【R18】淫夢の城

月島れいわ

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第三話

禁忌

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進むにつれて段々廊下も部屋も荒れ果ててゆく。
すえた匂いが立ち込めていた。
怖い。
セラフィーヌは、壊れた窓からは月も星すらも見えない。
幽霊がさまよっているって噂を思い出した。

一体どこへ行こうとしてるのか。
陶酔の態で「ねえ。何があるの?」
普段とは違う驚くほどの歩みの速さで歩きながら「頼まれ事をしたのさ。もう直ぐその躰を鎮めてもらえるさ」
「さっぱりよ」
「いや。いや。鎮めるどころか火に油」
幾つもの廊下と階段をあがった。
眩暈がして天井も床もがねじれ弾け飛ぶ。


城の最上階に近い廊下に出た。
漸くひとつの部屋の前でイボンヌ婆は立ち止まった。
木製の扉をノックすると少しの隙間が開いた。
ほのかな温かさと灯がこぼれた。


「お兄様……どうしゅてえ?ここ!」
狼を思わせる精悍な顔つきのオスカーがそこに佇んでいた。
「何が?」
得体の知れない黒い悪い予感に捕まった。
胸に飛び込み抱きしめられる。
「死にぞこないめ!妹に何をした。薬を飲ませたな!」
「ちがうのお。わたしがたのんだの」
オスカーの胸に顔をつけて
セラフィーヌは熱い泪が零れて止まらなかった。
「おやおや。さっきまでしてた事を話しておやりよ。あたしゃただ逢引きの仕事したまでさ。ふん。恩知らず。おまえさんたち夜夜中、ここの部屋でナニするね」
飛びかかろうとする勢いの兄にすがりついた。
「お兄様もう。おやめになって」
「駄賃だ」
オスカーは入口でニヤニヤしているイボンヌに金貨の袋を投げた。
「ごゆっくり。お愉しみください」扉が閉まった。

廊下にこだましたくつくつ笑いが遠のいたのを確かめるとオスカーは、
妹を抱きかかえて天蓋付きの豪奢なベッドへ横たえた。
そこは廃屋に手を入れた部屋だった。簡素ながらも調度品は手入れされ磨かれていた。しかしベッドサイドの小卓に置かれた燭台だけが灯だ。
抱き上げた少女の体を大きなベッドに横たえる。仄かに見える妹が何て面変わりしたのかと兄は驚いた。そして
頤をそっと押さえは口づけた。
少女は弱弱しく細い両腕を兄の首に絡めた。
「おまえはわたしのものだ。いいね?」
オスカーの低い美声が耳元で囁かれセラフィーヌはコクコクと小さく頷く。
兄は妹の唇から首筋、肩、腕、胸にも小さなキスを落としながら夜着を脱がしていった。
濡れたドロワーズを触ると、
「何かされたのか?」怪訝な兄の声。
脆く華奢な少女は震え顔を背けた「とても怖い事が……あったような…思い出せないわ」
「もう、いい。思い出すな」
微かに兄の重みを感じた。
頭が枕に深く沈む。
う、うう、んん……んん、うっ……
長い口づけにセラフィーヌの意識が遠のく。


セラフィーヌは双子の兄達を好きではあるけれど男性として求めるのは長兄のオスカーだった。
狩りで日焼けしたブロンズの肌は、カード遊びに興じてばかりの双子たちの貴族らしい容貌とかけ離れている。


少女の両手に自分の指を絡ませそれぞれ左右に大きく開けベッドに押し付けた。
磔になった少女の白い乳房を舐めた。
兄の熱い唇が這うだけで快感が走る。段々降りてくる。
腹から更にその下の殆ど恥毛の無い秘所にも。

ダメ!!……だめ…いやよ…そんな…とこ…そんな…ああっ…見ないでぇ
花芯も膨らみ蜜があふれ腿にもシーツにも滴っている。
くちゃくちゃと音を立てて舐められた。
少女は、夢見心地の快感に腰を浮かして嬌声をあげるしかなかった。

はあ。もう。もう。はあ。息がつまる……もう、ゆるして…お願い。もう。もう……

ふいに起き上がって
「お願いってなんだ?」
オスカーは笑みを浮かべた。

ああ……はあ、はあ……あ……

オスカーの指が花唇を嬲り秘裂をそっと鍵盤を叩くように弄ぶ。
片方の手は膨らみ始めの乳房を掴んで乳首を吸う。

ああっ……んん、うっ、ううう……
甘い拷問の快感が疼いて出口を求めた。
あの見世物でみたエミリエンヌみたいにされたい。
ディルドとかいうのを入れて欲しい。いえそんなものでなく兄さまの……お、お願い。兄さま。い、いれて……
「おまえはわたしのものだ。いいね?」
コクコクと妹はまた頷いた。
そうだ。
今までどんなに遊んでみても一線を超える勇気は兄妹に無かった。
いやあ!見ないでぇ!!
両足を掴まれたかと思うと兄の両肩に膝をのせられた。
「実に美しい姫だ」
兄の固い幹が、初めて男を迎える女の淫唇の中へずぶりと入った。
「い、い、痛いっ……!!!」
今までの指の太さとは全然違う。
ずぶずぶと侵入は止まらない。
必死で兄の腕を掴み、ぎゅっと眼を瞑り耐えた。
しかしオスカーが前後に左右にも腰を動かし出すと余りの痛みに大きな悲鳴をあげていた。
―――あの時のエミリエンヌみたい……
でも、わたしは愛する人としてるんだわ。
挿入しながら指で花唇をいじられる。今度は快感の悲鳴。
髪の先から汗を滴らせながら「ごめん。セラフィーヌ。我慢できない」
お兄様も感じてるんだわ。わたしがお兄様をそうさせているんだわ。
破瓜の痛みはじわじわ愛しい痛みに変わった。



二人は横になり瞳を離さず、お互いの体をくすぐりあった。
(お兄様もやって欲しいのかしら)
さっき見たエミリエンヌは口で……してた。あの酔っぱらった男は悦んでいた。それは確か。
「兄さま、ここに膝を着いて立ってみて。ここよお。ベッドの上」
肉棒はみるみる怒張した。
少女がそっと手を触れる。
ビクンとオスカーが感じたのがわかった。
ゆっくり亀頭を口に含む。両手はそっと肉茎を包んで、ゆっくり撫でた。
脈打つそれが段々固く反り返る。嬉しくなってセラフィーヌは思い切って咥え奥まで入れて食べ物をぱくぱく食べるように動かした。きゅっと吸ってみる。更に固くなる。
そうだった。
怒張を片手で掴んだまま、唇を陰嚢に這わせた。吸ってみる。

あっ!!

急に顔を離されシーツに倒れた。
「こんな事誰に教えてもらったの」
「だ、誰って」
軽々とセラフィーヌの体をうつぶせにした。
そのまま腰をぐっと後ろに寄せオスカーの手が固い小さな尻を撫でた。
どこを触られても感じる少女は、あげそうになった声をかみ殺した。
「教え、教えられてなんか……いないわ」
「だったら何故知ってる」
「どうして?お怒りになるの?お兄様が喜ぶと思ったのに。セラフィーヌを嫌いになったのね」
「まいった。降参だ。可愛くて仕方ないんだ。怒ってなんかいない」
兄の舌がセラフィーヌの尻を舐める。

あん。あん。ああ…うっ。うっ……

四つん這いのまま後ろから挿入されてしまった。
セラフィーヌの背中がたわむ。
パン、パン、パン
男の腰と女の尻とが激しく打ち合う音をたてた。
次々襲ってくる刺激に気が遠くなる。
後ろから両腕をオスカーに引っ張られ更に挿入が深くなる。
そうして果てたばかりなのに、また肉襞を舐められながら蕾を捏ねられるともう声を抑えるのも忘れて喘いだ。
シーツに爪を立てた両手は逃げ場所を探して彷徨った。逃れたいのにこの快感をいつまでも味わっていたいのだ。
少女の性は一気に開花した。
青白い蕾がほどけて花びらが咲いた。その色は蕾と同じ青く幼かった。
裸のままベッドの中でじっと二人は互いを見つめ合い抱きしめ合った。


「いい眺めだことね」
ふいに声がして二人ともサッと顔を向けた。
いつの間にそこにいたのか。
ベッドの天蓋のカーテンが少し引かれてエミリエンヌが立っていた。胸をはだけたガウンを羽織りゴムの上靴をひっかけていた。
その後ろにイボンヌが控えていた。
「なんだ。おまえたち。外に出ろ!今すぐにだ!!」オスカーが冷酷な口調で命令する。
エミリエンヌは口角を釣り上げて笑う。
ビードロのキセルを吸いなが落ち着いた声で、
「そんな事いえる立場なわけ?この現場を押さえたのよ。私とイボンヌ母さんにね。兄妹で乳繰り合うとは」
黙っていたイボンヌ婆は、
「この面白い話が村にも知れ渡ったら、誰が税を納めるものか。
貴族の称号もはく奪。だってそうだろ?教会の敷居を跨げない。教えに背く大罪なんだから!!」
「みんなあたしを淫売というけど、この城の王様はどうよ?イボンヌ母さんに手をつけて産まれた私はなんなの?
女中なの?お姫様?毎晩クロスのかかったテーブルで!
銀の食器で!星の数のマナー!マナー!!食事する伯爵家の一員!?冗談じゃない。
今度こそ、このあたしにひれ伏してもらうから!あんたちの近親相姦はみものだったよ!全く!!」
興奮して喋りとおしたエミリエンヌは肩で息をしていた。

オスカーは怒鳴った「おまえ達のいうことを誰が信じる」
「全く強気なぼっちゃんだ。来なよ」
真っ青な顔で10歳は老けてしまったプリリー女史が姿を現した。
家政婦長だ。彼女までにこの場を押さえられた。
女史はうつむいて二人に顔をあげようともしない。
ふたりは絶望するしかなかった。
「取引しよう。いい条件で」手をすり合わせるイボンヌの蝋燭の灯に照らされ顔は悪鬼の面だった。
たっぷりの間黙っていたオスカーが乾いた声で応えた
「いいだろう」





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