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1、転生しちゃった
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「朝葉大丈夫!?」
「お姉ちゃん!?」
く、苦しい。
声が出ない。
息が出来ない。
ガタン、と椅子と一緒に私はひっくり返った。
ああ、お餅を喉に詰まらせて死ぬなんて。
20個も食べるんじゃ無かった。
後悔しても、もう遅かった。
「朝葉、朝葉!!」
お母さん、夕葉、お父さん、ごめんなさい。
私はもう、駄目です。
・・・・・・。
あれ?
苦しくない。
どうしたんだろう、私。
ここ、何処だろう。
なんか、テレビで見た王宮みたいな所にいる。
「気づきましたか、勇者様」
「え、私のこと?」
私は周りを見渡した。
ローブをまとった人たちに囲まれている。
「はい、勇者様」
「私、勇者なんかじゃ無い。普通の高校生だよ」
「貴方は異世界から転生されたのです」
美しい女性が歩み寄ってきた。
年は20代半ばだろうか。長いまつげに見とれてしまった。
「貴方のスキルは調理師と騎士。面白い組み合わせですね」
その女性は、私の手を取り私を立ち上がらせた。
「今、この世界は魔物があふれています」
「私、何も出来ないよ」
「大丈夫です。貴方には天性の才能があり、選ばれたからこそ、ここにいるのです」
私はそのとき気づいた。
ステータス、と言う物が空中に表示されている。
騎士LV1
調理師LV1
特殊能力 毒の見識 解体スキル
「ステータスって何?」
「貴方に秘められた能力のことです」
女性は長い髪を靡かせながら言った。
「貴方には、モンスター退治をお願いしたいのです」
「えええ! そんなの急に出来ないよ」
私は困った。レストランでバイトはしていたし、家で料理もしていたけれど。
モンスターなんてゲームの中でしか倒したこと無い。
「初めのうちは、一人では心細いでしょう。一人、補助員をつけます」
そう言うと、女性の後ろから鎧をまとった美青年が現れた。
「サイゼル・トワロです。魔法騎士です。よろしくお願いいたします、勇者様」
「皆、私のこと勇者様って言うけど、そんな力無いよ。朝葉あさはって呼んで下さい」
私がそう言うとトワロは頷いて言った。
「朝葉様、よろしくお願い致します」
「トワロさん」
「トワロとお呼び下さい」
「トワロ、色々と教えて下さい」
私は、もう頼れる物は何でも頼ろうと決めた。
「それでは、トワロ、朝葉様をよろしく頼みましたよ」
「はい、女王陛下」
「女王様!?」
私が思わず大きな声を上げると、女王はふふふと笑った。
「朝葉様、それでは城下町をご案内致しましょう」
「トワロ、よろしくお願いします」
「はい」
私はトワロについて行った。
お城は広くて迷子になりそうだった。
「お姉ちゃん!?」
く、苦しい。
声が出ない。
息が出来ない。
ガタン、と椅子と一緒に私はひっくり返った。
ああ、お餅を喉に詰まらせて死ぬなんて。
20個も食べるんじゃ無かった。
後悔しても、もう遅かった。
「朝葉、朝葉!!」
お母さん、夕葉、お父さん、ごめんなさい。
私はもう、駄目です。
・・・・・・。
あれ?
苦しくない。
どうしたんだろう、私。
ここ、何処だろう。
なんか、テレビで見た王宮みたいな所にいる。
「気づきましたか、勇者様」
「え、私のこと?」
私は周りを見渡した。
ローブをまとった人たちに囲まれている。
「はい、勇者様」
「私、勇者なんかじゃ無い。普通の高校生だよ」
「貴方は異世界から転生されたのです」
美しい女性が歩み寄ってきた。
年は20代半ばだろうか。長いまつげに見とれてしまった。
「貴方のスキルは調理師と騎士。面白い組み合わせですね」
その女性は、私の手を取り私を立ち上がらせた。
「今、この世界は魔物があふれています」
「私、何も出来ないよ」
「大丈夫です。貴方には天性の才能があり、選ばれたからこそ、ここにいるのです」
私はそのとき気づいた。
ステータス、と言う物が空中に表示されている。
騎士LV1
調理師LV1
特殊能力 毒の見識 解体スキル
「ステータスって何?」
「貴方に秘められた能力のことです」
女性は長い髪を靡かせながら言った。
「貴方には、モンスター退治をお願いしたいのです」
「えええ! そんなの急に出来ないよ」
私は困った。レストランでバイトはしていたし、家で料理もしていたけれど。
モンスターなんてゲームの中でしか倒したこと無い。
「初めのうちは、一人では心細いでしょう。一人、補助員をつけます」
そう言うと、女性の後ろから鎧をまとった美青年が現れた。
「サイゼル・トワロです。魔法騎士です。よろしくお願いいたします、勇者様」
「皆、私のこと勇者様って言うけど、そんな力無いよ。朝葉あさはって呼んで下さい」
私がそう言うとトワロは頷いて言った。
「朝葉様、よろしくお願い致します」
「トワロさん」
「トワロとお呼び下さい」
「トワロ、色々と教えて下さい」
私は、もう頼れる物は何でも頼ろうと決めた。
「それでは、トワロ、朝葉様をよろしく頼みましたよ」
「はい、女王陛下」
「女王様!?」
私が思わず大きな声を上げると、女王はふふふと笑った。
「朝葉様、それでは城下町をご案内致しましょう」
「トワロ、よろしくお願いします」
「はい」
私はトワロについて行った。
お城は広くて迷子になりそうだった。
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