聖剣の光Ⅰ（完結）

本選大会

第22話

じじい「よっしゃーーー！行くかーーーっ！」
ニャン太「朝からうるせえよ。」


予選大会と同じ様な感じで、大会の二日前に出発。夜に到着して、宿を取る。次の日は体調を整えて当日頑張る、みたいな流れ。



じじい「今回も留守番するのか？」
ニャン太「ああ、面倒くさいしな。今回は大地の塔でゲットしたこの宝石を調べてみたいんだ。」
じじい「あの宝石を？」
ニャン太「微かに魔力を感じるんだ。仮にあの魔物が宝石を守っていたとしたら、きっと意味もある。」



優勝する事を約束し、じじいは前回と同じ闘技場へ向けて出発した。



ニャン太「…それに何か嫌な予感もするんだよな。今更になって野生じゃない魔物が現れるなんて。」


魔物からしたらこっちが急に現れた、ようなものだったが。




～船～




じじい「修行ばっかりしてて他の選手の情報とか全く分からないんだよな。」


唯一分かるのは、森や船で会った魔法使いのドーンくらいだ。あの頃は無属性の爆発魔法に驚いたが、今なら戦える気がする。


じじい「もしかしたらこの船の中にも、本選大会に出場する選手が居るかもしれないんだよな。」


かといって声を掛ける訳でもない。通り過ぎる人をチラチラと見る、怪しいじじいが出来上がった。




～宿屋～



じじい「前回と同じ宿屋にしてやったぜ。」


この宿は闘技場に一番近いので、ありがたい。前回の時より体力が付いているのか、まだ元気がある。酒場にでも行ってみるか？


時間的には夕食までにも時間があったが、食堂兼酒場に入る。まだまだ一般の客が多く、ひっそりとしていた。


じじい「夕方くらいから冒険者や大会参加者が賑わうのかな。騒がしくなる前には帰りたいものだが。」



そう言いながらカツ丼とステーキを注文。


じじい「明日もカツを食べるぞ。そして試合にも…勝つ！」



その姿は…独語老人であった。





ドーン「おや、レイスさん？」
じじい「ん、ドーンじゃないか。」


三度目の出会い。これが女の子であれば運命とでも言いたい所だ。


ドーン「調整の為に早く来たんですか？私も同じですよ。」
じじい「調子はどうよ？」



他愛もない話をする。普段、猫と喋るしか機会がないので楽しい。しかも何度か会っているヤツだ。女の子でなくても運命と言いたくなってきた。



じじい「じゃあまた明後日の大会で会おう。」
ドーン「ええ、対戦した時は宜しくお願いしますね。」



互いの健闘を祈り合い別れた。