレッセロがご挨拶申し上げます。」
「おおリレッセロ!まったくお前達夫婦は、ちっとも王宮に顔を出さんで…」
「クラリスもよ。夫婦共に最低限の催ししか顔を出さないんだもの。」
なんだか陛下も王妃様も、お父様に親しげに声を掛けているような…。
王妃様は、お母様の名前を出しているし、親しい間柄とか?
「私共を気に掛けて頂き誠に恐れ多い事で御座います。」
「ふむっ。して、その子が、お前達の娘か?」
「はい。娘のシュリアーナと申します。シュリアーナ、ご挨拶を。」
お父様に促され、私は緊張しながらも国王陛下、王妃様、カルラス殿下にご挨拶をする。
「リレッセロ侯爵家の娘、シュリアーナ・リレッセロで御座います。本日はお招き頂きありがとう御座います。」
「まぁまぁ、クラリスに似て、とても可愛いこと!ねぇ陛下もそう思いますわよね?」
私の顔を見て、王妃様が陛下にキャッキャしながら無理矢理同意を求めている気がするが…お父様を見れば苦笑している。
これは後で問い詰めなければ。
「……シュリ…」
名前を呼ばれた気がして声のした方を向けば、驚いた顔をしたカルラス殿下の顔。
(なんでそんなに驚いているの?私の顔が変だとか?)
私達が御前を失礼しようと歩き出した時に「……あぁシュリが生きている…良かった…」と小さな声でカルラス殿下が呟いたのが聞こえた。
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