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30、スカイと外出
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「スカイ、学校はそんなに嫌か?」
「関口は会う度に『可哀想な名前ね』とかいうし、クラスの連中も俺のことを馬鹿にしているし」
田中君は思っていたより、こぎれいな服を身につけて、身だしなみも整っていた。
「田中君、家に居るのにちゃんとした格好してるんだね」
僕が言うと、田中君は嫌そうな顔をして言った。
「君は……だれだっけ?」
「スカイ、私は伊口ユイだ! 異世界から来た!」
田中君はユイの言葉を聞いてため息をついた。
「わざわざ家まで、俺をからかいに来たのか?」
田中くんは立ち上がると、僕達を見て言った。
「もう、帰ってくれないか? 学校も行く気ないし」
「それでまた、家でじっとしてるのか? つまらないだろう?」
ユイが不思議そうな顔をして、田中君の顔をじっと見た。そして、ユイは不意に思いついた様子で僕に話しかけた。
「スカイはちょっと、フレアに似ている感じがするぞ!?」
僕は言われてみれば、そうかも知れないと思った。
「フレアなら話しやすいかもしれん!」
「フレア? そんな名前の子が居るの? 僕がいたときには聞いたことがない名前だけど」 田中君がそう言うと、ユイは胸を張って答えた。
「私と同じ世界からやって来た魔王だ! だが、今は近所の喫茶店でアルバイトをしながら学校に通っている。フレアならスカイと話が合うかもしれん。物は試しだ。スカイを喫茶店アリスへ連れて行こう!!」
「そこにいる母君! スカイと外へ出てくる。良いか?」
心配そうに僕達のやりとりを伺っていた母親は、ゆっくりと頷いた。
「スカイが、学校に行けるようになるなら……」
「学校、学校って、そんなに学校に行くのが偉いのかよ?」
田中君は吐き捨てるように言った。
「まあ、ずっと家の中だと息もつまるだろうし、一緒に外に出てみようよ」
「……分かった」
田中君は意外にも外に出ることにためらいはないようだった。
僕達は歩いて、フレアの務める喫茶店アリスに向かった。
「関口は会う度に『可哀想な名前ね』とかいうし、クラスの連中も俺のことを馬鹿にしているし」
田中君は思っていたより、こぎれいな服を身につけて、身だしなみも整っていた。
「田中君、家に居るのにちゃんとした格好してるんだね」
僕が言うと、田中君は嫌そうな顔をして言った。
「君は……だれだっけ?」
「スカイ、私は伊口ユイだ! 異世界から来た!」
田中君はユイの言葉を聞いてため息をついた。
「わざわざ家まで、俺をからかいに来たのか?」
田中くんは立ち上がると、僕達を見て言った。
「もう、帰ってくれないか? 学校も行く気ないし」
「それでまた、家でじっとしてるのか? つまらないだろう?」
ユイが不思議そうな顔をして、田中君の顔をじっと見た。そして、ユイは不意に思いついた様子で僕に話しかけた。
「スカイはちょっと、フレアに似ている感じがするぞ!?」
僕は言われてみれば、そうかも知れないと思った。
「フレアなら話しやすいかもしれん!」
「フレア? そんな名前の子が居るの? 僕がいたときには聞いたことがない名前だけど」 田中君がそう言うと、ユイは胸を張って答えた。
「私と同じ世界からやって来た魔王だ! だが、今は近所の喫茶店でアルバイトをしながら学校に通っている。フレアならスカイと話が合うかもしれん。物は試しだ。スカイを喫茶店アリスへ連れて行こう!!」
「そこにいる母君! スカイと外へ出てくる。良いか?」
心配そうに僕達のやりとりを伺っていた母親は、ゆっくりと頷いた。
「スカイが、学校に行けるようになるなら……」
「学校、学校って、そんなに学校に行くのが偉いのかよ?」
田中君は吐き捨てるように言った。
「まあ、ずっと家の中だと息もつまるだろうし、一緒に外に出てみようよ」
「……分かった」
田中君は意外にも外に出ることにためらいはないようだった。
僕達は歩いて、フレアの務める喫茶店アリスに向かった。
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◇
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