38 / 51
38、誕生日のお返し
しおりを挟む
アレックスの誕生日パーティの二日後、あおいが家で錬成物を作っていると誰かやって来て玄関をノックした。
「おはようございます、あおい様」
「はーい」
あおいが慌てて玄関を開けると、そこにはクレイグが立っていた。
「クレイグ様、こんな早い時間に一体どうしたんですか?」
「この時間なら、あおい様もまだ家に居ると思いまして。アレックス様から、あおい様にプレゼントのお返しを持っていくよう言われましたので」
あおいは緊張した。
「え、お返しなんて良いのに。でも、一体何を下さるんですか?」
「こちらです」
クレイグは少し渋い表情で、胸元から一枚のカードを取り出した。
「こちらは王宮の入館証です。これがあれば何時でも王宮に入れます」
「え!? そんなもの貰っちゃって良いんですか!?」
あおいはカードを受け取ると、日に当てて見た。七色に光っていて綺麗だった。
「私はまだ早いと申し上げたのですが、アレックス様がどうしてもおっしゃるので……」
クレイグの眉間に皺が寄っている。あおいはアレックスに特別扱いされたようで嬉しかったが、クレイグの手前冷静を装った。
「ありがとうございます」
「くれぐれも無くしたり落としたりされませんようご注意下さい」
「なんか、特別扱いされたみたいで嬉しいですね」
「あ、ロイドさんとローラさんも持っていますよ」
「え!? 聞いてないですよ!?」
あおいは自分だけじゃ無いと知って、落胆した。
「あおい様、アレックス様は今、誕生日のプレゼントのお返しで忙しく、しばらく城からは出られません」
「そうですか。だったら、差し入れを持って私が王宮に出向きますね」
「……ご自由に。それでは私は城に戻ります」
クレイグは城に戻っていった。
「よし、素早さアップキャンディと、疲れの取れる薬草クレープを持ってアレックス様に会いに行こう!」
あおいは弾む足取りで、ぼろ屋に入ると早速キャンディとクレープを作り始めた。
「おはようございます、あおい様」
「はーい」
あおいが慌てて玄関を開けると、そこにはクレイグが立っていた。
「クレイグ様、こんな早い時間に一体どうしたんですか?」
「この時間なら、あおい様もまだ家に居ると思いまして。アレックス様から、あおい様にプレゼントのお返しを持っていくよう言われましたので」
あおいは緊張した。
「え、お返しなんて良いのに。でも、一体何を下さるんですか?」
「こちらです」
クレイグは少し渋い表情で、胸元から一枚のカードを取り出した。
「こちらは王宮の入館証です。これがあれば何時でも王宮に入れます」
「え!? そんなもの貰っちゃって良いんですか!?」
あおいはカードを受け取ると、日に当てて見た。七色に光っていて綺麗だった。
「私はまだ早いと申し上げたのですが、アレックス様がどうしてもおっしゃるので……」
クレイグの眉間に皺が寄っている。あおいはアレックスに特別扱いされたようで嬉しかったが、クレイグの手前冷静を装った。
「ありがとうございます」
「くれぐれも無くしたり落としたりされませんようご注意下さい」
「なんか、特別扱いされたみたいで嬉しいですね」
「あ、ロイドさんとローラさんも持っていますよ」
「え!? 聞いてないですよ!?」
あおいは自分だけじゃ無いと知って、落胆した。
「あおい様、アレックス様は今、誕生日のプレゼントのお返しで忙しく、しばらく城からは出られません」
「そうですか。だったら、差し入れを持って私が王宮に出向きますね」
「……ご自由に。それでは私は城に戻ります」
クレイグは城に戻っていった。
「よし、素早さアップキャンディと、疲れの取れる薬草クレープを持ってアレックス様に会いに行こう!」
あおいは弾む足取りで、ぼろ屋に入ると早速キャンディとクレープを作り始めた。
0
お気に入りに追加
237
あなたにおすすめの小説
異世界着ぐるみ転生
こまちゃも
ファンタジー
旧題:着ぐるみ転生
どこにでもいる、普通のOLだった。
会社と部屋を往復する毎日。趣味と言えば、十年以上続けているRPGオンラインゲーム。
ある日気が付くと、森の中だった。
誘拐?ちょっと待て、何この全身モフモフ!
自分の姿が、ゲームで使っていたアバター・・・二足歩行の巨大猫になっていた。
幸い、ゲームで培ったスキルや能力はそのまま。使っていたアイテムバッグも中身入り!
冒険者?そんな怖い事はしません!
目指せ、自給自足!
*小説家になろう様でも掲載中です
老女召喚〜聖女はまさかの80歳?!〜城を追い出されちゃったけど、何か若返ってるし、元気に異世界で生き抜きます!〜
二階堂吉乃
ファンタジー
瘴気に脅かされる王国があった。それを祓うことが出来るのは異世界人の乙女だけ。王国の幹部は伝説の『聖女召喚』の儀を行う。だが現れたのは1人の老婆だった。「召喚は失敗だ!」聖女を娶るつもりだった王子は激怒した。そこら辺の平民だと思われた老女は金貨1枚を与えられると、城から追い出されてしまう。実はこの老婆こそが召喚された女性だった。
白石きよ子・80歳。寝ていた布団の中から異世界に連れてこられてしまった。始めは「ドッキリじゃないかしら」と疑っていた。頼れる知り合いも家族もいない。持病の関節痛と高血圧の薬もない。しかし生来の逞しさで異世界で生き抜いていく。
後日、召喚が成功していたと分かる。王や重臣たちは慌てて老女の行方を探し始めるが、一向に見つからない。それもそのはず、きよ子はどんどん若返っていた。行方不明の老聖女を探す副団長は、黒髪黒目の不思議な美女と出会うが…。
人の名前が何故か映画スターの名になっちゃう天然系若返り聖女の冒険。全14話。
異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた
りゅう
ファンタジー
異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。
いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。
その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。
転生したけど平民でした!もふもふ達と楽しく暮らす予定です。
まゆら
ファンタジー
回収が出来ていないフラグがある中、一応完結しているというツッコミどころ満載な初めて書いたファンタジー小説です。
温かい気持ちでお読み頂けたら幸い至極であります。
異世界に転生したのはいいけど悪役令嬢とかヒロインとかになれなかった私。平民でチートもないらしい‥どうやったら楽しく異世界で暮らせますか?
魔力があるかはわかりませんが何故か神様から守護獣が遣わされたようです。
平民なんですがもしかして私って聖女候補?
脳筋美女と愛猫が繰り広げる行きあたりばったりファンタジー!なのか?
常に何処かで大食いバトルが開催中!
登場人物ほぼ甘党!
ファンタジー要素薄め!?かもしれない?
母ミレディアが実は隣国出身の聖女だとわかったので、私も聖女にならないか?とお誘いがくるとか、こないとか‥
◇◇◇◇
現在、ジュビア王国とアーライ神国のお話を見やすくなるよう改稿しております。
しばらくは、桜庵のお話が中心となりますが影の薄いヒロインを忘れないで下さい!
転生もふもふのスピンオフ!
アーライ神国のお話は、国外に追放された聖女は隣国で…
母ミレディアの娘時代のお話は、婚約破棄され国外追放になった姫は最強冒険者になり転生者の嫁になり溺愛される
こちらもよろしくお願いします。
【完結】追放された生活錬金術師は好きなようにブランド運営します!
加藤伊織
ファンタジー
(全151話予定)世界からは魔法が消えていっており、錬金術師も賢者の石や金を作ることは不可能になっている。そんな中で、生活に必要な細々とした物を作る生活錬金術は「小さな錬金術」と呼ばれていた。
カモミールは師であるロクサーヌから勧められて「小さな錬金術」の道を歩み、ロクサーヌと共に化粧品のブランドを立ち上げて成功していた。しかし、ロクサーヌの突然の死により、その息子で兄弟子であるガストンから住み込んで働いていた家を追い出される。
落ち込みはしたが幼馴染みのヴァージルや友人のタマラに励まされ、独立して工房を持つことにしたカモミールだったが、師と共に運営してきたブランドは名義がガストンに引き継がれており、全て一から出直しという状況に。
そんな中、格安で見つけた恐ろしく古い工房を買い取ることができ、カモミールはその工房で新たなスタートを切ることにした。
器具付き・格安・ただし狭くてボロい……そんな訳あり物件だったが、更におまけが付いていた。据えられた錬金釜が1000年の時を経て精霊となり、人の姿を取ってカモミールの前に現れたのだ。
失われた栄光の過去を懐かしみ、賢者の石やホムンクルスの作成に挑ませようとする錬金釜の精霊・テオ。それに対して全く興味が無い日常指向のカモミール。
過保護な幼馴染みも隣に引っ越してきて、予想外に騒がしい日常が彼女を待っていた。
これは、ポーションも作れないし冒険もしない、ささやかな錬金術師の物語である。
彼女は化粧品や石けんを作り、「ささやかな小市民」でいたつもりなのだが、品質の良い化粧品を作る彼女を周囲が放っておく訳はなく――。
毎日15:10に1話ずつ更新です。
この作品は小説家になろう様・カクヨム様・ノベルアッププラス様にも掲載しています。
ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語
Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。
チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。
その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。
さぁ、どん底から這い上がろうか
そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。
少年は英雄への道を歩き始めるのだった。
※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。
転生したらチートすぎて逆に怖い
至宝里清
ファンタジー
前世は苦労性のお姉ちゃん
愛されることを望んでいた…
神様のミスで刺されて転生!
運命の番と出会って…?
貰った能力は努力次第でスーパーチート!
番と幸せになるために無双します!
溺愛する家族もだいすき!
恋愛です!
無事1章完結しました!
集団転移した商社マン ネットスキルでスローライフしたいです!
七転び早起き
ファンタジー
「望む3つのスキルを付与してあげる」
その天使の言葉は善意からなのか?
異世界に転移する人達は何を選び、何を求めるのか?
そして主人公が○○○が欲しくて望んだスキルの1つがネットスキル。
ただし、その扱いが難しいものだった。
転移者の仲間達、そして新たに出会った仲間達と異世界を駆け巡る物語です。
基本は面白くですが、シリアスも顔を覗かせます。猫ミミ、孤児院、幼女など定番物が登場します。
○○○「これは私とのラブストーリーなの!」
主人公「いや、それは違うな」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる