2 / 2
2.新しい生活
しおりを挟む
大樹が生まれて六か月がたった。
年度が変わった。
私の実家の周辺は少子化が進んでいた。おかげで大樹を保育園に預けることができた。
そして、私は復学した。
「それじゃ、気を付けて」
「うん、大樹をお願いね。行ってきます」
実家から大学への通学時間は片道一時間半。一人暮らしの時は学校から歩いて15分のところに住んでいたから、これからは通学にずいぶん時間がとられるなと、私はため息をついた。
「せっかくだから、通学時間に英語でも勉強しようかな……」
スマホで無料の英会話レッスンアプリを検索する。聞き流す英会話とか、聞いて覚える英単語とか、よさそうだなと思った。大樹と離れているなら、その時間を将来のために有効に使いたいと私は考えた。だって、いつかは一人で大樹を育てなければいけない日が来るのだから。
久しぶりに行った学校で一番先にしたことは、軽音部に退部届を出すことだった。
「幸、サークルやめちゃうの? しばらく学校で見なかったけど何かあったの?」
「うん、ちょっとね……。これから忙しくなるから……」
元同期のバンド仲間に挨拶をして部室を出る。
「やっぱ、カイトが原因かな?」
ドア越しにそんな声が聞こえた。
私はその声を無視して、授業に向かった。
学校に通い始めて一か月。大樹も保育園に慣れてきたようだ。
保育園のお迎えは、母がしてくれている。大樹は初めのころは泣いていることが多かったけれど、最近は笑っていることがふえたと母が教えてくれた。
私は学校が休校の時には、保育園を休ませて大樹と一緒に近所の公園や児童館に遊びに行っている。今のところ私にママ友というのはいないけれど、顔見知りのお母さんは何人かできた。時々、若いね、あなた何歳? と聞かれるけれど、まだ20歳になったばかりだということは言わず、あいまいに笑ってその質問には答えなかった。
私はショートカットを維持していた。髪が長いころに比べて、シャンプーの時は格段に楽になっていたし、毎朝の身支度も髪にかける時間が短くてすむからありがたかった。
その代わり、毎月美容院に行くことになった。
指名料が惜しいので、いつも担当の美容師さんは指定しなかったけれど、伊藤さんが担当してくれることが多かった。
「幸さんの髪は綺麗ですね。サラサラで、つやがあります」
「……ありがとうございます」
伊藤さんに髪を切られることがふえるたび、いつの間にかシングルマザーであることだとか、大学生であることだとか、自分のことを伊藤さんに話すようになっていた。
伊藤さんは穏やかな表情で私の話を聞いてくれる。伊藤さんは時々、学校がんばってるんですね、とか子育て大変じゃないですか? とか心配そうな表情で話しかけてくれた。
「産みたくて産んだ子どもだから、大変でも頑張れます。可愛いし、ね。心配なのは、子どもがちゃんと幸せになってくれるように、私がちゃんと子育てできてるかってことくらいで……」
それを聞いた伊藤さんは、笑って言った。
「幸さんなら、大丈夫ですよ。すごくしっかりしてるし」
「そうかなあ……?」
ほぼ毎月、会話を重ねるたびに伊藤さんはさらに親身になって、私の話を聞いてくれるようになった。私も少しずつ、伊藤さんに興味を持った。
「ところで伊藤さんは、どうして美容師さんをしてるんですか?」
「え? 俺ですか? 俺は父親が美容師で、仕事してる姿がかっこよくて、それで美容師に憧れた感じです」
私は伊藤さんに尋ねた。
「……伊藤さん、若いですよね?」
「これでも22歳なんですよ」
「え? 年上だったんですね、ごめんなさい」
伊藤さんはクシャっと子どものように笑って言った。
「大夢(ひろむ)ってよんでください。幸さん」
「……分かりました」
大夢は少し嬉しそうに微笑んで、優しく丁寧に、私の髪をきれいなショートカットに仕上げた。
大樹の検診も無事終わり、離乳食も順調に進んでいる。
母も父も、もう大樹にメロメロだった。かくいう私も、大樹の一挙一動に右往左往している。沢田家の中心には大樹がいる。そんな生活に私たちは慣れてきた。
「本当に、かわいいわね、大樹ちゃん」
「うん」
「おろせなんて言った男の顔が見たいな……いや、見たら殴ってしまうだろうな」
「やめてよ父さん、大樹が怖がっちゃう」
久しぶりにカイトのことを思い出して、私は顔をしかめた。
テレビで、時々カイトのニューシングルのコマーシャルが流れると、私の表情がこわばる。
母も父も、私の異変に気付いているのか、いないのかはわからない。
そんな風に日々が穏やかに過ぎていた。
ある時、母がぽつりと言った。
「幸、大樹ちゃんの父親って、野村カイトって言ってたわよね」
洗濯物をたたみながら、母が何気ない様子で私に尋ねた。
「……うん」
私は急に汗ばんだ手を握りしめて、椅子に座ったまま母親の表情を覗き見ようとした。
母親は私に背中を向けていたので、その表情は見えなかった。
「あの、テレビに出てるカイトって、野村カイトなの?」
母親の声は穏やかだった。
「……うん、そう」
私が答えると、母親は沈黙していた。時計の針の音がやけに大きく聞こえる。ちょっと間をおいて、母親が言った。
「……そうなのね、じゃあ、大樹ちゃん……男前になるわね」
「似るのは顔と声だけにして欲しいわ」
「……ふふっ」
母親は洗濯物をたたみ終えると、二人分の紅茶を入れて、ダイニングキッチンの机の上に置いた。
「お茶にしましょうか」
「うん」
私は母の入れた紅茶を飲んだ。
それはいつもより少し、渋くて苦かった。
学校では、シングルマザーになったことは誰にも言わなかった。
一部の教授は休学理由を知っていたけれど、とくにそれを口にすることはなかった。
ただ一度、ゼミの教授がレポート提出の時に「お子さん、元気?」と聞いてきたので、私は「はい」とだけ答えた。
私は学校の同級生と一学年ずれたこともあって、一人の時間が増えた。
孤立というほどではないが、クラスメートとは距離ができた。
それでも私は学校が楽しかったし、授業を真剣に受けるようになった。
大樹から離れていると不安でさみしかったけれど、学校で良い成績を取って良い会社に入らなければいけないと思うと、大学で過ごす時間が貴重なものに思えた。
忙しい日々は駆け抜けるように過ぎていった。
そして、卒業が近づいてきた。
毎月一回の美容院通いは続けている。
就職が目前に迫ってきて、私は大夢につい質問してしまった。
「仕事、楽しいですか?」
「うーん、つらいこともありますけど、楽しいですよ。やりがいもありますし」
「やりがいですか?」
「はい、お客様が笑顔になったときとか、嬉しいです」
「そっか、やっぱり働いている人の言葉は違うなあ」
私がそう言うと、大夢は照れくさそうに微笑んだ。
「幸さんは、仕事、どのへんで探すんですか?」
「うーん。この辺で働きたいと思ってるんだけど、募集が少ないんだよね」
私は近所の会社の求人情報を探していることを大夢に言った。
「近所なら、これからもここに通ってくれますか?」
「多分」
大夢が私の答えを聞いて、ほんのり頬を赤らめた。
私はそれをみて、苦笑した。
恋愛は、もうこりごりだ。
私は運よく、実家から二駅先のちいさな会社に就職が決まった。
仕事が決まったことを、美容院で大夢に告げると、大夢は自分のことのように喜んでくれた。
「あの、今度、よかったら食事でも行きませんか?」
「え?」
「これ、俺の連絡先です」
大夢が胸ポケットから小さな紙きれを取り出して私に渡した。
「私、シングルマザーでお金ないのよ?」
「俺、おごりますから。就職祝いってことで」
私はあいまいに笑ってから、紙きれをパンツのポケットにしまった。
「あの、大夢……あなたのことは仕事に誇りを持って働いてる姿を見てるから、尊敬してるけど……」
「ああ、あの、変な気はないんです。ただ、一度ゆっくり話をしてみたいなと思って」
大夢は失敗したかな、というような微妙な表情を浮かべて、鏡越しの私の目をじっと見つめていた。
私は、ちょっと深呼吸をしてから、言った。
「そうですね、仕事の話とか、もっと聞かせてもらうのも良いですね」
「……良かったあ」
大夢はほっとした顔で、私に微笑んだ。
その時、店内にカイトの歌が流れた。
「この歌手、最近人気ですよね。知ってます?」
「ええ、よく知ってます……」
人懐こい笑顔で無邪気に笑う大夢に、私はぎこちない笑顔で答えた。次の恋に進むには、まだ早い。私はポケットの上から大夢のくれた連絡先をしずかに撫でた。
それでも大夢は、大樹のいい友達になってくれるかもしれない。
鏡の中の私は、少し大人びた表情で、口の端だけ笑っていた。
年度が変わった。
私の実家の周辺は少子化が進んでいた。おかげで大樹を保育園に預けることができた。
そして、私は復学した。
「それじゃ、気を付けて」
「うん、大樹をお願いね。行ってきます」
実家から大学への通学時間は片道一時間半。一人暮らしの時は学校から歩いて15分のところに住んでいたから、これからは通学にずいぶん時間がとられるなと、私はため息をついた。
「せっかくだから、通学時間に英語でも勉強しようかな……」
スマホで無料の英会話レッスンアプリを検索する。聞き流す英会話とか、聞いて覚える英単語とか、よさそうだなと思った。大樹と離れているなら、その時間を将来のために有効に使いたいと私は考えた。だって、いつかは一人で大樹を育てなければいけない日が来るのだから。
久しぶりに行った学校で一番先にしたことは、軽音部に退部届を出すことだった。
「幸、サークルやめちゃうの? しばらく学校で見なかったけど何かあったの?」
「うん、ちょっとね……。これから忙しくなるから……」
元同期のバンド仲間に挨拶をして部室を出る。
「やっぱ、カイトが原因かな?」
ドア越しにそんな声が聞こえた。
私はその声を無視して、授業に向かった。
学校に通い始めて一か月。大樹も保育園に慣れてきたようだ。
保育園のお迎えは、母がしてくれている。大樹は初めのころは泣いていることが多かったけれど、最近は笑っていることがふえたと母が教えてくれた。
私は学校が休校の時には、保育園を休ませて大樹と一緒に近所の公園や児童館に遊びに行っている。今のところ私にママ友というのはいないけれど、顔見知りのお母さんは何人かできた。時々、若いね、あなた何歳? と聞かれるけれど、まだ20歳になったばかりだということは言わず、あいまいに笑ってその質問には答えなかった。
私はショートカットを維持していた。髪が長いころに比べて、シャンプーの時は格段に楽になっていたし、毎朝の身支度も髪にかける時間が短くてすむからありがたかった。
その代わり、毎月美容院に行くことになった。
指名料が惜しいので、いつも担当の美容師さんは指定しなかったけれど、伊藤さんが担当してくれることが多かった。
「幸さんの髪は綺麗ですね。サラサラで、つやがあります」
「……ありがとうございます」
伊藤さんに髪を切られることがふえるたび、いつの間にかシングルマザーであることだとか、大学生であることだとか、自分のことを伊藤さんに話すようになっていた。
伊藤さんは穏やかな表情で私の話を聞いてくれる。伊藤さんは時々、学校がんばってるんですね、とか子育て大変じゃないですか? とか心配そうな表情で話しかけてくれた。
「産みたくて産んだ子どもだから、大変でも頑張れます。可愛いし、ね。心配なのは、子どもがちゃんと幸せになってくれるように、私がちゃんと子育てできてるかってことくらいで……」
それを聞いた伊藤さんは、笑って言った。
「幸さんなら、大丈夫ですよ。すごくしっかりしてるし」
「そうかなあ……?」
ほぼ毎月、会話を重ねるたびに伊藤さんはさらに親身になって、私の話を聞いてくれるようになった。私も少しずつ、伊藤さんに興味を持った。
「ところで伊藤さんは、どうして美容師さんをしてるんですか?」
「え? 俺ですか? 俺は父親が美容師で、仕事してる姿がかっこよくて、それで美容師に憧れた感じです」
私は伊藤さんに尋ねた。
「……伊藤さん、若いですよね?」
「これでも22歳なんですよ」
「え? 年上だったんですね、ごめんなさい」
伊藤さんはクシャっと子どものように笑って言った。
「大夢(ひろむ)ってよんでください。幸さん」
「……分かりました」
大夢は少し嬉しそうに微笑んで、優しく丁寧に、私の髪をきれいなショートカットに仕上げた。
大樹の検診も無事終わり、離乳食も順調に進んでいる。
母も父も、もう大樹にメロメロだった。かくいう私も、大樹の一挙一動に右往左往している。沢田家の中心には大樹がいる。そんな生活に私たちは慣れてきた。
「本当に、かわいいわね、大樹ちゃん」
「うん」
「おろせなんて言った男の顔が見たいな……いや、見たら殴ってしまうだろうな」
「やめてよ父さん、大樹が怖がっちゃう」
久しぶりにカイトのことを思い出して、私は顔をしかめた。
テレビで、時々カイトのニューシングルのコマーシャルが流れると、私の表情がこわばる。
母も父も、私の異変に気付いているのか、いないのかはわからない。
そんな風に日々が穏やかに過ぎていた。
ある時、母がぽつりと言った。
「幸、大樹ちゃんの父親って、野村カイトって言ってたわよね」
洗濯物をたたみながら、母が何気ない様子で私に尋ねた。
「……うん」
私は急に汗ばんだ手を握りしめて、椅子に座ったまま母親の表情を覗き見ようとした。
母親は私に背中を向けていたので、その表情は見えなかった。
「あの、テレビに出てるカイトって、野村カイトなの?」
母親の声は穏やかだった。
「……うん、そう」
私が答えると、母親は沈黙していた。時計の針の音がやけに大きく聞こえる。ちょっと間をおいて、母親が言った。
「……そうなのね、じゃあ、大樹ちゃん……男前になるわね」
「似るのは顔と声だけにして欲しいわ」
「……ふふっ」
母親は洗濯物をたたみ終えると、二人分の紅茶を入れて、ダイニングキッチンの机の上に置いた。
「お茶にしましょうか」
「うん」
私は母の入れた紅茶を飲んだ。
それはいつもより少し、渋くて苦かった。
学校では、シングルマザーになったことは誰にも言わなかった。
一部の教授は休学理由を知っていたけれど、とくにそれを口にすることはなかった。
ただ一度、ゼミの教授がレポート提出の時に「お子さん、元気?」と聞いてきたので、私は「はい」とだけ答えた。
私は学校の同級生と一学年ずれたこともあって、一人の時間が増えた。
孤立というほどではないが、クラスメートとは距離ができた。
それでも私は学校が楽しかったし、授業を真剣に受けるようになった。
大樹から離れていると不安でさみしかったけれど、学校で良い成績を取って良い会社に入らなければいけないと思うと、大学で過ごす時間が貴重なものに思えた。
忙しい日々は駆け抜けるように過ぎていった。
そして、卒業が近づいてきた。
毎月一回の美容院通いは続けている。
就職が目前に迫ってきて、私は大夢につい質問してしまった。
「仕事、楽しいですか?」
「うーん、つらいこともありますけど、楽しいですよ。やりがいもありますし」
「やりがいですか?」
「はい、お客様が笑顔になったときとか、嬉しいです」
「そっか、やっぱり働いている人の言葉は違うなあ」
私がそう言うと、大夢は照れくさそうに微笑んだ。
「幸さんは、仕事、どのへんで探すんですか?」
「うーん。この辺で働きたいと思ってるんだけど、募集が少ないんだよね」
私は近所の会社の求人情報を探していることを大夢に言った。
「近所なら、これからもここに通ってくれますか?」
「多分」
大夢が私の答えを聞いて、ほんのり頬を赤らめた。
私はそれをみて、苦笑した。
恋愛は、もうこりごりだ。
私は運よく、実家から二駅先のちいさな会社に就職が決まった。
仕事が決まったことを、美容院で大夢に告げると、大夢は自分のことのように喜んでくれた。
「あの、今度、よかったら食事でも行きませんか?」
「え?」
「これ、俺の連絡先です」
大夢が胸ポケットから小さな紙きれを取り出して私に渡した。
「私、シングルマザーでお金ないのよ?」
「俺、おごりますから。就職祝いってことで」
私はあいまいに笑ってから、紙きれをパンツのポケットにしまった。
「あの、大夢……あなたのことは仕事に誇りを持って働いてる姿を見てるから、尊敬してるけど……」
「ああ、あの、変な気はないんです。ただ、一度ゆっくり話をしてみたいなと思って」
大夢は失敗したかな、というような微妙な表情を浮かべて、鏡越しの私の目をじっと見つめていた。
私は、ちょっと深呼吸をしてから、言った。
「そうですね、仕事の話とか、もっと聞かせてもらうのも良いですね」
「……良かったあ」
大夢はほっとした顔で、私に微笑んだ。
その時、店内にカイトの歌が流れた。
「この歌手、最近人気ですよね。知ってます?」
「ええ、よく知ってます……」
人懐こい笑顔で無邪気に笑う大夢に、私はぎこちない笑顔で答えた。次の恋に進むには、まだ早い。私はポケットの上から大夢のくれた連絡先をしずかに撫でた。
それでも大夢は、大樹のいい友達になってくれるかもしれない。
鏡の中の私は、少し大人びた表情で、口の端だけ笑っていた。
0
お気に入りに追加
4
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(4件)
あなたにおすすめの小説
皇太子殿下の秘密がバレた!隠し子発覚で離婚の危機〜夫人は妊娠中なのに不倫相手と二重生活していました
window
恋愛
皇太子マイロ・ルスワル・フェルサンヌ殿下と皇后ルナ・ホセファン・メンテイル夫人は仲が睦まじく日々幸福な結婚生活を送っていました。
お互いに深く愛し合っていて喧嘩もしたことがないくらいで国民からも評判のいい夫婦です。
先日、ルナ夫人は妊娠したことが分かりマイロ殿下と舞い上がるような気分で大変に喜びました。
しかしある日ルナ夫人はマイロ殿下のとんでもない秘密を知ってしまった。
それをマイロ殿下に問いただす覚悟を決める。
懐妊を告げずに家を出ます。最愛のあなた、どうかお幸せに。
梅雨の人
恋愛
最愛の夫、ブラッド。
あなたと共に、人生が終わるその時まで互いに慈しみ、愛情に溢れる時を過ごしていけると信じていた。
その時までは。
どうか、幸せになってね。
愛しい人。
さようなら。
捨てる旦那あれば拾うホテル王あり~身籠もったら幸せが待っていました~
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
「僕は絶対に、君をものにしてみせる」
挙式と新婚旅行を兼ねて訪れたハワイ。
まさか、その地に降り立った途端、
「オレ、この人と結婚するから!」
と心変わりした旦那から捨てられるとは思わない。
ホテルも追い出されビーチで途方に暮れていたら、
親切な日本人男性が声をかけてくれた。
彼は私の事情を聞き、
私のハワイでの思い出を最高のものに変えてくれた。
最後の夜。
別れた彼との思い出はここに置いていきたくて彼に抱いてもらった。
日本に帰って心機一転、やっていくんだと思ったんだけど……。
ハワイの彼の子を身籠もりました。
初見李依(27)
寝具メーカー事務
頑張り屋の努力家
人に頼らず自分だけでなんとかしようとする癖がある
自分より人の幸せを願うような人
×
和家悠将(36)
ハイシェラントホテルグループ オーナー
押しが強くて俺様というより帝王
しかし気遣い上手で相手のことをよく考える
狙った獲物は逃がさない、ヤンデレ気味
身籠もったから愛されるのは、ありですか……?
ヤクザの若頭は、年の離れた婚約者が可愛くて仕方がない
絹乃
恋愛
ヤクザの若頭の花隈(はなくま)には、婚約者がいる。十七歳下の少女で組長の一人娘である月葉(つきは)だ。保護者代わりの花隈は月葉のことをとても可愛がっているが、もちろん恋ではない。強面ヤクザと年の離れたお嬢さまの、恋に発展する前の、もどかしくドキドキするお話。
終わっていた恋、始まっていた愛
しゃーりん
恋愛
結婚を三か月後に控えた侯爵令嬢ソフィアナは、婚約者である第三王子ディオンに結婚できなくなったと告げられた。二つ離れた国の王女に結婚を申し込まれており、国交を考えると受けざるを得ないということだった。ディオンはソフィアナだけを愛すると言い、ソフィアナを抱いた後、国を去った。
やがて妊娠したソフィアナは体面を保つために父の秘書であるルキウスを形だけの夫として結婚した。
それから三年、ディオンが一時帰国すると聞き、ディオンがいなくても幸せに暮らしていることを裏切りではないかと感じたが思い違いをしていたというお話です。
【本編完結】独りよがりの初恋でした
水夏
恋愛
好きだった人。ずっと好きだった人。その人のそばに居たくて、そばに居るために頑張ってた。
それが全く意味の無いことだなんて、知らなかったから。
アンティーヌは図書館の本棚の影で聞いてしまう。大好きな人が他の人に囁く愛の言葉を。
#ほろ苦い初恋
#それぞれにハッピーエンド
特にざまぁなどはありません。
小さく淡い恋の、始まりと終わりを描きました。完結いたします。
【完結】忌み子と呼ばれた公爵令嬢
美原風香
恋愛
「ティアフレア・ローズ・フィーン嬢に使節団への同行を命じる」
かつて、忌み子と呼ばれた公爵令嬢がいた。
誰からも嫌われ、疎まれ、生まれてきたことすら祝福されなかった1人の令嬢が、王国から追放され帝国に行った。
そこで彼女はある1人の人物と出会う。
彼のおかげで冷え切った心は温められて、彼女は生まれて初めて心の底から笑みを浮かべた。
ーー蜂蜜みたい。
これは金色の瞳に魅せられた令嬢が幸せになる、そんなお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
いつの間にか 完結が…(´Д`)
又…いつか再開を楽しみに待ってます
ありがとうございます。
また機会があったら続きを書くかも知れません。
続きが読みたかったです(。ノω\。)
ありがとうございます!
申し訳ないです。
感想ありがとうございます。
描写はありませんがカイトは自業自得で破滅すると思います。